神楽の季節が巡ってきました。
今季の「九州民俗仮面美術館/高見乾司」の取材スケジュールをお知らせします。私も後期高齢者の仲間入りをし、老化を自覚する局面も出てきたので、これまでに実施してきた同館主催の神楽取材フィールドワークは終了とします。ただし、例年通り、週末にはどこかの神楽に出かけ、終夜、絵を描き続けます。画技としては、ようやく出発点に立てたと思える地点に到達したという実感があるので、年齢云々よりも絵を描く時間を多く確保することが目的です。これからは残された持ち時間をこのためにだけ使いたいと思っています。現地の事情は、コロナ過の中断期間を挟んで、激変しています。伝承者が高齢化によって少しずつ減り、神楽の伝承危機と集落の消滅とが並行して進んでいるのです。半面、若い伝承者が入り、活気づいている例もあります。これらは現地取材により随時お知らせしたいと思っています。
以下の日程により行動しますので、現地合流は歓迎です。お気軽に声をかけてください。
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◇10月24日~28日 「山の面・海の面~祈る化身のカタチ」宮崎県立博物館・椎葉の古民家にて開催。椎葉・栂尾神楽&高千穂・野方野神楽の上演と仮面展示。好評のうちに終了。
◇11月2日~3日 延岡市北浦「三川内神楽」 大井地区。午後7時より *大雨のため行けるかどうか未定。
◇11月3日 高千穂町天岩戸神社 「天岩戸夜神楽三十三番大公開祭り」午前10時~午後10時 *他の予定との競合により行けるかどうか未定。
◇11月9日 諸塚村「桂神社霜月祭り」諸塚村桂神社にて 午前10時~午後3時頃まで *高見はこのあと由布院空想の森美術館へ。
◇11月22日~23日 椎葉「栂尾神楽」 椎葉村栂尾神社にて。午後5時~23日午前9時頃まで。女性の舞人が入り、元気いっぱい、古式を伝える美しい神楽。今後の神楽伝承の事例の一つとなるでしょう。
◇11月23日~24日 西都市尾八重「尾八重神楽」 旧・尾八重小学校跡地にて。午後7時~24日午前9時頃まで。*前日の栂尾からの連続取材になるため、無理は禁物。
◇11月30日~12月1日 高千穂「秋元神楽」 秋元地区公民館にて。午後7時頃から12月1日10時頃まで
◇12月7日~8日 椎葉村「嶽之枝尾神楽」 午後7時頃~8日午前9時頃まで
◇12月14日 木城町「中之又神楽」など。この日は銀鏡神楽など各地の神楽と日程が重複しており、取材案内の予定もあり、いくつかの神楽を廻ることになりそうです。*同行不可。
◇12月21日~22日 西米良村「村所神楽」 西米良村村所公民館前広場。午後7時より22日午前8時頃まで 中世の様式を伝える優美な神楽。サムライの末裔たちが勇壮に舞います。
*以下2025年の予定は詳細未定。追ってお知らせします。
◇日之影町「大人神楽」
◇諸塚村「戸下神楽」
◇諸塚村「南川神楽」
*これまでに同行した取材仲間や常連の神楽愛好家の方などにはできるだけ便宜を図るつもりです。
・高見乾司携帯電話 090-5319-4167 メールtakamik@tea.ocn.ne.jp フェィスブック高見乾司のメッセンジャーのいずれかよりお問合せ下さい。
*この神楽フィールドワークは今までのような超ハードな(殺人的ともいわれた)スケジュールではない方法または同様の主旨で実行できるスタッフが確保できたならば再開を検討したいと思っています。ご提案、名案などお寄せください。
*現在提案されている案
<1>「おしえて神楽仙人/神楽のひみつ・謎・神秘」神楽取材30年超の高見乾司(まだ仙人になりきれてはいない)が、現地で「神楽」と「仮面」について語り、それを動画で記録しユーチューブで配信する。その後、一冊にまとめる。
<2>「仮面民俗学講座」 「神楽と仮面」にはまだ多くの謎や未解明の起源・用途・名称・神格などが秘められています。このミステリアスな領域に「総論」から入り、「各論」を深めていく作業です。神楽の主役として出る仮面神に多くのデータが秘められているのです。
<3>「神楽を描く・ライブペインティング」 神楽を描き続けた105歳の画家・彌勒祐徳先生が天寿を全うされ、天界へ旅立ちました。彌勒先生が切り拓いた「神楽を描く・記録する」という領域を継続し、深めるのも後に続く私たちの役割でしょう。現地で一緒に描く仲間を増やしましょう。「絵は上手でなくとも良い、神楽の真髄を掴む呼吸が大事なのだ、それがすなわちアート=芸術なのだ」と彌勒先生と語り合った神楽の夜を思い出しています。