尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

教師の勉強ってなんだろう?

2011年03月10日 20時32分13秒 |  〃 (教員免許更新制)
 教師はもっと勉強せよという人がいます。いや、まあ、それはそうだと思います。
 でも、教師の勉強って何をすることなんだろう?
 
 自分の教える教科の知識を増やすこと?
 生徒を笑わせるテクニック?
 生徒の心を開くためのカウンセリングの方法?
 生徒の上をいくパソコンの知識技量?


 それとも、まずは「常識を身につけろ」とか「生徒の心がわかる人間になれ」とか言われるかもしれませんね。

 これらは、校内で行う「研修」で得られるもの、大学や研究会等に参加して得られるもの、自分で本を読んだり体験して得られるものなどさまざまだと思います。

 教員の世界では、今「団塊の世代」が大量退職していく中、大きく世代交代していく時代です。しかし、学校の自主的な力量、「現場力」をつぶしすぎてしまったので、「先輩教師の技を盗む」という伝統的な職人気質だけでは学校が持たなくなっているのは事実でしょう。

 だから、文科省は2002年に教育公務員特例法を改正して、「10年経験者研修」を制度化しました。細かく書きませんが、かなりの時間数の校内外の研修が課せられています。

 この「10年研修」もどうかと思う面が多いけど、校内で研究授業をするわけだから、一定の効果は見込めます。ただ大学行くよりいいでしょう。かわいそうなのは、25歳で教員に採用された人。「10年研修」は廃止されなかったので、35歳の時に「10年研修」と「教員免許更新講習」の両方がかぶってきます。

 「10年研修」って知ってましたか?東京じゃ「20年」「30年」の研修もありました。(さすがにそれは廃止。)10年ごとに勉強するという仕組みはすでにあったじゃないの?どうして、それじゃダメ?

 僕が思うには、今も昔も教師(だけでなく、リーダー一般)に一番求められるものは、生徒に向き合う時の心のゆとりさまざまな体験の積み重ねからにじみ出る人間としての力、などではないでしょうか?
 これらは簡単に得ようとしても得られないものでしょう。
 こういうものは、文科省や教育委員会が命令的に行って効果があるというものではないと思います。

 むしろ学校で生徒や同僚と苦労を重ねながら、失敗もありながら、様々な感激を積み重ねる中でしか得られないものだと思っています。
 
 真に、学校の教育力をアップさせるための「教員の資質向上」とは何か?まだこの問題は考えていきたいと思います。
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