WALKER’S 

歩く男の日日

4日目 4月14日

2012-04-18 | 12年別格巡り

3週間ぶりに高速舞子に戻って来た。上着を持っていないので寒い。雨はあがっている。


 9:33
区切り3回目は3番慈眼寺から始まって高知県須崎市にある5番大善寺まで行き、その翌日37番札所岩本寺まで行く。途中バスと電車も使って3泊4日の旅になる。

 徳島駅前8時40分発勝浦方面行きのバスに乗る。勝浦線は慈眼寺の手前8.5kmの横瀬西まで行く便と4,5km手前まで行く便がある。ぼくが乗ったのは横瀬西まで、定刻の9時30分に到着して歩き始めたところ。前に歩いたときは道を間違えてかなり時間をロスしたのでどれくらいかかるかよく分からない。


 9:52
天気は曇り、時折ごく細かい雨がパラパラと落ちてくるけれど全く気にならない。ふれあいの里さかもと(非常に評判の良い宿)まであと2kmということは慈眼寺登り口まで2kmちょっとということになる。


 9:54
問題の分岐点にやってきた。4年前右の方へ上がってだいぶ遠回りをしてしまった。4年前はこの矢印はなかったはず。この矢印を見逃していたとしたら余程こころここにあらずの状態だったに違いない。


 10:03
さかもとのそばまでやってきた。ここから歩きの人は急斜面を登らねばならない。


 10:06
どう見ても学校だけれど、これが民宿ふれあいの里さかもと。もちろん以前は小学校だった。相当お金をかけて全面改装して快適な宿になっているともっぱらの評判。


 10:10
さかもとの手前もものすごい急坂だったけれどここからが本当の登り口、ここも先ほどと変わらず無理矢理な急坂がしばらく続く。


 10:14
登り口から3分ほどで早くも峠が見えてきた。ここからはしばらく平坦な山道が続くはず。


 10:25
見晴らしのいいところに出てきた。山の向こうは上勝町。


 10:30
自動車道に上がってきた。この手前はややきびしい登りだったけれどそれまではほとんど平坦で気持ちよく歩けた。このまま自動車道で慈眼寺まで行くわけではなくもう一度山道に入ると記憶している。


 10:35
ここから山道に入る。この入り口は全く記憶に残っていなかった。


 10:39
山道の途中に休憩所ができていた。小屋があったのは何となく覚えているけれど、こんなちゃんとした扉はなかったような・・・・。


 10:43
岩盤が削られて何とか山道が確保されている。左は崖だから昔はまた違う道が参道になっていたのかもしれない。


 10:48
再び自動車道に上がってきた、この手前200mが一番山道らしい登りだった。少し息が上がる。ここから慈眼寺まではずっと自動車道のはずだ。


 11:03
順調に別格3番慈眼寺に到着、ただしここは大師堂、本堂はさらに100mも高いところにある。バスの時間があるので本堂まで登るか決めかねていた。横瀬西のバス停から89分58秒で来た。前回より10分以上早かった。いくらか時間に余裕ができたので本堂に登ることにした。

お大師さんの前を通って登り口に急ぐ。


 11:05
山門から本堂まで何十メートルも登る札所はいくつかあるけれど、大師堂と本堂の標高差が100mもある札所はここだけ。車遍路の人にとっては岩屋寺以上の難所かもしれない。


 11:12
大師堂から9分もかかってようやく本堂が見えてきた。時速は3kmも出ていない。最高の難所が境内の中にあった。

本堂への往復だけで15分もかかったけれど何とかバスの時間には間に合いそうだ。念珠をいただくと納経所の横に小さなリュックを持った若者が用を済ませたところだった。歩きではなくバイクか車のようだった。


 12:23
前回のタイムを参考にすると、慈眼寺からさかもとの登り口まで下ってくるのに48分かかるはずだった。バスの時間が12時38分なので余裕を見て11時40分に下り始めればいいと思っていた。念珠をいただいて水と塩分を摂ると11時33分、休憩する時間は全くなかった。11時36分に慈眼寺を出ると、43分30秒で登り口まで下ってきた。バスの時間まで15分あるので初めて休憩、昼食を摂る。


 13:02
慈眼寺登り口(バス停坂本)から鶴林寺登り口(バス停生名)まで6.9kmあるのでここを歩くと1時間以上かかって宿に入るのが17時を過ぎてしまうので、バスに乗るしかない。生名(民宿金子やの前)に到着したのは12時58分、これから山を二つ越えるので休憩する時間など全くとれない。


 13:09
しばらく登ると新しい遍路小屋ができていた。かやぶき屋根は新しいという感じはしないけれどこの3年の間にできたことは確かだ。この屋根を見て改めてこの3年という歳月を思わないわけにはいかなかった。鶴林寺まで5分の1程度しか登っていないから場所的にはどうかという感じもするけれど、中は普通の遍路小屋より広くて野宿の人にはいい感じのスペースが確保されている。


