WALKER’S 

歩く男の日日

12月10日(月) 近畿大学吹奏楽部 第47回定期演奏会

2007-12-11 | 演奏会
1部 祝典序曲               Dショスタコーヴィチ
    ウィズ・ハート・アンド・ヴォイス  Dギリングハム
    交響組曲「機動戦士Zガンダム」 三枝成彰/長生淳編曲
    プラハのための音楽1968     Kフサ

2部 ケルティック・チャイルド      Bアッペルモント
    カルミナ・ブラーナ          Cオルフ

アンコール  バレンシアの寡婦、第6曲  Aハチャトリアン
         マーチ「ブルー・スカイ」    高木登古

 3年目にして漸く2階席に座ることができました。やっぱり全然違いました。近畿大学の定期演奏会としてはこの10年でいちばん満足感のある充実したものでした。昨年、一昨年は1階の花道の出口に一番近い最悪の席だったこと、それ以前はザ・シンフォニー・ホールだったことが大きな理由だと思われますが、それを抜きに考えても一番充実していかもしれません。
 祝典序曲に関しては過去2度の名演(78年、83年)のイメージが強すぎるので、あまりいいとは思えなかったのですが、ほかの曲は総て充分味わい楽しむことができました。自由曲のプラハは、大阪府大会、関西大会と2度聴いているのですが、そのときと全く変わらない緊張感と曲の持つ重みに改めて打たれました。学生指揮は3年ぶりに女性が務めたのですが、非常に切れのあるきびきびした指揮で好感が持てました。叩きをきっちりしようとしている姿勢が見て取れました。こういう指揮だと吹いている方もかなり吹きやすく合わせやすいと思いました。
 2部の1曲目は、女性ヴォーカル2人と、幼稚園児の合唱が加わりました。すごくいやされる。声の力、子供の力というものを考えさせられました。吹奏楽というのは本当に単調なのだと、声が入るだけでこれだけ気分が変わるものだと。
 カルミナブラーナは90年のコンクールで金賞を獲得したときの抜粋版には及ばないかもしれませんが、99年の定期演奏会の演奏よりはずっと良かった。このときはザ・シンフォニー・ホールの1階の一番後の席で良い響きが全然届かなかった。演奏の善し悪しを云々できる状態ではなかったのでした。それに比べて今回の演奏はとにかく明確でした。この曲自体が単純で分かりやすい構成ですから、明確が何より。拍子やテンポがころころ変わる難しさはあるのですが、その変化も明確に表現できていました。特に感動したのはユーフォのソロ、合いの手が突然全奏で入る、そのタイミングとボリューム感が完璧。そして全体のサウンドも聞き惚れるばかりでした。冒頭のサウンド(最終曲にも出てくる)は一瞬コーラスの声が聞こえた、というほどの重厚さをたっぷり味わえました。