黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

気管支喘息の精神神経免疫学

2022-05-13 10:57:09 | アレルギー疾患の精神身体医学

      子どもの気管支喘息

    子どもの気管支喘息 

 

           子どもの気管支喘息           

私の方法で、気管支喘息の発作が出ないようにすることができます。治るとは言えませんが、それは気管支喘息の遺伝子を持っている人が、何らかのストレスによって発作が出るので、ストレスを無くせば、発作を起こさなくできます。

私は、日本の専門医とは違い、世界の流れに従っています。小児喘息という病名は、一部の人が使いますが、大人と同じ気管支喘息です。特別な病気がある訳ではありません。

  • 1.気管支喘息とは-

喘息(ぜんそく)と言えば気管支喘息を云います。アレルギー性疾患に関して、日本の小児科医の間に意見の違いがあり統一されていず、いろいろな意見があります。「小児喘息」という病名は思い違いです。大人の気管支喘息の多くは子ども時代の発病ですから、みな「気管支喘息」です。その医師が知らないだけです。

関西は鍛練療法で、関東は体質改善療法ですが、体質は変わりません。いずれも世界の流れを無視しています。私は世界の流れにプラスして、病気の原因は環境にあるという環境病因論で、今までこの方法でうまく治して来ました。一度試して見てください。

環境を変えれば発作を起こさなくなります。昔から空気に良い所へ行くと良いと言われましたが、それよりも家庭内や幼稚園、学校を変えることや、育て方を変えることで変わります。土地を変えると親の対応も変わるのではないでしょうか。大切なのは、子どもをのびのび育てることです。ドイツのシュタイナーやフランスのモンテッソーリ、さらにお釈迦様の孫悟空への態度も同じです。叱らないことです。その方法は、いろいろあります。

こどもを医者に任せずに、病気をよく知ることが大切です。

喘息の死亡率は、1年に2万人に1人以下。死亡の原因は医師又は両親の「重症度の判定」の失敗によると言いますが、心療内科医は発作がひどくなった為に、患者が「呼吸が止まっちゃう」、「死んでしまう」と不安からパニックになって、自分で「死ぬ」と暗示をかけて自分から死んでいくと言います。だから吸入で少し楽にして、親が「ほら吸入したから大丈夫だよ」と言い、子どもを安心させるとパニックになりません。その為乳児を除き、年齢が低い程死亡率が低く、年齢が高くなるに従って突然死が増えてきます。大人になると、医師でないと「大丈夫」という暗示効果が効かないようです。

  • 2.症状

ヒュ-ヒュ-ゼ-ゼ-いう「喘鳴(ぜいめい)」と咳をし、息が苦しいと肩呼吸をし、ひどいと発作性の呼吸困難を起こすのが特徴です。すっと楽に吸えて、息をはく時に

ヒュヒュして苦しいのです。診断基準はなく、私は臨床的に診断します。

 喘息は気道(気管支の粘膜)の慢性の炎症が起き、二次的に種々の刺激に気管支が過敏に反応して気道が狭くなり、そこへ粘稠な痰がからむ病気です。  

アレルギーは二次的なので、炎症をおさえるステロイド(特に吸入)を使うことが多くなっています。

かぜ、タバコの煙、過労、ストレスなどが、誘発したり悪化させたりします。

最近「咳喘息」という診断が増えてきましたが、この診断基準はなく、言わば診断のごみ箱、つまり診断のつかない長く続く咳をそう診断しているのです。喘息であれば、ヒューヒューする喘鳴や呼気性呼吸困難(息を吐く時に苦しい)があり、気管支拡張剤の吸入によっておさまることが多いものです。でも必ずしもそうではありません。

私は、心因性の咳を疑っていますが、それを証明するのが大変なので、対症療法をしています。数人は明らかに心因性の咳でした。原因を無くしたら止まったからです。

これに対しては喘息のような薬による発作予防が効きません。

 ◎特徴①症状が周期的に出現すること。特徴②夜間の発作

 発作は午前2時から4時頃の、深夜、夜明け前がひどく、日の出と共におさまっていきます。日中おさまってもまた夜中に起きます。1日の中で良くなったり、悪くなったりするので、夜ひどいが昼間良くなったと見てはいけません。夜なら一昨日の夜と昨日の夜、昼なら昨日の昼と今日の昼と、同じ時間帯で比較して判断して下さい。

