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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

都知事選の原発一点争点化は混乱への道

2014年01月16日 15時17分42秒 | 日本政治
都知事選 細川元首相、出馬会見また延期「公約などの準備整っていない」(産経新聞) - goo ニュース
 小泉氏の応援の下で細川護熙元首相が都知事選に立候補することになりましたが、細川陣営は、原発の是非を選挙の争点に設置する方針を示しています。しかしながら、既に各方面からの指摘があるように、都知事選は、原発を問う場としては相応しくないと思うのです。

 第1に、東京都には、エネルギー政策として電源比率を決定する権限はありません。東京都は、原発が立地されている”地元”でもなく、国家の管轄事項を地方自治体の長の選挙の争点とすること自体が、”ちぐはぐ”なことなのです。第2に、仮に、国家と国民に関わる重大な決定を、生活者、あるいは、電力消費者としての東京都民だけで決めるとなりますと、産業界や他の道府県の住民など、その他の人々の意見や利益を無視することにもなります(他の利害関係者の不満や反発が高まる…)。経産省もまた、原発維持を明記したエネルギー基本計画の決定時期について、都知事選の結果を考慮して遅らせる方針とのことですが、都知事選が一部の意見・利益表明に過ぎないことを考慮しますと、経産省の判断にも疑問符が付きます。第3に、都民は、原発よりも首都直下型地震や東京オリンピックへの対応など、原発以外の政策から判断して投票するとしますと、脱原発陣営の得票率は、必ずしも脱原発賛成率と一致しません。そして、仮に細川陣営が勝利したとしても、先述したように、エネルギー政策は国の権限ですので、都は東京電力の大株主とはいえ、脱原発が実現しないとすると、即、公約違反となります。小泉氏の得意とする一点争点型の選挙ともなれば、選択結果が実現しない場合、事実上、全投票が”死票”と化すのです。都政に対する信頼性の喪失が、第4番目の問題点です。

 以上に述べたように、都知事選挙を”脱原発選挙”と化すことは、郵政民営化を争点として選挙で大勝した過去の成功例の再現を狙う小泉氏のアイディアなのでしょうが、今度ばかりは状況が違うのですから、この手は使えないのではないでしょうか。都知事選は混迷を深めておりますが、原発一点争点化は、東京都のみならず、国政にも混乱や対立をもたらしかねないと思うのです。

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韓国の狙いは慰安婦の事実化-”解決済み”では対応できない

2014年01月15日 15時33分36秒 | 国際政治
慰安婦問題は解決済み=菅官房長官(時事通信) - goo ニュース
 韓国政府は、”慰安婦”関連の記録をユネスコの世界記録遺産に登録すべく、他の諸国にも呼びかけて国際的な登録推進活動を開始するそうです。日本国の菅官房長官は、”慰安婦問題は日韓請求権協定で解決済み”と述べて韓国の動きを牽制しておりますが、もはやこの説明では、国際社会を説得できない段階に来ております。

 何故ならば、韓国は、元慰安婦に対する個人賠償の問題には触れずに、”日本軍による朝鮮女性慰安婦強制連行説”を、歴史上の事実として全世界に周知させる方向に戦略を変更しているからです。前者であれば、日本国政府は、1965年の協定で莫大な経済支援金が支払われた際に、個人の賠償請求権も含めて全ての請求権は消滅したと説明することができます(法的に解決済み…)。しかしながら、世界記録遺産となりますと、請求権の有無の問題ではなく、事件そのものの存在を争う”事実認定”の問題となります。韓国政府は、国連の権威を利用して”慰安婦”を事実化した後に、国際的な圧力を以って個人賠償を請求しようと目論んでいるのかもしれませんが、あるいは、個人賠償が法的には無理と分かったため、せめて国際社会における日本国の名誉を傷つけることで溜飲を下げたいと考えているのかもしれません。

