今年住宅ローンを組んだ方と、来年住宅ローンを組んだ方とで住宅ローン減税の条件が
変わることはご存知の方も多いと思います。
今年住宅ローンを組んだ場合は、最大3,000万円までの年末のローン残高に対して
1%ぶんの減税が10年間受けられますが、来年住宅ローンを組んだ場合は最大額
が2,000万円に減って、同じく年末のローン残高に対して1%ぶんの減税が10年間
受けられます(特別な仕様の住宅には優遇措置もありますので、詳しくはお問い合わせ
ください)。
つまり、今年ローンを組んだ場合と来年ローンを組んだ場合とで、10年間を通じて最大
100万円の減税額の差が出るということです。
さて、ここで気をつけないといけないのが、これは年内の「家の完成」ではなくて、「ローン
の実行」だということです。
住宅ローンは、家が完成したらすぐに実行されるというわけではありません。
家が完成し、その家に住民票を移し、表示登記という登記をしてから、お客様と金融機関との
間で「金銭消費貸借契約」という契約をして、事務手続きを経てローンが実行されます。
これらに数日の期間がかかります。
家の完成が年末ぎりぎりになってしまうと、住民票を移して登記をするのは今年で、ローンの
実行は来年、ということも十分ありえます。
そうなると、大変なことになります。
来年ローンが実行されるわけですから、先ほどの話通り、ローン減税が認められる最大
ローン残高が2,000万円に減ります。
更に、家は前の年に完成して住民票もそこに移しているのに、その年にはローンが実行されて
いませんので、年末のローン残高証明書がもらえません。
住宅ローン減税が受けられるのは、住宅に住み始めた年(住民票を移した年)から10年間
なので、始めの一年は、ローン減税を受けられないまま終わってしまい、残りの9年間しか
ローン減税が受けられなくなってしまいます。
つまり、2重に損をしてしまうということです。
こんなことにならないよう、住宅の工期や住宅ローンについては十分に考えて計画する必要が
あります。
複雑な話でしたので、わかりづらいところはお気軽にお問い合わせください