 軽い時は、起床直後に咳や発作が始まることがあるし、寝ている時や起床直後だけ出る咳とか、朝や日中に子どもは「苦しい」とか、「ゼーゼーする」とは言わず、「(胸が)気持が悪い」と云うことが多いです。その時子どもの背中に耳をあてて、ヒュヒュしているか音を聞いて見て下さい。この時に携帯用吸入器を使います。

 ひどいと苦しくなり、鼻をピクピクさせたり、肩で呼吸をしたり、のどの下の陥没が目立ち、横になって寝ているより身体をおこしていた方が楽(起座呼吸)になります。

ひどくなると息を長く止めていられなくなるために、食事が食べられなくなり、口もきかなくなり、水も飲めなくなります。

更にひどくなると、顔色が蒼白になり、口唇が紫色(チアノ-ゼ)になります。携帯用の吸入器で苦しさが止まらなければ、突然死もあるから、すぐ小児科医のいる病院へ行って下さい。親が不安にならなければ、そうなりません。あわてたり騒がないこと。

〇発作が起きた時に、何か嫌なことを我慢してはいないか、ストレスになっているものを探して、それをなくすことが発作をおさめ、続く発作の予防になります。

◎特徴③季節的変動

 発作や咳は、春秋の季節の変り目や梅雨時、台風の季節に多いです。気候の変化に弱いです。だから気象予報特に台風の予報ができます。

☆こどもでは3歳前後に発病することが多い。こどもでは男:女=2:1。

 主に乳児期にアトピー性皮膚炎になった子が多く、次に喘息様気管支炎の子がなることが多いですが、突然なる子もいます。

 気管支喘息の過半数は10歳以前に発病し、残りは40歳までに発病しますが、まれに50歳を過ぎてからも発病します。30歳以後は、男女比は1:1。

きっかけの精神的要因として、こどもでは親子関係(特に母親)と兄弟関係が多く、母親の関心の強い子に出やすいと言われてきました。しかし、最近はむしろ保育者(祖父母に預ける、託児所、保育所、幼稚園)や学校の先生や友達関係によることが多い。発作が多い時は、いじめに注意。本人は言いません。友達の母親から聞くなどするしかありません。

 

☆こどもの気管支喘息は治るか?

 年齢と共に(特に思春期になると)精神的にも成長して自立し、それまでのストレスが、ストレスでなくなると、喘息から抜けられますが(その代わりに親の言うことをきかなくなる)、大人になってまた別のストレスがあると、喘息が出ることがあります。

  • 3.気管支喘息の治療方針

目標は (1)日常生活は普通。家庭で、学校で、地域社会で、スポーツやレクリエーションに参加できる。 (2) サルタノール吸入の必要性がなく、週1回以下の使用で済む。 (3)気道過敏性が改善(運動や冷気の吸入による症状の誘発がない)。(4)1年以上発作がない。

気管支喘息の治療

☆喘息のコントロールは段階的にしていきます。まずは発作の予防です。それには・・

 私は病気の原因を、遺伝子プラス環境要因と考えます。同じ遺伝子を持っていても喘息を起こすとは限りません。しかし、遺伝子は親から受け継いだので逃れられません。

 両親、祖父母、兄弟など身内に、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー性疾患のある子に起きます。

 アレルギーの検査はそれを調べるだけです。しかし、何も出ないこともありますし、検査して陽性でも、発病していないこともあります。つまり、遺伝子を受け継いでも病気は受け継がないので、環境を変えれば発病しません。それで発病しないことはまれではありません。

 それで第一は、その環境対策特にストレス対策です。

☆予防の第一はストレス対策

 これで発作を起こすのを止めます。

 喘息の子どもに共通する性格傾向は、普段は元気がよく、悪く言えば少しわがままなところがあり、他人をかきわけて前へ出ようとするタイプが多いが、こころやさしくて、「いやだ」と言っているように見えるが、いやなのにいやだと言えずに、がまんしてしまい、その時ゼーゼー始まる。中には、相手のこころを読んで、自分からがまんしていることもあります。

