元日本代表のオシム元監督が2018年W杯全体を通して「いつでも誰かが出現し、驚かせてくれることが望まれる。ただし、以前のような形でスターは出てこないだろう。今大会でもそうだ。(フランス代表FW)ムバッペは、孤独にプレーすることはできない。それは(アルゼンチン代表FW)メッシにも(ポルトガル代表FW)クリロナにもできない。多くの人々は、一人でチームの先頭に立って引っ張るような選手を望むのだろうが、彼らにすらそれはできない。」と、現代サッカーが新しいスターの出現を許さないものであるとコメントしました。
また、オシム元監督は近年のスペイン代表の基本戦術で、ユーロ2008と2010年W杯の制覇の要因となったティキ・タカについて、「この2018年W杯で、ティキ・タカという言葉が忘れ去られることを望む。あれは時間を浪費する。何も起こらず、人々を退屈にさせる。世界はもう十分だと言っている。人間は、卓球を見る時のように首を回すことができる。フットボールは生きていなければならない。これ以上のティキ・タカは不要だ。」と批判しました。
まずオシム元監督がティキ・タカを批判するとは思ってもいませんでした。
また、僕はいろんな戦術があって然るべきだと思います。
ただ、ティキ・タカを下した戦術が守備を重んじていた場合、それを負けた方(ティキ・タカ)が、アンチ・フットボールと批判するのはいかがなものかと思います。
それと、これは20年前ぐらいから思っていたことですが、トップ下を据えることがアンチ・フットボールの対義語の一つであるスペクタクルなサッカーの実現に必要な要素であると定義付けられていると思います。
かつそこにファンタジスタが入ることで、スペクタクルの実現を可能とさせる因子であると定義付けられていたと思います。
そして、トップ下に入るに十分なファンタジーを擁しながらもトップ下に据えられなかったファンタジスタ、元イタリア代表FWバッジョや元イタリア代表FWデル・ピエロらはスペクタクルの実現を良しとしないアンチ・フットボールの渦に巻き込まれてセカンドトップやウイングら本来のトップ下とは違うポジションに据えられたと思います。
ただ、ティキ・タカの祖である元オランダ代表FWのヨハン・クライフは3トップのウイングに一番巧い選手を据える、すなわちトップ下を据えた際にトップ下に入るべき能力を持った選手が3トップのウイングに入るべきだと定義付けられていて、なんとなくずっと矛盾をはらんでいると思っています。