日本代表のザッケローニ新監督の代名詞といえば、3バックの3-4-3。ザック監督が3バックを採用するきっかけとなったのが、イタリア・セリエAのウディネーゼで指揮を執っていた1997年4月のユベントス戦。当初ザック監督も主流だった4バックのフラットな4-4-2を採用していた訳ですが、その日は開始3分で1名退場。どうしても勝ちたかったザック監督はサイドバック1枚を中盤に上げた3-4-2へ変更。これが見事にはまり、ユーベを3-0で下すと、以降3バックの3-4-3を採用。ザック監督のウディネーゼは1997-1998年シーズンにセリエAで3位になり、セリエA昇格から3年でCL出場権を獲得。1998-1999年シーズンには、当時低迷していたミランへ引き抜かれ、就任1年目でセリエAを制覇。ザック監督の3-4-3及びミランで採用した3-4-3から派生した3-4-1-2は当時のセリエAで流行になったと記憶しています(一時世界的に流行と言われた3バックですが、振り返るとセリエA中心で、そこまで流行ってなかったと思います。ただ、その流れを作ったのは間違いなくザック監督だと思います)。その後ザック監督はラツィオやインテル等の監督も務める訳ですが、そこでも3バックの3-4-3(または3-4-1-2)を採用しています。初陣となる明日のアルゼンチン戦でも3バックを採用するかどうかはわかりませんが、今日はザック監督の3バックシステムについて、勝手に分析してみたいと思います。
フラットな4-4-2のサイドバック1枚を中盤に上げた3-4-2から派生したザック監督の3-4-3の構成は、3CBに中盤は両サイドにウイングバックを据えたフラットの4枚。3トップは、1CF+2ウイングというよりは1CF+2シャドーの組み合わせ。攻撃は起点となる1CFに2シャドーが絡む中央突破と3トップの2シャドーが中に絞る動きでサイドバックの的を中央に絞らせることで空いたサイドのスペースをウィングバックが生かすサイドアタックが基本。戦術の根幹はプレス→速攻ですが、布陣的にはナショナルチームだと2002年W杯のブラジル代表が近いと思います。
で、ザック監督の3-4-3と以前ザック監督が用いていた4バックのフラットな4-4-2を比較した場合、選手が最も均等にピッチ上に配されるためピッチ全体を使いやすく、所謂トライアングルが形成しやすいといえます。また、3トップが相手の2CBに対し、数的有利だといえます。同時に3バックも相手の2トップに対し、数的有利といえます。一方で、ウイングバックが各1枚のサイドは4-4-2よりも手薄。ボールを失った際のリスクは少ないといえますが、ウイングバックに豊富な運動量と1対1での強さが求められると思います。また、3バックや2枚のCMFにはサイドのケアが求められると思います。
そんなザック監督の3-4-3の攻撃のキーマンとなるのは、やはりザック監督がウディネーゼからミランに招聘された際にウディネーゼからザック監督の後を追うようにミランに移籍した元ドイツ代表FWビアホフと元デンマーク代表DFヘルベグ。ポジションでいえば、中央突破の起点であり、サイドアタックの終点となるCF(=ビアホフ)とサイドアタックを担うウイングバック(=ヘルベグ)。ウディネーゼ時代にはビアホフとヘルベグのホットラインでゴールを量産していました(ビアホフはウディネーゼでセリエAの得点王を獲得)。
とダラダラと書いてみました。個人的にはザック監督の3-4-3のメカニズムは好きなのですが、ザック監督の3-4-3を踏襲しているチームは現在のジェノアぐらいしか思いつかないモダンサッカーとザック監督の3-4-3の相性はあまり良くない気がします、、、。
もっとも明日の日本代表は4バックの4-3-3の可能性が高そうですけど、、、。
どちららにしても、まずはお手並み拝見といったところです。