 韓国政府が戦略を変更した以上、日本国政府もまた対応を変えるべきです。現在の”解決済み”という日本国政府の説明では、事実そのものの存在は認めたと見なされる危険性があり、逆に、”事実認定”をめぐる争いでは不利となりかねません(残された資料や証拠などからは、本来は、日本国の側の方が有利にも拘わらず…)。産経新聞社のスクープにより、河野談話は”日韓合作の作文”であったことが既に判明しているのですから、日本国政府は、”慰安婦”の実像を明らかにすることで世界記録遺産への登録を阻止すべきと思うのです。

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ハルビン氏の靖国参拝批判-真珠湾攻撃と9.11テロは同列ではない

2014年01月14日 17時49分56秒 | 国際政治
靖国参拝はお粗末な大誤算(ニューズウィーク日本版) - goo ニュース
 安倍首相の靖国神社参拝については、アメリカ内部でも批判の声があり、米下院外交委員会の元首席補佐官デニス・ハルピンなどは、真珠湾攻撃を指揮した東条英機元首相を、9.11テロの首謀者であるウサマ・ビンラーディンに譬えて糾弾しているそうです。卑怯な奇襲攻撃によって米国本土に被害を与えたと…。

 アメリカの第二次世界大戦観からしますと、真珠湾攻撃の首謀者が祀られている神社に詣でることは許すまじき行為なのでしょうが、日本国の名誉のために弁明を試みるとしますと、9.11テロと真珠湾攻撃との間には、幾つかの点で明確な違いがあります。第一に、真珠湾攻撃は宣戦布告が遅れたために奇襲攻撃となりましたが、それ以前から日米交渉が続けられていました(1941年4月から11月)。アメリカ側も、戦争回避の条件を示すハル・ノートを提示しており(日本側は最後通牒と解釈…)、戦争は、いつ始まってもおかしくない状況にあったのです。しかも、ヨーロッパ戦は既に始まっており、日本国が1940年9月に日独伊三国同盟を締結している一方で、アメリカも1941年8月の大西洋憲章でイギリスとの連携を表明していました。第二に、9.11テロでは、世界貿易センタービルへの航空機の突撃とビル崩壊により民間人が無差別かつ大量に殺害されましたが、真珠湾攻撃の対象は軍事施設に限定されていました。この点、日本国は、あくまでも戦争法が許す範囲で行動しています。第三に、当時のハワイはアメリカの本土ではなく、自治領としての準州でした。また、第四の違いとしては、イスラム原理主義者が起こした9.11テロとは異なって、日本国の真珠湾攻撃は政治的な対立を理由とするものであり、狂信的な行動ではありません。真珠湾攻撃によって、アメリカでは、日本国に卑怯な国とする印象が染み付くことになりましたが、少なくとも、背後から襲うような不意打ちではなく、民間人を無差別に攻撃していない点において、真珠湾攻撃が9.11テロと同列に扱われることは、日本人にとりましては、大変不本意なことなのです。

 東条英機元首相は、敗軍の将ではありますが、民間人を無差別に殺害したテロリストではなかったはずです。日米同盟の重要性を考えるならば、ハルビン氏にも、そしてニューズウィーク誌にも、ステレオ・タイプの史観や先入観を排して、史実としての歴史を検証していただきたいと思うのです。

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韓国は”言いつけ外交”の見直しを

2014年01月13日 15時25分55秒 | 国際政治
「女学生のような言いつけ外交…」野田前首相発言に反発 韓国メディア(産経新聞) - goo ニュース
 日本国の野田前首相は、韓国の朴大統領が外国首脳との会談の度に日本批判を執拗に繰り返す件について、”女学生のような言いつけ外交…”と批判したところ、韓国のメディアでは、激しい反発が起きているそうです。日本国の女性に対する差別意識が現れているとして…。

