人格者

　確定申告期は、会計事務所にとって「超繁忙期」だ。今年は３５０件あまりの所得税、贈与税の申告書を仕上げる。

　人格者と呼ばれる私も、2月1日から3月15日までは人格が変わる。

　音を立てずに背後に立たれると、振り向きざまにグーで殴るほど神経が研ぎ澄まされ、ティツシュが１枚落ちても気が付くほど集中力が増す。

　お客様をタイプ別に分けると

　１　何も通知しないうちから、必要書類をきちんと整理して持ってきてくださる方。
　２　通知を出すと、指定の期限通りに来て下さる方。
　３　指定の期限を過ぎるが、申告期限には十分間に合うように来て下さる方。
　４　申告期限ぎりぎりに持ってきて「間に合っただろ？」と言う方。
　５　何回電話しても来られなくて、結果、間に合わない方。

　に分類される。

　申告期限２～３日前にボリュームのある資料を持って来られると、本来なら無理なケースだ。

　それでもスタッフは文句を言わずに残業して間に合うように仕上げてくれる。

　開業したての頃は、申告期限の３月１５日の午前１時頃に持ってこられた強者がいらしたが、徹夜で仕上げた。

　さすがに今は、そこまでの方はお受けできない。

　



　

ブレークスルー賞

　アップルやフェイスブックなどの企業トップが出資する財団が「ブレークスルー賞」新設した。

　初回の受賞者として、さきのノーベル賞受賞者、山中伸弥教授ら11人を選んだという。

　「ブレークスルー賞」は、ノーベル賞の２倍を超える賞金が支給される。

　この賞金には税金がかかるのだろうか。

　ノーベル賞は現在では「非課税所得」と規定され、1億円あまりの賞金に税金は課されない。

　オリンピックのメダリストが貰った報奨金もかつては課税の対象だったが、現在では一定の条件下で非課税とされている。

　今回の賞は「非課税」の規定が無いため「一時所得」として課税される。

　一時所得は、（賞金－５０万円）×１／２　が課税対象となる。

　山中教授の場合、大学からの給料、講演料、原稿料等の所得と合算の上、税金がかかるわけだ。

　ノーベル賞の倍の賞金とはいえ税金がかかっては、結果として「ノーベル賞」並みの手取りになると予想される。

　ただし、受賞者の国は多岐に渡り、それぞれの国の税制で判断されることになる。

教習所

　今から考えると、たかが車の運転を教えてもらうのに何であんなに偉そうにされなきゃならんのだ、と思う。

　昔、自動車教習所の教官は、まるで生徒にストレスのはけ口を求めるが如く全員が「鬼教官」だった。

　今は、自動車離れの時代と言われる。ライフスタイルの変化により、とりわけ都会で暮らす若者の消費意欲は、高額な車を買うよりもスマホやパソコンなど情報機器へと向かう。

　スマホ1台で買い物もネットで済み、自宅に商品が届けられる。移動手段として車を持つ必要性がなくなれば「免許離れ」が加速するのも当然だ。

　生き残りをかけた教習所は、あの手この手のサービス合戦を繰り広げている。自動車評論家の菰田潔氏がいう。

　「今の教習所は接客業の意識が高く、昔のように頭ごなしに怒る鬼教官もいません。優しい指導をモットーに、教習の合間に利用してもらうレクリエーション設備を充実させるところもあれば、AT限定で20万円以下と低価格を売りにするところもある。ただでさえ少子化で免許取得人口が減る中、こうでもしないと生徒が集まらないのです」

　付加サービスの内容だけ知ると、とても自動車教習所とは思えないほど、至れり尽くせり石川セリのもてなしが受けられる。

　例えば「武蔵境自動車教習所」では、ネイルアートやマッサージが100円で受けられる。また「熱海自動車学校」に温泉があったり、「信州伊那自動車教習所」では、専任シェフの食事やケーキバイキングがついていたりと、合宿免許の希望者が多い教習所はリゾート気分まで味わえる。

