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風立ちぬ 感想♪

2013-07-21 | か き

★★★☆ 吹き抜ける風に 帽子が 飛行機が 時代が 愛が 舞う---。
 美しい風景と共に描かれる風の描写が秀悦!
 とはいえやっぱ主人公の声は違和感、感じちゃったな ~
 
 
不景気・貧困・病気・関東大震災・そして戦争---
厳しい風が吹き荒れる1920年代を背景に---。
二郎(ゼロ戦の設計者として有名な実在の人物「堀越二郎」と
「風立ちぬ」の作者「堀辰雄」をミックスさせた人物)の
生きざまを優しく真摯に描いた作品。
(彼には監督の父の姿も投影されているらしいです)

「空を飛ぶ美しくもユニークな飛行機の数々にワクワク。
震災の描写は まさに技アリの凄さ!!さすが監督というほかない。
空に憧れる少年の思いや 2人のラブストーリーは切なくもうっとり・・。
昭和のノスタルジックな描写とともに・・
相変わらず美しい風景の数々に、しばし時を忘れましたです♪

子供の時から---飛行機が大好きで大好きで、
いつか皆をのせて空を飛ぶ。
そんな飛行機をつくりたいと夢見ていた二郎。
しかし時代の風は彼を 戦いへと誘い、
彼の設計した飛行機は「ゼロ戦」となって敵地へ---。
震災の最中出会い愛し合った妻も病の中帰らぬ人となったのだ

これが平和の中だったら・・
現代だったら・・・
全ては違っていたのだろう
でもこの時代だからこそあったものもあるんでしょうね~。

当時 飛行機に使われる部品は高額で---
多くの貧しい人々を救える金額だったよう・・
彼はそれを知った時、ホントはもっと悩んだに違いない。
でも・・監督はこうした細かい情報を入れ込みながらも
そうした葛藤を言及しない。
彼が戦闘機を作らなければならなくなった時の---
苦しみさえも 描いてはいない。

そうこの作品には 震災で嘆き苦しむ者たちの姿も
余命わずかな妻と過ごす愛の日々にも・・
涙さえ描かれてはいないのだ
ゆえに淡々とした・・印象は否めないのだけれど---

監督が時間を割いて描いているのは・・・
夢を追いかけ--- 空を飛ぶ二郎の姿と
愛を胸に 1日を1日を 大切に誇りを持って生きる・・
彼の、人々の 前向きに生きる姿なのだ。

二郎が迷い悩んだ時現れるのは 彼の憧れであり目標である
飛行機設計者カプローニ!!
二郎は夢の中で 毎度彼と空を飛びいろんなことを語り合う・・
ファンタジーとも言えるこの描写には
全ての音が人間の声--というプレゼント付き・・(笑)


妻の菜穂子。ステキな人だったな。声の瀧本美織さんもよかった。
彼女との出会・再会・そして2人のラブらぶっぷりっと。
めっずらしく しっかりと描かれてたのにびっくり(笑)
それだけにお子様向けとは言い難い作品になってしまったけれど。
この儚くも美しい愛は互いを思いやる暖かで優しい描写がいっぱいで
うるっとさせられちゃいました。

ラストではゼロ戦の墓場の前に立ち尽くす二郎の前に
カプローニが現れる。
「・・・1機ももどってこなかったんです・・・」
そうつぶやく二郎に 彼はいうのだ・・
それでも「生きねば・・」と

そのそばで妻も笑顔で囁く。
 「二郎さん生きて・・・。」っと。

彼の背負った十字架の重さは想像する以外ないけれど・・・
描かずとも感じさせる手腕は、やっぱ流石---。
前を向きうなずいた彼に・・。
監督のメッセージも聞こえた気がしました。

主人公が感じた様々な風を確かに感じただけに・・・
やっぱり残念。私はどうしても最後まで主人公に寄り添えず・・
ラストにも涙をこぼすことができなかったのだ~~。

監督が声優嫌いってのは聞いてるけど・・・
やっぱ私はここで小さくとも叫んでおきたいと思う---
声優さんの力ってものすごく大きいですよ~~って。

4分の予告篇では全編に流れていた「ひこうき雲」は
劇場版ではやっぱエンドロールだけでちと残念に思いました。
でもこの曲はやっぱこの映画にぴったりで---
優しい気持ちで劇場を後にすることができました。
ユーミンに感謝デス(ガハハ~)