 韓国は、”慰安婦問題”をも絡めて論評していますが、今回の女学生のような”言いつけ外交”や、これまでにも指摘されてきた”告げ口外交”という言葉の真意は、別のところにあるように思えます。日本国では、男女を問わずに”学生”という言葉には、未だに学びの身にあり、社会的責任意識に乏しいというニュアンスがあります。特に”女学生”ともなれば、自分自身では直接に物事を解決できるに至っておらず、学校や親などへの”言いつけ”は、”女学生”が自らに代わって自己の要求を間接的に実現してもらう手段とも見なされています。社会もまた、”女学生”の言いつけや告げ口には比較的甘く、多少の我儘は受け入れてしまう傾向にあります。これは、日本国だけに限った現象ではないかもしれませんが…。このように考えますと、”女学生のような言いつけ外交”とは、強者依存型=事大主義であり、理屈抜きで相手の寛容に期待する外交、と言うことができます。
 
 朝鮮半島の歴代政権もまた、多かれ少なかれ同様の傾向があり、事大主義は、冊封時代からの伝統として韓国外交に共通した特色でもあります(ハーグ密使事件…)。日本国の女性差別問題に論点をすり替えるよりも、韓国政府は、現代という時代の独立国家の外交手法として”言いつけ外交”や”告げ口外交”が適切であるのか、抜本的な見直しに努めるべきではないかと思うのです。

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ヘーゲル理論に基づく国際陰謀の推理-三つ巴が”止揚”される結果とは

2014年01月12日 16時13分28秒 | 国際政治
 第二次世界大戦前夜における国際情勢は、およそ、自由主義国、共産主義国、全体主義国の3陣営による三つ巴であったことは、以前のブログで指摘しました。仮に、ヘーゲル理論に基づいた国際陰謀が存在するとしたら、この思想上の三つ巴は、どのような未来を描くのでしょうか。

 ヘーゲルは、相互に矛盾するものが止揚することにより、より高次のレベルに到達する過程を、弁証法を以って観念的に理論化しました(マルクスも影響を受けている…)。この理論に基づいて、先の三つ巴に関する陰謀の内容を推測してみますと、興味深い仮説を得ることができます。フランス革命に際しては、自由、平等、フラタニティ―が、スローガンとして掲げられました。フラタニティ―とは、日本語では”博愛”と訳されますが、原義に基づけば”兄弟愛”です。つまり、特定の集団内部の成員間に限定した仲間意識に基づく”友愛”を意味しており、ナショナリズムもその一つに数えることができます。

 その推理とは、相互に矛盾すると指摘されている三つの価値、”自由、平等、フラタニティー”を、それぞれ、自由は自由主義、平等は共産主義、フラタニティ―は全体主義として割り振ったのではないか、というものです。そして、仮に、陰謀者が善意の者であるのならば、善意の陰謀者は、これらの3勢力を相互に対立させることを通して、自由、平等、フラタニティ―という三つの価値がヘーゲルが主張するように高次に止揚されて調和されるのではないか、と期待したのかもしれません。

 しかしながら、陰謀者が悪者であった場合、陰謀の結果も邪悪なものとなります。3つの矛盾する価値の相互対立の結果は、現実には、必ずしも高次のレベルに止揚するとは限らず(無限にある可能性の一つに過ぎない…)、逆に低次のレベルに堕ちることも当然にあり得るからです。この視点から全世界を巻き込む悪意の”陰謀論”を組み立ててみますと、陰謀者は、これらの3つの価値を代表させる三つの対立する勢力をつくって、相互に相手の真の価値を壊させることになります。その結果、これらの諸価値は、悪しき部分のみが結合された形で残って低次元化を起こします。すなわち、強者の”自由”の最大化と、搾取される弱者の”平等”と、強者にのみ限られた”友愛”という…。つまり、ジョージ・オーウェルが描いた『1984年』の世界に行き着くかもしれないのです(”金融資本による一党独裁”とも…)。

 もちろん、上記のシナリオは筆者の推測に過ぎませんが、現実を観察しておりますと、悪意の陰謀の存在を完全に否定しきれないところがあります。仮に19世紀の理論に基づく陰謀があったとしても、21世紀の叡智を以って、これを過去のものとして葬り去るべきではないかと思うのです。

