尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

東京でまた「失職者」

2015年04月13日 21時08分13秒 |  〃 (教員免許更新制)
 東京都でまた教員免許更新制に関わる失職者が出た。2015年4月13日付で、都教委にホームページに「東京都公立小学校教員の失職について」なる文書が載っている。それによると、区部の34歳の男性小学校教諭が、昨年の3月31日にさかのぼって、失職となった。法の要請するところにより、自動的に失職してしまうという摩訶不思議な制度なので、「失職処分」ではない。しかし、34歳という年齢など、その経過に理解できない点が多い。

 都教委によれば、その経緯は以下のようになる。
①失職者は、平成21年度に免許状を交付され、免許状に記載されている有効期間満了の日が平成26年3月31日であることを認識していたが、更新手続は平成26年4月1日から平成28年3月31日の間に行うものと誤認していた
②失職者は、平成26年9月、免許状更新講習を受講し、修了した
③失職者は、免許状更新手続を行うため、平成27年3月16日付けで手続関係書類を都教育委員会宛て郵送した。同年4月8日、郵送された免許状の写しを確認したところ、免許状が失効していることが判明した。

 これを理解できる人はいるだろうか。教員免許更新制や更新講習の仕組みには本質的に問題が多いが、それはそれとして、この人は更新講習を受講して終了しているのである。ただし、受けるべき年を一年間間違えていた。だけど、受講に際しては、所属長の承認がいるはずである。東京では何回も、更新制がらみの失職問題が起きていて、管理職もきちんと理解していないとおかしいと思うのだが、校長や都教委自身にチェック機能はどうなっていたのだろうか。

 そこでまた不可思議なことが起きる。ということは、この制度が正しいとすれば、この教師は本来昨年の4月に失職していなければならなかったのである。だが、誰も気づかなかった。学校でも都教委の担当者も。そして、1年間勤務した。もちろん、その間、問題は起きなかった。というか、それは判らないけれど、少なくとも懲戒処分になるような問題はなかった。だから、教員免許更新制なんて、関係ないのである。この人の場合、本人だけでなく、現場の長である校長も気づかなかったんだから、それに気付いてしまった都の担当者も気づかずに、免許更新を受理していれば、それで問題は起きないのである。それではダメなのか。そういう人も、きっと全国には何人か、いそうである。

 こういう問題が起きて、これに限らないけど、東京都教育委員会はどういう対応をするのか。本来なら、一昨年度には更新講習を受け、昨年度には更新していなければならなかった。本人や現場の管理職にも責任はないではないだろうが、今まであれほど言ってきた都教委自身の態勢に問題はないのか。それとも去年は高校入試の答案チェックに忙殺されて、免許のチェックを怠ったのか。(これは可能性が高そうである。)その結果、年度当初に教員が代わることになる。それに対して、都民である保護者や生徒に対して、謝罪はしないのだろうか。都教委のホームページには、以下のように最初に述べられている。

 都教育委員会では、教育職員免許状の失効等については十分注意するよう、教員や学校管理職に対し、注意喚起を行うとともに、任用に係る事務処理の改善やチェック体制の強化に取り組んでまいりましたが、標記の件について、以下のように任用の取消しをしましたので、お知らせします。
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