 



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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (BROOK)
2013-07-23 05:54:14
描き込まれた風景と風の描写が非常に素晴らしく…
この辺りは“安心”のジブリでしたね。
風が吹き抜ける感じとか、もう動きが絶妙で♪

子供向けではなく、かなり大人なジブリ作品となっているのが、今作の特徴でしょうか。

最後はちょっと呆気ない感じもしましたが、
夢の中で締めくくってくれたのは良かったです。
二郎と菜穂子の再会…
彼女からのメッセージ…

駿のメッセージをしっかりと受け止めることが出来ました。
こんにちわ (にゃむばなな)
2013-07-23 14:57:25
設計したゼロ戦は一機も帰ってこず、愛した妻もこの世にはいない。
でも「生きねば」と心に誓う主人公。

夢をかなえること、夢を追い続けること。
現代に生きる人にとって忘れ去られようとしているこの大切なことを丁寧に、そして綺麗に描いた作品でしたね。
こんにちは (たいむ)
2013-07-23 15:51:17
平和な世なのかにも不治の病はあるわけで、この時代から切り取ったからこそ、逆にこんなにも美しく見えるのかなぁとか思って観てました。

声はね・・・(^^;
宮崎作品についてはもう何でも言いやって感じ。
だんだん慣れさせられていった気もするし(笑)
こんばんは (悠雅)
2013-07-23 23:13:42
予想通り、主人公の声についての賛否両論があって、
そんなこと気にならない、というご意見もあって、
人それぞれだなぁ、と改めて思います。
わたしはもう、本当に残念ながら、筋書きからメッセージを頭で理解はしても、
声に気を削がれたまま、終わってしまった、という感じでした。。。
BROOKさんへ♪ (くろねこ)
2013-07-28 21:09:01
おはようございます!
風景も恋愛模様も昭和テイスト満載でリアルながらやっぱり美しく、吹き抜ける風の描写に至っては、本当にみとれました。
確かに大人なジブリとはいえそうですね。
主人公の葛藤が描かれていない分淡々とした印象でしたが、うん、メッセージは感じましたね!
にゃむばななさんへ♪ (くろねこ)
2013-07-28 21:40:14
こんにちわ!
設計したゼロ戦も、愛した妻もいない
そうした苦しみや悲しみを描かずとも感じさせる。
その手腕はさすがだと思いました。
あの時代にあって今の時代にないもの・・
たしかに忘れ去られようとしている何かを--
風に 美しい描写にこめた作品と言えそうですね。
こんばんはー^^ (みすず)
2013-07-28 21:51:59
わたしも思います、声優さんの、声の力って大きいと思う。
わたしも今回は全然泣けませんでした><。
映像は美しく、菜穂子や他の人たちが良かった分、残念でした・・・
たいむさんへ♪ (くろねこ)
2013-07-28 21:52:44
こんにちは~!
この時代故なのか、心も姿も美しい菜穂子さんには
今の女性にはない何か・・を感じさせられましたね~。
でもちょっと男の理想を込めた---とも。
言えそうですけどね~(笑)

私は声がもうずっとダメで・ホント残念だったなぁ~
悠雅さんへ♪ (くろねこ)
2013-07-28 21:57:30
こんばんは~!
私も聞くたびがっくりしてる自分がいました。
始終違う人だった羅・・と仕方ないことを考えていました。
残念です。
ほんとに人それぞれですよね~
みすずさんへ♪ (くろねこ)
2013-07-28 22:01:17
こんばんは!お久しぶりです~!
なんかねぇ・・ずっと違和感でした~。
声の力って大きいよね!
監督が私の会社の会長(すごいけど困った人)と重なって
スタッフの皆さんのご苦労を感じちゃったりしました。
いや・・知らんのだけども(笑)

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