WALKER’S 

歩く男の日日

1月18日(日) 淀工吹奏楽部 創部50周年記念演奏会

2009-01-21 | 演奏会

 ハイデクスブルク万歳              R・ヘルツァー
 カーペンターズ・フォーエバー          真島俊夫 編曲
 大阪俗謡による幻想曲            大栗裕
 なにわのモーツァルト「キダタロー」メドレー   小島里美 編曲
 幻想曲シルクロード              藤田玄播 編曲
 マーチングオンステージ

 アルメニアンダンス・パート1           A・リード
 大序曲「1812年」              P・I・チャイコフスキー
 ザ・ヒットパレード スペシャル

アンコール   お嫁においで~サライ     磯崎敦博 編曲
         星条旗よ永遠なれ      J・P・スーザ
         阪神タイガースの歌      古関裕而

 PAが入っていたのかいないのか、入っていたとしたら見事と言うしかない。プロの仕事とはこういうものか、と感心も得心もさせて貰いました。普通のホールに比べて遠い、音量が少ないという感じは否めなかったけれど、音質、バランスに関しては申し分なかった。ぼくの席はステージの斜め後ろ(指揮者とクラリネットパートを結んだ延長線上)で決して良いとは思えなかったのですが、全く違和感や不足は感じませんでした。

 1000人の演奏については、さほど期待はしていなかった。というのも、1000人以上の演奏は「3000人の吹奏楽」で何度も見ていたからです。ところが、今回の演奏は、西宮とも京セラとも全く違ったものでした。1部が終わり休憩にはいって、アリーナ席の半分(ステージの両脇の席)から楽器の音が聞こえたときには度肝を抜かれました。縦長に半分に割ったアリーナの客席、その半分は客席ではなく演奏者が座っていた。想像していたのと全く違っていました。アリーナの半分を使わないと1147名のバンドは収容しきれない。クラリネットの一番後に座っている人と向こうのチューバ、コントラバスとは100m以上離れている。真ん中のステージには淀工の総てのパートが座ってバランスをとってはいるけれどぼくの目の前には100人以上のトランペットが固まって座っている。スタジアムに比べて客席と奏者の距離がだいぶ近い。一番近いところでは20mも離れていない、逆に向こうの端は100m以上離れている。確かにこちらのパートと向こうのパートでは聞こえ方はかなり違うし、テンポの速いところではホルンの裏打ちはどうなのかというところもあったけれど、大崩れすることはなくバランスが保てていないということもなく、音楽の輪郭は常にはっきり捉えることができていました。向こう正面のロイヤルシートやその上部の席ではかなりバランスも良く、相当よくまとまった大迫力の演奏が聞かれたはずです。実際、昨日のムーブで堀江アナウンサーがそのように話していた。

 そういうことで、1000人の演奏は場所の関係で十分に味わえたとはいえなかったのですが、その次に演奏された「1812年」は最高でした。斜め後ろの席でもバランスは完璧でした、木管の細かい動きも金管を圧倒するほどの力強さがあったし、常に音楽をリードしている感じもあった。そしてフィナーレのバンダ、舞台の後の席には昨年全国大会金賞に輝いた伊奈学園と岡山学芸館高校の金管部隊がスタンバイしていることは判っていたのですが、反対側の客席中央通路にもずらりとトランペット隊が並んでいることは演奏が始まる直前まで気づかなかった。会場中があのギリシャ正教の聖歌に包まれた、響きの渦で満たされた、わけもなく涙が止めどなくこぼれてきました。そこに詩はない、意味もない、音があるだけだ。その音だけで人の心を激しく揺さぶる、これこそが本当の音楽の力なのだろうと思う。