 乳幼児期の発病は、母親や兄弟などの家庭内に原因があることが多いですが、幼稚園や保育所に原因があることも最近は増えています。

一人っ子や第1子では、母親または他の家族による干渉で、赤ちゃんが要求しないのに、抱いたり触ったり、ほっぺをつついたり、キスしたり、中にはなめたりしています。

赤ちゃんを、親や上の子、祖母のおもちゃにしないで下さい。

第2子以下では、上の子による干渉によることが多いようです。本人はイヤとは云わず、気付きにくいです。がまんするとヒューヒューしてきます。上の子は、可愛がると言って、触ったりします。触られる方は嫌なのですが、嫌とは言いません。「いやだな」という目つきをしますが、泣きません。それで気がつかないのです。

上の子にいびられたりかまわれたりした時に、少し大きくなると上の子に向っていきますが、結局は負けたり我慢したりします。そうすると夜寝てから夢に見てくやしがり、夜中に発作が起きたりします。

大切なことは、どんなことでも、「イヤだな」と思って我慢しないで、はっきり「イヤダ」と言うか、又は、「仕方ない。まあいいや。そういうものだ。しょうがないね。」とくよくよしない。「がまんしなさい」とか「あきらめなさい」と言ってはいけません。「しょうがないよね」が一番です。

今まで私が見てきた原因は、

 保育所でのハイハイの強制。保育所や幼稚園での給食の強制、剣道、プール、水に顔をつける、器楽、どろんこ遊びなどがあります。すべての子が、いやがる訳ではなく、喜ぶ子もいますから気がつきにくいです。中には、幼稚園児で園長先生の剣道の時間に自分はよいが、できなくていつも怒られている子がいて、それを見ていると可哀想で発作が起きる子がいました。その日を休むと発作は起きません。

小学生では、塾や公文、習い事、ピアノ、バレエ、バイオリン、習字、そろばん、野球やサッカー、柔道、空手などがいやなこともあります。「自分でやりたいと言って始めたことだから、最後までやりなさい」と言うのは、やめましょう。嫌になったらいつでもやめることです。そうしたらまたやりたくなることもありますが、無理にやらせると、一生しなくなります。

また、いじめが原因なのに1年以上気が付かなかった例もあります。いじめ対策をしたら起きなくなりました。この子が一番長引いた例です。嫌なことをやめれば、喘息も良くなります。

ストレス対策で発作や咳が出なくなれば、他の対策の必要はありません。それだけで治った子もいます。とにかく、子どもだって一人の人間(ただし発達途上の)だから、のびのびと育てることが一番です。悪いことをしない限り、好きにさせるとよい。そうすれば自然に喘息は治ります。

 

  • 4.薬物療法①-発作時の治療-

気管支喘息に関する国際会議が指針とする治療法。日本の主流派と異なります。

世界的には吸入優先。なぜなら、直接気管支に作用するので、副作用が少ないから。

しかし、大量に吸入すると全身にも作用します。飲み薬は一旦血液中に吸収されて全身に回り、気管支に届きます。

  1. サルタノール・インヘラー( 気管支神経刺激剤サルブタモールで携帯用定量吸入器)

の吸入 。発作時のべネトリンのネブライザー吸入と同じ気管支拡張薬。発作時に一時的に使用します。同じ系統の薬では一番心臓への作用の少ない薬。メプチンエアーも同系だが少し強いです。(これは発作時の薬)

 軽いうちに吸入します。少しヒューヒューしたり、胸が気持ち悪くなったり、咳こみが始まった時に、すぐ吸入します。これでおさまったら、おしまいです。1回に1吸入。効かない時は、30分たったらもう1回してもよいです。1日に2回まで。おさまらない時は、薬を飲みます。

4歳以上ならできる子もいますが、小学生にならないと難しい子もいます。使いすぎると副作用が出るので、おさまらない時は病院へ行き、ネブライザーの吸入をしてもらってください。

