beatitude

好きなことだらけさ…

『孤島の王』

2012年05月09日 | 映画 洋画

1915年。ノルウェーのバストイ島に、
エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)という非行少年が送還されてくる。
そこで彼が目の当たりにしたのは、外界とは隔絶した矯正施設のあまりにも理不尽な現実だった。
イジメにも似た重労働の懲罰、教育者による性的虐待。
尊大なる王のごとく君臨する院長(ステラン・スカルスガルド)や
冷酷な寮長(クリストッフェル・ヨーネル)に
ことあるごとに反発するエーリングの孤独な抵抗は、優等生オーラヴ(トロン・ニルセン)など
過剰な抑圧にさらされた少年たちの心を突き動かし、生死を賭した反乱を引き起こしていく……。

(公式サイトより)


お誘いを受けて友人と観てきました。
チラシの謳い文句である「歴史の闇に光をあてた衝撃の実録」ではあったけど
「極限サスペンス」って程、サスペンスではなかったような。
でもステラン・スカルスガルド以外はほぼ無名のスタッフ&キャストってのは凄い。
とにかく辛くて寒い映画でした。

人は人の上に立った時、その権力に酔うのだろう。
養護施設や介護施設、そして実の父親や母親であってもそうであるように。
ましてや刑務所や少年院ならなおさら、
上に立つ者はは善でありそれ以外は悪という前提が
良心の呵責を呼び起こさないまま、当然の権利の如く行われる悲劇。
その理不尽さに立ち向かった少年たち。
と言っても引き金になったエーリングの行動は
反抗であり脱走、それ自体は許されざる行為。
でももうすぐ卒院だったはずのオーラヴにとっては…。

非行少年とはいえ、やはり純粋な部分を残している少年たちと
自分に都合よく事を納めようとする大人たちの世界。
いつの時代も変わらない…。