牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

出荷待機牛の栄養度

2010-08-12 00:01:09 | 子牛

写真は再開された鹿児島県内の子牛市場における繋留場の風景である。
この写真は、THE BEEF CATTLE MAGAZINE 編集長から時節伺いとして頂戴したものであるが、頂いたものはこの数倍の被写体からなり臨場感のある繋留場風景であったが、繋留されている出荷牛の特徴を表現したい意図があり、了解を得てトリミングしたものである。
鹿児島県で子牛市場が再開され間もなく当方でも去勢子牛20頭、雌仔牛5頭を導入した。
到着した子牛の全てが、口蹄疫発症以前にはあまり見かけたことの無いような、写真の手前にいる子牛のように肋骨が鮮明で体幅の無い素牛であった。
聞くところによると、市場待機している子牛には餌を控えて与えるようにとの指導があったようである。
当方に着いた子牛らは、生後月齢が以前より2~3ヶ月大きい割に、体重は若干抑え気味であった。

通常の場合では、導入後の飼い直しの関係から、生後月齢7~8ヶ月齢のものを意図的に選定しているが、今回は、可能な限り生後日齢の少ない子牛を選定したが、雌雄ともほぼ320日齢で、平均体重はそれぞれ311.4kg、300.6kgであった。
DGがやや低いことと、通常より日齢が多いことから、体調を問題視し、とりあえず管轄の家畜保健所へ事情を説明して、V/Aだけでも測定してくれるよう依頼した結果、導入日から6日目に採血した。
その結果、V/A値の平均は去勢子牛は56.9(iu)±11.35、雌仔牛は50.3(iu)±5.26であった。
写真にある子牛の栄養状態から予測できるように、通常数値より約30%低い値が判明した。
夏期でもあり長距離輸送によるV/Aの消費量も有ろうが、子牛育成中の飼料給与に多少の問題があったであろうと判断している。
市場性を睨んでの思惑が伺われるが、過肥にならない程度の栄養補給は商品として当然であり、生時体重を除しないDG値で少なくとも0.95kg以上は確保すべきである。
早速にV/ADE剤の補充を行ったが、例のない導入月齢の高さもあり、飼い直しに苦慮している次第である。



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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-08-13 19:04:22
今回の競り、以外と高値だったのが太り気味の牛でした。
腹をメインに濃厚飼料3キロ粗飼料多給との指導が農協からありましたが、指導通り管理されてた方々は微妙な値段でした。明らかに太り気味の牛が高値だったのは間違いないです。単純に購買者はDG1以上の牛をメインに見て尚且つ太り気味の牛にボタンを押す。牛って本当に難しいし奥が深い・・・。
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