ファンタジスタの10番やストライカーの9番も好きですが、サッカーで一番好きな背番号と言えば、僕が最初に好きになった選手が当時ACミランで8番を背負っていたオランダトリオのライカールトなので、やっぱり8になります。もっとも10番や9番にこだわる選手はたくさんいますが、MFとしてはもちろんDFとしても一流だったライカールトはオランダ代表では3番や17番、ファン・ハールのアヤックスでは4番を背負っていたことから、ライカールト自身は8にあまりこだわりはないのかもしれません。
ライカールトがアヤックスに移籍した後ミランの8番を背負ったのがフランスのデサイー。そして現在ミランの8番を背負うのはイタリア代表のガットゥーゾ。フィジカルが売りのデサイーとスタミナとメンタルが売りのガットゥーゾのプレーは正直テクニックも兼ね備えていたライカールトよりも物足りないのは否めません。ですが、共にライカールトが成し得なかったW杯を制覇。特にガットゥーゾはミランでも世界一を獲得。マケレレをチェルシーに放出した後のレアル・マドリーの低迷振りから伺えるようにトレクァルティスタ(トップ下)のカカやレジスタ(司令塔)のピルロよりも生粋のインコントリスタ(潰し屋)のガットゥーゾの方がミランの中盤に不可欠な存在だと言えます。
しかしながら、現在最高の8番と言えばチェルシーのランパードとリバプールのジェラードだと思います。近年、ニュープレイメーカーやオールアクションMFと呼ばれる8番を擁するプレミアリーグのクラブがCLの上位を占めている事実がそれを物語っていると思います。しかしながら、ランパードとジェラードを擁するイングランド代表がEURO2008に出場できないことからもバッジョやゾラ、デルピエーロやトッティといったファンタジスタの10番の共存が難しかったように8番のニュープレイメーカーの共存も難しいのかも知れません。
話はちょっと脱線しましたが、ミランの8番の系譜やイングランドの新しい8番、そしてブラジル代表を4度目のW杯に導いたドゥンガに代表されるように8番のポジションと言えば日本やブラジルで言うボランチやイタリアのメディアーノにイングランドのセントラルMFと呼び名はそれぞれありますが、いずれも中盤の真ん中だと言えます。ですが、ブルガリア史上最高のFWストイチコフも8を背負い、ファンタジスタよりもCFが10番を背負うイングランドでガスコインがEURO96で8番を背負ったように、8はファンタジスタの10番やストライカーの9番の代わりの背番号と言う側面も持っていると思います。
ストイチコフやガッサの他にも98年のW杯でオランダの10番をセードルフに譲り、8を背負ったアーセナルの10番ベルカンプ。ミランではバッジョに10番を譲らなかったものの、代表チームではストイコビッチに10番を譲り、代わりに8を背負ったユーゴのサビチェビッチ。そしてレアルをCL制覇に導いた同じくユーゴのFWミヤトビッチが挙げられます。また、アーセナルのイアン・ライトは生粋の8番のCFでした。
最近だと代表チームで10番、アヤックスやユベントスで9番を背負った後にインテルでは8番を背負うスゥエーデンのイブラヒモビッチや去年まで8番を背負っていたマンUのルーニーも挙げられます。今年からマンUの10番を背負うルーニーですが、イブラヒモビッチもルーニーも10や9を背負っているときも8を背負っている時の方が輝いているような気がします。
長々といろんな8番を挙げてきましたが、個人的に今一番期待している背番号8はやはりASローマのアクイラーニ。今後新たな8番像を築きあげてくれるような気がします。