地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

鎌倉市生活環境図

2008-05-03 17:05:23 | Weblog
鎌倉市生活環境図集の中の一こま

8年前まで、約20年間、住んでいた鎌倉の生活環境マップを取り上げてみました。
とは言っても、この地図には私の住んでいた大船地区は掲載されていませんが・・・
でも、当地のマラソンクラブに属していて、この地区をくまなく走り回っていたので、懐かしい地区です。
「鎌倉らしさと市民の好きな場所」を把握するために作成されたそうです。

主な内容としては
①、■印の「やぐら」です。八幡宮の裏山だけでなく、いたるところに散在しています。
これは、「窟・岩倉」とかかれたようです。中世の上流階級の横穴式の墳墓だそうです。
いまだに、当時のお骨が散見されるとか・・・

②、井戸の記号が散見されます。
市内をぐるりと山に囲まれて、水の便の悪い鎌倉では、井戸は貴重な存在だったようです。
その、鎌倉の井戸の中で,最も美味しく、また伝説が伝わる井戸を記載しています。
「鎌倉十井」といわれていますが・・・現在のめる井戸はないそうです。

③、切通し、隋道が記載されています。
鎌倉は三方を山に囲まれ、一方は海に面し、人力だけに頼った昔は天然の要塞だったようです。
「鎌倉の七口」といわれ、七つの切り通し以外には鎌倉へ入れなかったようです。
摂政九条兼実の日記「玉葉」には「鎌倉城」と書かれています。鎌倉が要害の地であることをを端的に表しています。

④、谷戸(やと):
谷あいの狭い土地にも家が立ち並んでいます。「谷戸」のついた地名が多く残っています。
鎌倉幕府のころから、山に囲まれた狭い土地に武士を中心に多くに人口が住んでいて、墓地にも事欠いて「やぐら」を利用したぐらいですから、谷あいの狭い土地にも人が住んでいたようです。

⑤、市民の好きな場所:
以上のような資料を背景に、市民の好きな場所(地区)を集計した結果を青色で表記しています。
人気投票による観光地図です。大変ユニークな、信憑性の高い地図だと思います。

こうした観光地図に、+休憩所や食事どころ、宿泊所が加わった地図があちこちで作られるといいですね。
官ではそこまで作れないでしょうから、民で作るべきですが・・・



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