大好きなんです、板谷波山のやきものが。
出会いは図書館で偶然手に取った一冊の本でした。
「板谷波山の神々しき陶磁世界」
ぱらぱら~っとめくって、棚に戻しかけて
またうん?と気になって手に取って
まぁ借りてみるか、と思いじっくり眺めていると
そのやきもののすばらしさにすっかりファンになってしまいました。
もともと絵は好きだけど、陶芸には特に思い入れもなく
そーゆーのが好きな人もいるんやな、と小学生程度の知識しかない自分でしたが、
こんな美しいものがあるだろうかという感動を覚え、心開かれた思いでした。
内に光を抱き美しい自然をうつした、本当に神々しいとかいいようのないうつわの数々。
目立つデザインも、才気走った嫌みもなく、しっかりとした揺るぎのない造形。
ああ、この目でみることはかなわないかもしれないが、いつか出会うことができたら・・
そう思った出会いでした。
ところが偶然がまたもやあって、意外にも早く実物にお目にかかれる日がきたのでした。
ある日新聞をながめていると紙面下の広告欄に「板谷波山」の文字が目に入ったのです。
没後50年特別回顧展と銘うって、なんと東京で展覧会が開催されていたのでした。
場所は六本木の泉屋博古館(せんおく はくこかん)。
これに行かずしてなんとしよう、といそいそと会期中に出かけて行きました。
もうかれこれ4年前のことでしょうか。
どうにも肌の合わないハイソな六本木のまちに降り立ち、名札をぶら下げたサラリーマンたちの群れをすりぬけ、アガパンサスの咲き乱れる人工的な一角に泉屋博古館はありました。
「波山」は故郷の筑波山からとったものだそうで、陶芸家として初めて文化勲章を受けるなどして、91歳の生涯をまっとうされた方だったようです。
それはさておき、やはりそのやきものの美しさは圧倒的でありました。
同行した人は「なんか地味やな―」などといっておりましたが、私はこの人の作品が本当に好きなんだな、と再確認した次第です。
それから日々に追われ記憶は遠のいておりました。
先日片づけるものがあって埃だらけのクリアファイルを引っぱり出したら出てきたのです、展覧会のチラシが。
あっ、と息を飲みました。
板谷波山 光を包むうつくしきやきもの
その字面も、葆光彩磁の葡萄の花瓶のアップも、私にとってはなにかこう今も人生の活力になるようなものなのでした。
おりしも今日は七夕の日です。
波山先生に、あなたのつくったやきものが私は本当に好きです、とお伝えして酒でも酌み交わしたい今日この頃なのです。