　私の教官も怖かった。あわてたあまりパニクッて、教官側のブレーキを踏んだり、変速機のレバーと間違って方向指示器のレバーを思い切り操作して折ったりしただけで、ブチ怒られた。

　今だったらハイレグスタイルの女性教官が「いいわよそれくらい。許してあ・げ・る」と言うのに。
　

時代劇カフェ

　先ごろネット犯罪で逮捕された被疑者が「ねこカフェ」の常連と言うことで話題になった。

　「ねこカフェ」とは店内にいる猫触り放題が売りの喫茶店だ。10年前にはなかったが、いろいろなコンセプトの店があるものだ。

　そこで今後、間違いなく流行るであろう業態を予想してみた。

　ズバリ「時代劇」カフェだ。

　・「お代官様」コース
　　　　客は、入り口でちょんまげのカツラとお代官様の衣装を渡される。
　　　　店内に入ると、町娘に扮した女の子がいる。
　　　お代官「こっちに寄って、酌をせんか」
　　　町娘　「はい」
　　　　　　しばらくご歓談ください。
　　　お代官「どれ」と言いながら帯に手をかけ思い切り引っ張る
　　　町娘　「あれ～。お許しくださいお代官様。そんなご無体な」とクルクル回りながら着物を脱がされる。
　　　お代官「よいではないか」
　　　　一応、ここまでが基本コース。

　・「黄門様」コース
　　　　客は、入り口でちょんまげのカツラと黄門様の衣装を渡される。
　　　　扉を開けると五右衛門風呂だ。お銀に扮した妙齢の女性が湯船に入っている。
　　　黄門様「お銀、入っておったのか」
　　　お銀　「ご一緒にどうぞ。いい湯でございます」
　　　黄門様「うむ」
　　　　　　本当に風呂に入ってください。
　　　助さん「控えおろう。この肛門が目に入らぬか」
　　　黄門様「出てくる場所も、字も違うわ。このたわけ者めが」
　　　　一応、ここまでが基本コース。

　・「越後屋」コース
　　　　客は、入り口でちょんまげのカツラと町商人の衣装を渡される。
　　　越後屋「お礼と言ってはナンですが、お奉行様の大好物の黄金の切り餅（小判）でございます」
　　　町奉行「越後屋、お主もワルよのう」
　　　越後屋「お奉行様ほどではございません」
　　　町奉行「ふぉっふぉっふぉっ。同じ穴のムジナとは我らのことよ」
　　　芸者　「まあまあ一献」
　　　町奉行「愛い奴じゃ」
　　　　　　風車が飛んで来ますので、ご注意ください。
　　　弥七　「全部、見させてもらったぜ」
　　　町奉行「何奴！！」
　　　越後屋「あのう。黄門コースとの違いがイマイチ判りずろうござります」
　　　助さん「黙れ黙れ、控えおろう」
　　　格さん「ワシの出番はないんかの」
　　　　一応、ここまでが基本コース。　　
　
　さて、あなたならどれ？

　（注）確定申告で忙しいのでお許し下さい。　

　　　　　　　

ソチ・オリンピック

　2020年のオリンピックで、レスリングが開催種目から外されそうな雰囲気だ。

　それはともかく丁度、1年後から冬季オリンピックがロシアのソチで開催される。

　16歳の高校生、スキー・ジャンプの高梨選手が無敵すぎて、1年後にピークが落ちるのではないかと、不要な心配をしたりする。

　また以前の男子チームのように、あまりに強すぎて外国勢からスキー板やウエアを、日本選手に不利になるようルール改正されるのではないかと危惧している。　

　それにしても凄い。16才でありながら今季の総合優勝を決めた。

　私が昔のお奉行様だったら、高梨選手に言うだろう。

　「その若さでオリンピックに出るそうじゃの。高梨とやら、いったいソチは何者じゃ？」

　（注）ソチっていう開催地の名前が、妙にマイブーム。