牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛飼いのとりとめのない話

2009-02-16 19:24:39 | 子牛



購買者の立場からは、繁殖目的の子牛と肥育用では、子牛の見方の項目が若干異なる。
共通するのは、日令相応の発育、体全体の釣り合いの取れたボリューム感、欠損部位や疾患歴の有無と健康度合いなどである。
繁殖用の場合は、将来妊娠に耐えられる足腰の強さ、乳徴器では乳頭数や配置や柔軟性などに異常がなく乳房の豊かなものが望まれる。
最近では、とくに血統重視で最低3代祖にわたる種雄牛を吟味している向きがあり、母牛の体型や繁殖成績、登録点数、期待育種価などを参考としている。
種雄牛候補を物色する場合は、民間の種雄牛生産者などは、3代祖どころではなく、さらに数代遡って吟味していると聞いている。
優れた種雄牛を複数頭繋養している行政機関では、それらの産子雌に互いに交配したり、著明な種雄牛の精液を同様の産子雌に交配して新たな種雄牛候補を生産していることが、供用種雄牛の血統一覧から知ることが出来る。
血統を優先して購買するは、繁殖素牛に限らず、肥育素牛も同様である。
ところが、一発勝負の肥育では、なかなか血統通りには結果が出にくいのが現状である。
その点、繁殖雌牛の場合は、その交配の相性が交配種雄牛毎に異なるために、相性がよいものを交配することによって、その雌牛の能力は相性という相乗効果が生かされることになる。
しかしながら、その相性を例えば、1年ごとに突き止められれば良いが、生まれてからおよそ30ヶ月後でなければ結果が出ない。
結果が出ても、それを生かすには、4産目からとなる。
余談になるが、肥育結果により、BMS11~12の成績をもとに再度同じ母親の産子をゲットしようと市場名簿を見て、がっかりすることが多々ある。
それはタイプの異なる種雄牛を交配しているからである。
それでも、と購買して肥育した結果は、BMS8程度の例がままある。
全兄弟であれば、その程度のブレはあるが大きな差には成らない。
また全兄弟であっても、産次数が増す毎に能力低下の傾向があり、兄の成績を飛び越すケースは、確率的に極稀であるが、5等級の範囲であれば、同じ交配を続けるべきである。
これらを考えると、生産者と肥育者の情報交換は優れた能力の牛を作出する観点から必要不可欠のように思われて成らない。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
必要不可欠 (Piyo)
2009-02-17 18:42:24
(・ω・)/

育種価の判明している牛が少ない事は以前も書き込みましたが、
その中に親子でわかった牛がます。
CCCACC(導入前はもちろんしりませんでした…安平の孕みで二十数万円で導入)の子供はCACAABと、
はっきり改良された事がわかり非常に嬉しかった事を覚えています。

今後、
八重山市場では素牛の期待育種価をセリ名簿に載せる動きがあり、
最近届いた子牛子牛登記証にABAAAAとの記載がありました。
育種価CABAABの母牛の子牛です。
あくまで期待育種価ですが少し嬉しくなります。

今月新たに育種価が判明する予定の牛に、
我が牧場のエースひらりがいるので、
楽しみにしています。

肥育農家さんの知りたい情報は全て提供するので、
枝肉成績などの情報を是非とも知りたいものです。

お互いより良い牛を育てる為には情報交換は必要不可欠と考えています。

(´∀`)/
返信する
piyoさんへ (kuroiusi)
2009-02-18 18:12:56
育種価が上がると言うことは、感動ものなのでしょうね。
piyoさんの牛が良くなっていると言うことは、生産された子牛たちの結果と深く関係している訳ですから、その結果は、ご自身の成果となります。
ひかりの育種価がどのような並びをするか楽しみですね。

返信する

コメントを投稿