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2022.11.27(sun) HIKOドラムソロ公開録音&ライブ(&フリーフード!) @EARTHDOM

2022-11-19 19:22:56 | Weblog

Illustration: Chloé Mathiez

 

 

【LIVE】

HIKO (drum solo) feat. メンチStéphane Shibatsuji-Perrin

MORE NOISE FOR LIFE

高倉健


【Free Food】

千葉県安房郡鋸南町産の米とジビエを使った料理
(by Yukaly & アート倉持) *無くなり次第終了

 

 

日時:2022年11月27日(日) 18:30開場/19:00開演
料金:¥2,000(20代以下¥1,500/受付で身分証をご提示ください)
会場:東京・新大久保EARTHDOM

 




HIKOドラムソロ公開録音にあたっての覚え書き

文責:アート倉持


 HIKOさんがドラムを叩く姿を初めて目撃したのは今から15年ほど前のこと。かつて新宿の職安通り沿いにあったURGAというライブハウスの前を通りかかった際、看板に書かれていた「宮西計三ONNA」と「OCTOBER REVOLUTION」という水と油な名前の組み合わせにビクッと反応して立ち止まってしまい、予定をキャンセルしてそのライブを見ることにしたのです。

 宮西計三ONNAの佇まいと音楽が放つ妖気にはやはりあてられてしまってクラクラさせられましたが、これとは対照的な、全メンバーが未整理のエネルギーを全力で放出しているかのようなOCTOBER REVOLUTIONのカオティックな演奏が強く印象に残りました。SLIGHT SLAPPERSクボタさんのフリーキーなボーカル、望月さんのフリージャズ然としたうねりまくるベース、沫山さんの隙間という隙間を埋め尽くすかのような電子ノイズ…といった音のかたまりを常に押し上げ続ける役割を担っていたのは明らかにHIKOさんのドラムでした。終演後、何に苛立っていたのか今となっては知る由もありませんが、酒瓶を片手にひとり会場をうろついていたHIKOさんが突然ゴミ箱を蹴り上げたこともよく覚えています。


 その数日後だったか数週間後、suzukiiiiiiiiiiくんから僕と伊東篤宏さんの二人で演奏して欲しいと依頼があった際に、真っ先に頭に浮かんだのがHIKOさんの存在でした。思いを決し、恐る恐る長いメールを書いてお誘いしたところ、なんとHIKOさんは快諾してくれて三人で演奏することに。このトリオは二回目以降のライブからOFFSEASONという名前のユニットになり、僕はHIKOさんとの親交を徐々に深めていくことになりました。

 「族車のエキゾースト音とドラムでセッションしたい」という、HIKOさんが長年こっそり温め続けていた規格外のアイデアについて聞いたのもこの頃のことだったかと思います。それはその数年後に河村康輔くんと友人たちの協力を経て瀬戸内海の島で実現することになりましたが、以降、このセッションは木更津と別府にてそれぞれ異なるバイク乗りを相手に行われています(瀬戸内海でのセッションは映像で記録しているが、震災のどさくさと筆者の怠慢により未発表である)。

 HIKOさんと音で手合わせしたことがある人にはわかってもらえるのではないかと思いますが、HIKOさんが叩くドラムは人や状況を強制的にでも前進させようとする不思議な力を帯びているように感じることがあります。たとえ八拍の繰り返しというセオリーに則ってバンドの演奏が進んでいても、最後の1拍が常に0.8〜0.9拍の間で揺らいでいるような、若しくは、そもそも一拍目から八拍目に向かってじっくり加速していくような独特のリズムの緩急があって、そこに乗ろうとするものの思考や身体を半ば強制的に駆り立てる何かがあるのです。そして、僕はそこにハードコアパンクなるものの本質を感じてしまうのです

 HIKOさんとはこれまでに色々なことを一緒にやってきましたが、アイデア出しの段階で度々示される「ふつうのことは絶対にやらない」というHIKOさんの頑なな態度にオブセッションじみたものを感じることが少なくありません。と同時に、「ふつう」という呪いにとらわれる前に、型にはめられる前に、全力を以て必死の抵抗を示すことがハードコアパンクなのだという無言のメッセージも受けとってきたような、そんな気がしています。常に自身のエネルギーを燃焼させるに値する対戦相手を求めているような姿は流浪の格闘家を思わせますが、僕はいつからかHIKOさんのドラムソロそのものを記録として残しておくべきだと考えるようになりました。

 さて、あまりにも突然ですが、その第一弾となる公開録音を新大久保のアースダムで決行することなりました。気心の知れたバンドをゲストに招き、アースダムでコロナ禍以降に続けてきた「アンダーグラウンドマーケット」がきっかけとなって足を運ぶようになった房総半島の食材を使ったフリーフードも提供するライブイベントという形での開催となります。HIKOさんは今回、ドラムソロとパフォーマンスの二部構成を予定しています。パフォーマンスではただならぬ仕掛けが企まれているようです。現場で目撃してください。

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