 なお、サルタノール吸入が出来ない場合は、2週間を限度としてネブライザー吸入器の携帯用を、今後(今はまだありません)貸し出す予定です。それ以上続く時は購入して頂きます。これで夜の救急受診が減ります

サルタノール吸入だけでコントロールできていれば、他の薬の必要はないのです。

気管支神経(β)刺激剤の吸入液

第一選択薬はサルブタモール(ベネトリン、サルノール)

第二選択は プロカテロール(メプチンエアー10μg、キッズエアー5μg)

理由: β作動薬の心臓毒性は(サルブタモールを1として)

テルブタリン(ブリカニール)    0.5   

サルブタモール(サルタノールベネトリン)1    吸入器あり、妊娠中可

ツロブテロール(ホクナリン、ベラチン)3.3

プロカテロール(メプチン)      83   吸入器あり、使うならここ迄。

ここからは使わないほうが良いもの(心臓への毒性が強いもの)

クレンブテロール(スピロペント)   500

サルメテロール(セレベント、配合はアドエア)300~600  吸入器あり

ビランテロール(配合はレルベア)       200~3000  吸入器あり

ホルモテロール(アトック、配合はシムビコート) 1400   吸入器あり

フェノテロール(ベロテック)        2000  エロゾルあり

 イソプレナリン(プロタノールL、アスプール液、配合はストメリンD)9000超 エアロゾルあり、これはイソブレテレノールです。

  1. 追加してインタール吸入を毎日吸入します(予防の薬)。妊娠中可。

サルタノール吸入を毎週4回以上使用する場合は、発作予防の吸入をします。発作には効かないので、サルタノールと併用です。

 インタール(クロモグリク酸)吸入は1日2~4回、最初回数多く、効果(発作が出ない)が出て来たら減らしていきます。通常2~4週続けないと効果が出て来ません。75%に有効で、6週間使って効果がなければ中止し、次の吸入薬を使います。

 

  1. 吸入ステロイド剤

インタール吸入で効果不十分ならば、吸入ステロイド剤を使います。→予防の薬で毎日使います。吸入後うがいをして口の中の薬を洗い流します。通常1回1吸入で、1日に朝晩2回吸入します。

副作用はカンジダ症、発声障害で、必ずうがいすること。

第一選択は、キュバール(ベクロメタゾン)エアゾール50、100、

第二選択は、プデソニド(パルミコート)ドライパウダー、妊娠中可、

できれば使いたくないのは、フルタイドエアゾール、フルタイドロタディスクです。半減期が長いので、頻回の使用で血中濃度が高くなると、ステロイドの副作用が出ます。

〇吸入ステロイド

ステロイドの力価、           血中濃度の半減期、作用時間、

ベクロメタゾン(キュバール)        2.8    中

プデソニド  (パルミコート)       2      短

フルチカゾンP(フルタイド、アドエア)  14.4    超長

フルチカゾンF(レルベア)        24~33   超超長

 

〇β2気管支刺激剤+ステロイド剤を合わせた吸入剤は、アドエア、レルベア、シムビコートです。子どもには不要です。

  1. 以上で効果不十分の場合→→以下の5.6.のいずれか、または併用します。
  2. β2 気管支神経刺激剤(気管支拡張剤)、内服薬

〇短時間作用型=ブリカニール、ベネトリン。

1日3回飲む。飲み薬は効果が出るまでに30分程度かかります。

〇長時間作用型=ツロブテロール(ホクナリン、べラチン)、メプチンなど。

1日2回内服。気管支を拡げて、痰を出やすくします。

 いずれも、副作用として、手のふるえや心臓がドキドキすることがある。

→なったら止めること。副作用が出た時に、薬が早く切れるので短時間作用型を勧めます。ツロブテロール(ホクナリン)テープは1日1回夜胸にはります。入浴後がよい。入浴時まで1日はります。効果が出るまでに2~3時間かかるので、即効する吸入を勧めます。

 

  1. ロイコトリエン受容体拮抗剤―モンテルカスト(キプレス、シングレア)は有効(オノンは欧米では評価されていません)。 これを持続内服します。肝障害、血管浮腫などの副作用が大きいので、最後の選択肢です。催奇形性があり妊娠中は不可。
  2. 上記のいずれでも効果不十分の場合

