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デヴィッド・ボウイ特集でお送りしております、お気に入りのCD。今日ピックアップするは1993年に発表された「BLACK TIE WHITE NOISE」です。
華々しいグラムロック→ノリノリのプラスティック・ソウル→実験的なヨーロピアンエレクトロニックミュージックと変貌を遂げた70年代を経て、1983年の「LET'S DANCE」で世界と踊ったデヴィッド・ボウイ。しかし、キャリア最大のメガヒットアルバムとなった「LET'S DANCE」以降のボウイはどこか迷走していた感は否めません(個人的には好きな曲はたくさんありますが)。
その後、原点回帰とも言えるティン・マシーンでの活動と並行して自らのキャリアを総括したSound+Visionワールドツアーを経て(ちょうどこのツアーに伴う旧譜のCDが再発され始めた頃にボウイの音楽と出会いました)、ボウイ自身の再婚を機に発表されたのが「BLACK TIE WHITE NOISE」です。
ナイル・ロジャースやミック・ロンソンらかっての盟友を再び迎え、ハウスやアシッド・ジャズにアプローチしたAORを展開。80年代の迷走に客観的に取り組んだとも言えるM-5♪Jump They Sayのようなシリアスなナンバーもありますが、M-8♪Miracle GoodnightやM-9♪Don't Let Me Down & Downなどどちらかと言うと気負いが抜けたようなナンバーが多いと思います。「ZIGGY STARDUST」の♪Rock&Roll Suicideにインスピレーションを得たであろうモリッシーの♪I Know It's Gonna Happen Somedayもカバー。ボウイのアルバムの中でも自然体(といってもボウイの場合、いつもスーツをびっしり着ている感じなのですが)な一枚だと思います。個人的にもリアルタイムで聞いたボウイのアルバムの中でも一番好きな作品です。