黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

予防接種の効果はあるのか。

2014-11-03 18:06:36 | 健康・病気
 予防接種に対して、多くの、しかも専門家を自称する人すら、幻想を持っています。それは、川喜田愛郎「近代医学の史的基盤」で、ヒポクラテスから現代までの医学の歴史、ルネ・デュボスの「人間と適応」、マクニール「疫病と世界史」、ジンサー「ネズミ、シラミ、文明」、ディクソン「近代医学の壁」、シゲリスト「文明と病気」その他多数の本に、病気と人間のかかわりが書かれています。私は、病気は人間が環境に適応できない時になるという、病原環境論で、適応説とも言います。特に「近代医学の壁」には、人類は、ワクチンと抗生物質という二つの魔法の弾丸と思われていたものが、壁にぶつかったことを警鐘しています。感染症で言えば、ウイルスや細菌と人とが適応関係を作って、弱毒化し、消えて行ったのです。天然痘は、隔離政策でなくなったのです。麻疹は、ワクチンのできる以前から減少し、軽症化していきました。日本脳炎も同じです。適応関係ができてなくなったか、軽症化してきたのです。ペストは、ヨーロッパで人口の四分の一を死なせましたが、病原菌も治療法も判らないうちに、ヨーロッパから姿を消し、中国で病原菌が見つかったのです。
 そして遺伝学者は、「人間のゲノムに、人類の病気の歴史が書かれている」と言います。つまり、過去に流行した病気のゲノムが、人間のゲノムに書かれているのです。人は、多くの細菌や微生物と共存し、その助けを借りて生きています。詳しくは、2011年1月の自然治癒力または生体防御の項をお読みください。また新たに知識を得ましたので、いずれ書き直します。
 人間には、利根川博士が証明したように、一億にも上る抗体を産生する能力を持っています。また過去に、祖先がかかった病気に対して遺伝的に速やかに抗体を産生します。ヒブや肺炎球菌は人間の体の中にいる常在菌です。それが、人が抵抗力を落とした時に発病し、重症化するかどうかは、その抵抗力の落ち方によるのです。そして、ヒブや肺炎球菌の話に書きましたように、ワクチン先進国では、菌交替現象が始まっています。ワクチンをしても別のタイプの菌にかかります。予防接種のおかげで病気が減ったのではなく、日本人の抵抗力が上がったことと、適応関係ができてきたからです。そこに環境が関与しています。
 私の理論では、一つ病気が無くなっても、また新たな病気が出てきます。デング熱は、今流行が止まりましたが、蚊の卵の中で越冬し、また初夏から、つまり蚊が卵から孵り、成虫となって繁殖する為に人間の血を必要とすると、出てくるでしょう。日本脳炎もそうですから。
 エボラ出血熱も、完全に制圧するには、天然痘のように、完全隔離するしかありません。しかし、媒介動物がウイルスを持っている限りまた出現します。それが感染症の歴史なのです。
 最後は、ワクチンの副反応が出るかどうかも、人間側の抵抗力と、それを左右する様々な環境に左右されます。最後は、ストレスです。これはコメントを書かれた方への返信でもあります。
 予報接種を選択することを私は勧めています。予防接種によって、完全に防御することは不可能です。有効性と副反応と、病気にかかった時の重症度とを天秤にかけて、ご自分で判断して下さい。私の意見は少数派ですが、前出の多くの本を読むと、理解できますが、医者でさえ難しくて読まない人がほとんどですから、無理でしょう。予防接種の専門家と称する人たちはほとんど読んでいないと思います。


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