 経口ステロイド剤(プレドニゾロン、プレドニン)の追加使用、ステロイド剤の注射などですが、重症化したら入院してすることが安全です。

 

8.テオフィリン除放剤内服。(テオドール、テオスロー)長時間作用型気管支拡張剤。日本では使われていますが、世界的には原則として使いません。入院して血中濃度を

測定して使う薬です。多すぎると中毒を起こし、少ないと効果が無いからです。使わな

いで下さい。副作用は頭痛や吐き気、重症化するとけいれんや不整脈が出ます。

 

9.抗アレルギー剤

 ザジテン(ケトチフェン)、アゼプチン、セルテクト、アレジオンなど。

保険では気管支喘息に適応となっていますが、有効性の証明はありません。世界的には

使われていません。

特徴④咳や発作がおさまらなければ、治療の薬や方法を変える。「効かないからもう一回吸入するとか、もう一回薬を飲む」ことはしないこと。効かない時は治療方法を変えないと良くなりません。

 軽い時は水を飲む。深呼吸をする。おさまらない時はサルタノール吸入をします。次に咳止め薬、気管支拡張剤。ボスミン皮下注射。ステロイド内服と注射。等々と効かなければ治療法を変えていく。ネオフィリン注はやめましょう。

副作用:効く薬には副作用がある。薬の量は、年齢、体重、重症度、時間などで量を決定します。自分で調節して、失敗すると、心不全から死に到ることがありますから、自己調節してはいけません。

  • 5.発病の予防

 アレルギー性疾患のある家系では、母乳をすすめます。でも、母乳が出なくても心配ありません。ミルクで充分です。アメリカ小児科学会では、母親の食事を制限しても意味がないと言います。それは母乳に出るのは、食べた物の10万分の1以下ですから。

子どもの食事制限は意味があります。卵は1歳まで与えないこと。牛乳(ミルク)アレルギーの場合は、豆乳にします。離乳食を遅らせても効果はありません。

それ以外は、食事にこだわらないこと。ただし、生のたんぱく質を1歳まではさけましょう。(喘息に関係ありませんが、蜂蜜も1歳までは与えてはいけません)

 牛乳は6ヶ月過ぎたら(ミルクアレルギーのない場合)わかして(沸騰させて)さまして与えます。乳幼児では生の牛乳は避けて下さい。アレルギーの問題と、加熱処理されていない牛乳は腸で出血するので、大量に飲むと貧血になります。学童や大人も出血しますが、肉などを食べていれば問題ないと言います。実際に大腸がん検診ではしばしば牛乳を飲んでいる人が便潜血陽性になります。

 ゲノムの研究で判ったことは、ほとんどの哺乳類は幼児期になると母乳を分解する乳糖分解酵素を産生する遺伝子の働きが止まって、母乳を消化吸収できなくなり、飲めなくなり、離乳するのです。

しかし、人間と犬や猫では、母乳や牛乳を飲める人が多いです。それは山羊や牛を飼っていて、適応したと考えられています。でも農耕民族を中心に牛乳を飲むと下痢する人が多いのです。牛乳は飲まなくてもよいのです。

☆運動は喘息によいか?

鍛錬療法―身体を鍛えることでこころを鍛えると言います。

 運動、スポーツは何をしてもよいが、水泳以外は運動誘発性喘息があります。でも運動をしなくても治ります。

運動誘発喘息の起きる仕組みは不明ですが、多分に精神的なものと考えます。なれると減ってきます。運動して息が切れるのを、発作と錯覚するのではないでしょうか。

喘息の時に、運動を制限することはなく、子どもの意志に任せればよい。

 特に、発作が起きた時に、親があわてず騒がず、不安にならず、病気に負けてしまわずに、「喘息なんて飛んでいけ」とがんばるこころを育てることが大切。どんなことでも嫌がるのを無理にしいてはだめ。いかにその気にさせるかが大切。

 

  • 6.アレルゲン(アレルギーの原因、抗原)は調べた方がよいか?

