尾形修一の紫陽花(あじさい)通信

教員免許更新制に反対して2011年3月、都立高教員を退職。教育や政治、映画や本を中心に思うことを発信していきます。

「人権」の最後の授業

2011年03月02日 21時27分34秒 |  〃 (教育問題一般)
 教員免許更新制という、とことん教師という職をバカにした制度にガマンできず、講習を受けなかったため、勧奨退職することになる現職高校教員。

 今後の日々を綴りつつ、教師自身にもあまりよく知られていないこの制度の悪質さをアピールしていきたいと思っています。(ニュースや本、映画なども書くと思うけど。)

 さて、1955年生まれ。55歳の都立高校教員。55年体制」発足の年に生まれ、60年代には早すぎ、バブルには遅すぎ、教員免許更新制には第1回に当たってしまった年回り!

 何かと多忙で遅れてしまったけど、今日は、父親の命日。もう20年かぁ。これも何かの縁かと思い、今日から投稿します。当時は、江戸川区で中学3年の学年主任でした。(父親尾形健次郎は東武鉄道の副社長でした。)

 さて、勤務先は単位制高校なので、「人権」という特色科目を作って、4年。
 今年はハンセン病やホームレス問題、冤罪やセクシャル・マイノリティなどの当事者をお呼びしてお話を聞いてきました。

 今日は最後の「人権」の授業。僕も「カミングアウト」しました。
 ちゃんと聞いてくれて、拍手まであって、ありがとう。僕もちょっとウルウルしました。
 
 単位制なので途中でリタイアする生徒も多い中、30人以上が履修できました!!
 これは誇ってもいいかも。(っていうか、ほんとは募集人員30名なんだけど。)

 でも、来年度登録した生徒の皆さん、ごめんなさい(ちょっと)。
 まあ、折々に来ちゃおうかなとも思ってるんだけど。(転勤じゃないので。)
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「週刊金曜日」」(2・25号)に投稿しました

2011年03月02日 21時10分12秒 |  〃 (教員免許更新制)
 「教員免許更新という悪法」(以下が投稿した文章です。ただし、太字は投稿者)

 本誌2月4日号「悪法大研究」になぜか「改悪教員免許法」が入っていなかった。 
 この法律は、教育基本法改悪をついに成立させた安倍内閣の「遺産」である。この「改悪」により教員免許は10年しか有効ではなくなった。これでは教師は全員「非正規労働者」である。 教師は自費で大学等の講習に申込み、免許を更新しないと「失職」するという。

 私はこの制度を受け入れられず、講習を受けないままに来て、民主党政権に期待をかけたが、もはや無理だろう。なんと、「失職」とは退職金も出ないのだという。やむを得ず「退職」するしかない。

 教師は勉強せよと免許更新制に賛成する意見もあるようだが、2002年の教育公務員特例法改正で「10年研修」が義務づけられているではないか。東京では、さらに20年、30年の研修も行われていた。現場を知らない大学に行くより、勤務先で研究授業をする方が教師の力量アップになる。

 免許更新制だと、低待遇で苦労している非常勤教員や離島の教員、部活や生活指導で大変な教員ほど負担が大きい。大変な思いで頑張っている教員ほど苦労する。生徒と関係が作れない教員には、座学で済むから「10年研修」より楽という変な制度である。しかも管理職や指導主事、主幹教諭は指導層だから受けなくても更新できるという。「何だ、それ」と正直思う。

 講習を受けないと失効するという制度設計自体が、おどしであり非教育的だと思う。大学で勉強して取得して、採用後も問題なく勤務していても、ある日突然資格が失効するという「改正」には怒りを通り越し、信じがたい思いでいっぱいである。

 (下線部は掲載時削除。赤字は掲載では「より」の前にあるが、間違い。次号で訂正の予定。そもそもは原文になかったのですが。)
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