BS6で久々に007の「慰めの報酬」を見ました。
前作「カジノ・ロワイヤル」の時に比べると髪型がちょっと変ですが、やっぱり何度見てもダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドは「カジノ・ロワイヤル」からの「慰めの報酬」が一番カッコ良かったと思います。
一方、「スカイフォール」以降は、ダニエル・クレイグのボンドが急にベテランになり、急に石鹸を泡立てて髭剃りをするキャラに変わって「カジノ・ロワイヤル」からの「慰めの報酬」までにあった魅力、キレを失った感じがします。
また、作品へのお金の使い方というか、「スカイフォール」以降はボンドの所謂嗜みも変わってしまった感じがします。
「慰めの報酬」でもボリビアで用意されたホテルを別のホテル、それもスイートルームに変えるシーンがありましたが、これってボンドの魅力の一つでもあると思うんです。
博学故のさりげなりこだわり、そして、それを嗜む。
お酒然り、食事然り。
それが「スカイフォール」以降は髭剃りぐらいにしか感じない、すなわり余裕がない、お金がかかってないと思えてしまう訳です。
「スカイフォール」以降もウォッカ・マティーニやシャンパンを飲んでいるのかもしれませんが、初代のショーン・コネリーや3代目のロジャー・ムーアのボンドみたいにドンペリにこだわったり(それも敵に出されたドンペリの年代にかならずケチをつける)、5代目のピアース・ブロスナンのボンドのようにアストンマーチンのDB5のコンソールにボランジェがしこんであるようなことはなかったと思います。
そして、このボンドのこだわりや嗜みがあるからこそ、ボンドの魅力はもちろんボンドカーやボンドの時計もより魅力を放っていると思いますし、それは古風からくるものではなかったと思います。