 アレルギーの病気は検査で判るものでは無く、症状で診断します。他の医師はすぐ検査をしましょうと言いますが、検査では診断できず、確かめるものに過ぎません。

 〇気管支喘息の場合、三大アレルゲンは、

ハウスダスト(主に粉ダニ、ヒョウヒダニ)(70%)、真菌(かび)(10%)、花粉(10%)で90%を占める。次はペット。

☆吸入性―ハウスダスト、ホルムアルデヒド、窒素酸化物、浮遊粒子状物質。

花粉―2~4月―杉、4~5月―ひのき、松類(黒松、赤松)、5~8月―いね、カモガヤなどイネ科植物、5~6月―小麦、8~10月―ブタクサ、

真菌(かび)―アルテルナリア、アスペルギルス、ぺニシリウム、カンジダなど。

その他―動物の毛や皮屑(犬、猫、小鳥、うさぎ、ハムスターなど)、昆虫。

☆食餌性―そばが有名。

☆薬品類―特にアスピリンや解熱鎮痛剤、サルファ剤。

☆検査で出ないこともあるし、検査で出ても発作を起こすとは限らない。

 

  • 7.環境整備は、

 ストレス対策で治らない時にすることです。それをした結果、思わないことがストレスになっていたこともあります。

 家庭環境のコントロ-ル―エアコン使用、ほこりやケバがたたないようにする。毛布はカバーをする。ペットは飼わない-犬、猫、鳥、ハムスター等。-ペットの皮屑が誘発します。空気清浄機もある程度は有効です。

 一般的な刺激物を避ける--タバコや花火、蚊取り線香の煙、強い臭い(ペンキ、消毒剤、家具)、冷たい飲み物や吸込む空気の急激な温度、湿度の変化を避けるなど。

 特に、タバコを吸う父親が多かった時代は、正月に発作を起こす子が多かったでした。

 今は、実家に帰ると発作を起こす子が増えていませんか。たばこか祖父母たちの過度の可愛がりです。

 

〇メディカル・トリビューン2006年8月31日号より

「家族生活のストレスが小児喘息の憎悪因子に」

・険悪な家族関係や不安定な家庭環境が悪影響を及ぼす。

・乳児期の喘鳴と親がストレスを経験した時期との関連を実証した研究がある。

・小児期の喘息が育児の困難な家庭で好発することを実証した研究もいくつかある。

・親や保護者が高レベルのストレスを経験し、育児が困難である家庭では、小児が喘息を発症するリスクが最も高いことも実証した研究もある。

・喘息児が地域社会で暴力に遭遇すると症状の憎悪が引き起こされることを明かにした研究もある。

・小児ではストレスが喘息の憎悪を引き起こすことを実証した研究7件もある。

 例えば、喘息児ではストレスの多い出来事を経験すると、発作リスクがほぼ倍増することを明かにした研究。小児では急性および慢性のストレス増大が、その後の2週間の喘息発作リスクを3倍に増大させることを実証した研究など。

〇思春期の若者たちには、

  1. 発作の原因や誘因に気づかさせることが第一である。
  2. それに対しての気持ちの持ち方を変えさせる。決して「いやだな」とか「発作が起きるのが恐い」と思わせずに、「起きても大丈夫」と思うようにさせる。
  3. その為にも治療法をよく説明し、理解させるる
  4. また、補発作の原因や誘因となる生活スタイルを変えるようにさせる。
  5. そして最後に、心理的要因が取れない場合には、説得療法と共に、他者催眠法から、自己暗示法へ導き、自分で自己暗示をかけて発作が起きないようにする。

 25歳までは、自分の気持ちの持ち方を変えることができるから、効果的である。

〇喘息の話

日本では主に明治時代以後に始り、高度経済成長以後急増、特に近年に増加。狭い地域に人口が増えるとなりやすい。都市に多く、農漁山村に少ない。一般的には先進国に多く、発展途上国に少ないが、発展途上国でも増えている。

 喘息の疾病率;アメリカでは人口の5%(こども7~19%)、日本では都市では5%以上、農村でも増え、川崎や四日市では8%以上。スカンジナヴィア地方では特に低い、イヌイットや黒人、アメリカ先住民(居留地)に少ない。

