玄倉川の岸辺

悪行に報いがあるとは限りませんが、愚行の報いから逃れるのは難しいようです

見えないことの幸せ。「雨と夢のあとに」

2005年04月23日 | テレビ鑑賞記
金曜ナイトドラマ「雨と夢のあとに」

無垢な少女と、彼女を守るために自らの死を隠し地上にとどまる父親(の霊)の物語。
今期のドラマの中では一番のお気に入り。
テレビ朝日はこういう特異な設定のドラマを作らせるとなかなか上手い。「トリック」「スカイハイ」は仲間由紀恵や釈由美子の魅力を引き出してヒットしたが、「雨と夢のあとに」の黒川智花も充分に魅力的だ。

今週は、雨(黒川智花)の通う中学校にいた幽霊の少女百合子の物語。
百合子は誰にも見えない地縛霊だったが、雨に自分の存在を認められたことで校外に出られるようになる。雨は幽霊の父親(沢村一樹)と暮らすうちに「見える」ように体質が変わったという設定。父が幽霊であることを知らず、霊が見えるようになって間もないので雨は霊との付き合い方を知らない。無防備に百合子と親しくなった雨はやがて百合子のわがままと脅しに振り回されるようになる。
万引きや援助交際を強要する百合子だが、雨の父親を守ろうとする思い、雨を心配する北斗(父の友人の息子)の思いを知って、実は自分が母親の愛情を求めていたことに気付く。雨が百合子の母親を連れてくるが、彼女には百合子の姿を見ることが出来ない。悲しんで自殺しようとする母緒、それを止めようと叫ぶ百合子。ようやく二人の心が通い合い、百合子は光に包まれて昇天する。

…といった話なのだが、いやー、あらすじを書くのって案外難しい。こんなことなら公式サイトからコピペすればよかった。読み返してみると下手だし。
自分で気付かぬうちに霊感を得てしまった雨に同情する。慣れていないのにいきなり霊とご対面させられるのは辛かろう。私は霊感など全くないのだが、「見える」ひとはいろいろと大変なのだろうなあ。霊感がなくてよかった。深夜にあてどなく車を走らせるのが好きで、飛び降り自殺の名所と呼ばれる高い橋を通ることもあるが変なものを見たり感じたりしたことは一度もない。さすがにそこで車を止める気にはなれないが。真っ暗で交通量もほとんどゼロだし。考えてみると、われながら鈍感というかいい度胸というか。甘く見ているとそのうち魅入られて自分も飛び込みたくなるかもしれない。くわばらくわばら。

それはともかく、このドラマはホラー風味と切なさと愛とユーモアと黒川智花の可愛らしさと木村多江(雨のアパートの隣人、霊感を持ち二人のアドバイザー的存在)の大人の魅力とがほどよく混じっていて楽しめる。お話自体はけっこうありがちなものだが、黒川の演技力と可愛らしさで気にならない。ロリコンじゃなくても、やはり美少女は可愛くてよい。国の宝である。角度によってはときどきオバサン臭く見えるときもあるがそれもまたご愛嬌。演技力がしっかりしているので5年後が楽しみな女優である。

なにかオチを付けたいのだが思い浮かばなくて困る。いや、べつにオチなど必要ないのだが。
とりあえず「黒川智花と黒谷友香は水野美紀と水野真紀なみにまぎらわしいぞ」ということでおしまい。
失礼しました。

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3 コメント

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私も見てます (牙城)
2005-05-13 17:33:35
はじめまして、お初のカキコです。確かに黒川智花カワイいですね。私は「逃亡者」から見始めて金八ですっかりハマりました。まあ雨(黒川智花)本人はともかくやはり誰でも亡くなってしまった大事な人に会いたいと言う願望はありますよね。私にとっては16で死別した父かもしれません。今夜もありますね!また玄倉川さんの感想見たいです。
天才少女 (玄倉川)
2005-05-14 00:31:47
牙城さん、ようこそ。こちらこそはじめまして。

今日も見ましたよ「雨と夢のあとに」。

前半から中盤はコメディ調だったのに、落ちで泣かされてしまいました。家族愛は生死の境をも超える。ああいう幽霊ならいてほしいかもしれません。

黒川智花はまだ15歳とは思えないほどのいい女優さんです。私の中では菅野美穂以来の天才少女という印象です。「イグアナの娘」のリメイクとかやらないかな?
こんばんは玄倉川さん (牙城)
2005-05-15 00:30:33
最後の実は大家族のお父さんだけが生き残ってしまったというのが泣かされましたよね。これに出る霊は恐いというより不憫な霊と言う感じですね。一貫して親子をテーマにしてる様に思います。黒川智花=菅野美穂は良くわかります。「イグアナ」もいいですが 星の金貨や 野島ドラマにも出させてみたいですね。「高校教師」の繭役なんか見たいです。「りぼん」のモデルやってたそうですから芸歴は長いんでしょう。二十\歳過ぎの芝居が楽しみですね。