 13:38
鶴林寺への険しい山道も中盤から後半へ入って、一瞬視界が開けた。那賀川の蛇行が鮮やか、これから渡る水井橋もはっきり見てとれる。


 13:49
登り口から46分53秒で20番札所鶴林寺山門に到着した。ベストより2分も早かった。さほどタイムを気にしたわけではなかったけれど、今まで一番遅いときでもこの札所には12時30分には着いていたから無意識のうちに急かされていたのかもしれない。


 14:05
お参りを終えてお大師さんの前のベンチで水分と塩分を摂る。時間が時間だけに休憩することはできない。すぐに下山を始める。


 14:44
標高差460mを一気に下って水井橋の手前まで来た。鶴林寺の下りは何度下ってもきついけれど、今回はいつにもまして苦しかった。膝とその周りの筋肉が痛んで思いきった動きがとれなかった。生名のバス停からここまでまだ一人も歩き遍路の人と会っていない。この時間にこんな所を歩いていたら山の向こうの宿まで行けないのだ。


 15:37
太龍寺の最後の登り1600mもきつかった。やっぱりいつもと違って時間がないのが影響しているかもしれない。鶴林寺から84分06秒、ベストより3分も早かった。足の痛さや体調もそんなに良くはなかったから意外だった。


 15:41
山門からも信じられないような急坂を3分ほど登ってやっと境内に着く。思いがけず納経所前は桜が満開だった。太龍寺は標高520m。


 15:44
鐘楼門を抜けて水屋を使う、石段を上がって本堂に向かうと、本堂がなかった。工事用の足場に覆われていた。その手前にご覧のようなごく粗末な仮本堂がしつらえてあった。昨年7月の台風で大きな被害を受けて修復中だった。なんだかやるせない思い。


 15:51
お大師さんの前を通って大師堂へ向かう、途中いつものように額縁から鶴林寺の三重塔を眺める。お参りを終えて納経所まで戻ってくると歩き遍路の夫婦が下り始めるところだった。やっと歩きの人に追いついたことになる。門柱の所で撮影して欲しいと頼まれたので快く引き受ける。ぼくと同じスマートホンだった。二人は今日は立江寺の宿坊から来た。宿坊は清潔でとても気持ちよく泊まることができたそうだ。ただし食事はどちらかというと質素な感じ。食事を主と考えてあまり良い宿坊ではないという人もいるようだ。二人は今日はぼくと同じ龍山荘に宿泊、薬王寺までの一国打ちだ。初めてのようなので遍路宿情報を手渡した。
 山門を16時07分に出る。何とか17時までに宿に着けそうだ。


 16:41
太龍寺からの下りは快調そのものだった。鶴林寺の下りと違って自動車道がずっと続くし、最初の部分以外は歩くのにちょうどいい勾配でひざにあまり負担がかからない。前回、焼山寺の下りが全く冴えなかったのでこの下りだけはタイムを意識した。山門から33分43秒で宿に到着、一番調子が良かった4年前より2分も早かった。4年前は今年のようにバスには乗らなかったので7km以上多く歩いた。4年前は32km、今回は25km、記録が出ても不思議はない。
 龍山荘は5年ぶり2回目の投宿になる。5年前は最初坂口屋に予約を入れたけど満室で断られたのでこちらの宿にお願いした。坂口屋は素泊まり3000円、龍山荘は4000円なので、そうしたけれど。今回は初めから2食付きで泊まるつもりだったのでこちらにお願いした。坂口屋の食事は良いとも悪いとも判らないけれど、龍山荘の食事の評判は聞いていた。前回の出迎えの感じもすごく良かったのでためらいはなかった。5年前は宴会場のような広い部屋に泊めて貰ったけれど、今回は普通の部屋だった。部屋は清潔な6畳間、テレビは日立のwoo22型だった。壁は薄く隣の物音はよく聞こえる方だ。
 先ずお風呂に入る。脱衣場に一人、そして浴場には外国の人が身体を洗っているところだった。どこの国の人かも判らないので声をかけるのは控えることにした。
 6時少し前になるとおじいちゃんが一部屋一部屋声をかけてまわってくる。1階の和室の広間に下りていく。テーブルが3つ、4人、4人、3人合計11人が同宿。ぼくは3人の卓で向かいに逆打ちの男性が二人座っている。隣の卓は太龍寺の山門で会った夫婦と外人さんとその外人さんと途中から一緒に歩いている男性。後ろの卓は若い女性(金子やから来た)と男性3人、それぞれ遍路談義に花が咲いているけれどぼくは同卓の人とも一切話すことはなかった。ただ聞いていた。聞いていると何回も巡っている人が過半数を占めているようだった。過去の経験を初めての人に伝授するという話が多く聞かれた。無理に割り込むこともなかろうとごちそうに集中するばかりだった。


非常にハードな1日が終わろうとしている。予約していた龍山荘には何とか16時40分に到着した。動きはいつになく良かったけれど疲労もそれに比例していた。夕食は評判通り最高レベルだった。

ホルスト

2012-04-18 | 日記

 昨日四国から帰ったと思ったら今日は大阪の街を歩いている。井上道義が惑星を振るとあっては見逃すわけにはいかない。生のオーケストラで惑星を聴くのは初めて。