 例1;アメリカ先住民(居留地)。――アメリカ先住民は昔、居留地に囲い込まれた頃、気管支喘息はみられなかったとの記録があるという。所が居留地は岩山や砂漠、草原などの生産性の低い土地で、人口が増えてくると生活が出来なくなり、都市へ流入し、その中から喘息になる人がでてきたのです。今、都市では白人と同じ割合で喘息になり、また居留地でも喘息が出てきています。

例2;横浜喘息(明治時代の外国人)。――明治時代に横浜に来た欧米人たちは、主に貿易商と外交官たちだったが、その病気の一つに喘息があり、横浜に来てから病気になって、仕事にならず、帰国していく途中、船が横浜港から遠ざかると共に、喘息の発作は軽くなり、おさまったという。これを横浜喘息と呼んだ。

例3;アメリカ黒人の気管支喘息――アメリカの軍隊の中での調査で判ったことは、昔は若い黒人兵には気管支喘息が無く、その後だんだん出てきて、増えているといいます。昔、日本の徴兵検査では、喘息はだめで徴兵されませんでした。

例4;現在はアメリカの若者のブタクサ花粉症が増えています。

 現在、日本の大人のスギ花粉症とアメリカの若者のブタクサ花粉症、それにヨーロッパのイネ科の牧草の花粉症が増えています。日本は中高年層にスギ花粉症が増え、失業率や労働条件が関係しているものと考えられます。日本でも若い人の花粉症が増えています。欧米では、若者の失業率が高いこともひとつの要因ではないでしょうか。

  • 5.アレルゲン(抗原)・・・過敏になる原因

 三大アレルゲンはハウスダスト(室内塵)、真菌(カビ)、花粉で計90%。

吸入性―室内塵(ハウスダスト)で、コナダニ、ヒョウヒダニなどを含む。

 花粉―スギ、ひのき、ブタクサ、イネ科植物、松類、白樺など。

 真菌(かび)― アルテルナリア、アスペルギルス、ペニシリウム、カンジダ。

 その他―動物の毛や皮屑(ふけ類)(犬、猫、鶏、小鳥、うさぎなど)、昆虫、木材の木粉(杉、ラワン、松、輸入材など)、薬品類、細菌類、絹、真綿、ソバ、ソバガラ、除虫菊、

食餌性――食餌アレルギー、蕁麻疹、(こどもだけは喘息もあります)

 動物性―鶏卵の卵白とその加工品(乳児の5%にある)、牛乳と乳製品、青身魚類(サバ、カツオ、サケ、アジ、マグロ、)甲殻類(カニ、エビ、)イクラ、イカ、タコ、肉類(牛、豚、鶏)

 植物性-豆類(大豆、ピ-ナッツ)、木の実類(クルミ)、小麦そば、果実類(キウイ、マンゴ)米、チョコレ-ト、里いも、じゃがいも、さつまいも、ごぼう、いちご、オ-トミ-ル、

 薬品類(内服)――サルファ剤、解熱鎮痛剤(アスピリンなど)、抗生物質(ペニシリンほか)、かぜ薬(総合感冒薬)には解熱鎮痛剤が入っています。

 職業性――カキ、ホヤ、木材粉、羊毛、羽毛、茶の花粉、パン粉、薬品散剤。

 感染性――細菌、ウィルスなど

 仮性アレルゲン(誘発因子をもつもの)――ナス、ホウレン草。タケノコ、マツタケ、きのこ類、長いも、山芋、サンマ、カレイ、タラ。鮮度が落ちたスズキ、アサリ、ハマグリ。

▽花粉の季節

 2~4月スギ 4~5月-ひのき、松類 5~8月-イネ、カモガヤ、ハルガヤなどの稲科植物 5~6月-コムギ 8~11月-ブタクサ 9~10月-よもぎ、アキノキリンソウ。

  • 6.気管支喘息や花粉症を誘発したり、悪くする要因

 ①呼吸器系感染(かぜ、気管支炎)--細菌、ウィルス

 ②自律神経系の乱れ--迷走神経反射――ストレスから来る

 ③ホルモン系の影響(特に女性の月経前後)

 ④運動誘発性喘息(水泳だけは無い)、なぜ発病するのか判っていません。

 ⑤環境誘発因子――煙(煙草、花火、蚊取線香)。光化学スモッグ、排気ガス。ク-ラ-の風。雨、台風。カビ、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛やふけ、花粉。

  • 7.アレルギーは変化します

 アレルギーの病気が、変わったり(アレルギーマーチと呼んだり、一つが出ている時は他のアレルギーは出ない)、アレルギーの原因が変わったりします。

 例1;以前国立病院で、喘息外来をやり、気管支喘息の治療に減感作療法をしていました。その時、その治療で、あるアレルゲンに過敏にならなくなったのに、喘息発作がおさまらないので、再びアレルゲンの検査をした所、原因が変わって、他のアレルゲンに過敏になっていたのです。

 例2;昔、インターン時代に、アルバイトで、ある病院の夜間外来と当直に行っていた時、寿司屋の板前さんが蕁麻疹になって、よく治療に来ていました。その人は青身魚で出たので、洋食屋に転職しました。所が今度は肉や牛乳で蕁麻疹が出るようになったといいます。

 例3;国立病院時代にも、前の診療所でも、ある抗生物質にアレルギーが出る人に、アレルギーの起こる仕組みと背景を説明し、起きたらすぐ飲むようにステロイドホルモン剤を渡して、使ってもらったら、アレルギーが起こらず、ステロイドを使わずに済みました。その説明を信頼してくれなければ、またアレルギーが起きたかもしれませんが、幸い起きず、それで病気を治療できました。

 例4;元九大心療内科教授の池見酉次郎先生のうるしかぶれの研究では、ゴルフ場職員で実験した所、催眠状態でうるしかぶれの人の腕に水をぬり、「うるしをぬった」というとかぶれ、うるしをぬって「水をぬった」というとかぶれない人が多かった。特にうるしかぶれでひどい目にあった人に、その傾向が強かったといいます。もちろん例外はありました。また、うるしの木のそばへ行くとかぶれるという人に、他の木の枝の間にうるしの枝を混ぜて、それを知らせずにその下をとうらせたら、誰もかぶれなかったといいます。

 例5;19世紀アメリカの内科医マッケンジーは「造花のばらを使ったいわゆる『バラ花粉症』の発病」の逸話があります。32歳の女性で、15年間5~9月の激しいアレルギー性鼻炎と夏の終わり頃に起きる喘息発作に悩まされていました。17項目の刺激(恐怖や過労、興奮、夜風にあたるなど)が発作の引き金になりました。特に干し草やバラの臭いに敏感でした。この患者に、治療がよくなりかけた時に、本物とそっくりの造花のバラを幕の後ろから出して、手に持って彼女の前に腰かけた。5分もしないうちに彼女は完全な鼻アレルギーを起こしたのです。『実はこのバラは造花なんです』というと、彼女はひどく驚いて、自分で確かめた。激しいくしゃみをしながら帰り、二、三日してまた来院した時に今度は本物のバラの花を出し、匂いをかぎ、花粉を吸い込んでもらったが、症状はでなかったといいます。心理的要因が関与していることを示しています。

  • 8.アレルギーはコントロールできる。

 嫌なことは、「いや」と言い、嫌なのにどうしてもしなくてはならない時は、「生活のため」と考えて、「仕方が無い」、「そんなものだ」、「まあいいか」と思うようにしよう。くよくよせずに、楽しいことを考えて、仕事や生活をしていると、アレルギー性の病気から逃れるか、かかっても軽く済むことが多い。ストレス対策が、アレルギーを軽減します。

  • 9.現代は、アレルギーの遺伝子にスイッチを入れる環境にあふれています。

 だから、アレルギーの人が増えているのです。しかも、何も考えないで、赤ちゃんや子どもに、勝手に大人の食べ物を食べさせてしまい、アレルギーを起こして慌てている親が少なくありません。赤ちゃんや乳幼児のストレスも考えましょう。赤ちゃんを自分のものと考えず、社会の子どもと考えて、のびのびさせよう。


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