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東京裁判は”最後の審判”か?-中国の傲慢

2014年01月11日 15時53分16秒 | 国際政治
首相靖国参拝「世界への挑戦」…中国大使が寄稿(読売新聞) - goo ニュース
 中国は、安倍首相の靖国神社参拝に関連して、国際社会における日本批判の攻勢を強めているようです。果たして、中国の言い分は、国際社会を納得させることができるのでしょうか。

 中国が靖国神社参拝に対して反対する理由は、靖国神社には、第二次世界大戦後に極東で開廷された国際軍事法廷、即ち、東京裁判において平和に対する罪を問われ、A級戦犯の判決を受けた方々が合祀されているからです。言い換えますと、”侵略戦争”を起こした日本国の責任者を神社に祀ることは”侵略を受けた側”としては受け入れられず、首相の靖国神社参拝は、かつての侵略的な軍国主義復活の証である、と…。当時の状況をつぶさに観察してみますと、辛亥革命以降の中国は分裂状態にありましたし、満州が清国を建国した女真族の故地であり、かつ、盧溝橋事件が共産党員の仕業であることを考慮しますと、一概に、日本国による一方的な”侵略”と決めつけるには無理があります(日本軍の占領地では治安も回復している…)。今日でさえ、内乱に際しては外国による軍事介入が見られ、況してや国際法が今日よりも未整備な当時にあっては、相手国領域内での戦争=侵略とは決めつけられない部分があるのです(日本軍は協定により中国国内に合法的に駐留しており、また、民間日本人を虐殺した通州事件等もあり、日本国には自国民保護の目的もあった…)。もちろん、日本国にも反省点は多々あるのですが、一方の中国も、歴史を振り返りますと、幾度となく、周辺諸国を軍事力で踏みにじることで帝国の版図を拡大してきております。そして今なおも、チベットやウイグルを軍事力で侵略し、植民地化しているのです。ところが、中国は、東京裁判こそが、犯罪国家を決定する最終的な裁判の如くに捉えており、自己の侵略や領土拡張主義を棚に上げて、未来永劫にわたって、日本国を”戦犯国”として糾弾し続けようとしているのです。あたかも”最後の審判”の如くに…。もっとも、現在、スペインでは、中国の元国家主席である江沢民氏等が、チベット人に対する大量虐殺の廉で逮捕状が発給されております。仮に、裁判所で有罪判決が言い渡されたとしましたら、江沢民氏等は、人道に対する罪人となりますが、中国は、この判決をどのように受け止めるのでしょうか。

 『聖書』の最終章は、日本語では「黙示録」と訳されていますが、原義に立ち返ってみますと、むしろ「明示録」に近いニュアンスがあります。”最後の審判”とは、全ての事実が明るみにされた時にこそ、下されるのでしょう。中国は、現代に生きる人による審判を、人類による歴史の審判を、そして、信心が僅かでもあるならば、神による”最後の審判”こそ恐れるべきではないかと思うのです。 

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ホワイトハウス慰安婦像撤去署名-本質は冤罪事件

2014年01月10日 10時53分37秒 | その他
米慰安婦像撤去、ホワイトハウスに10万人署名(読売新聞) - goo ニュース
 テキサス親父様が呼びかけたグレンデール市の慰安婦像撤去署名の請願は10万人分を越え、ホワイトハウスは、正式に本請願を受理すると報じられております。署名数のハードルの高さと時間的な制約から、当初は10万人の目標達成は難しいと見られていましたが、テキサス親父様の熱意が通じ、予想以上に多くの署名を集めることができたようです。

 ホワイトハウスの公式の回答が待たれるところですが、公表に先立っては、”日本軍による朝鮮女性20万人強制連行説”について、是非ともに厳正な調査をお願いしたいと思うのです(占領地における戦争犯罪は既に処罰されており、韓国との問題とは別…)。日本国は、この件に関して、自らに都合の悪い事実を歴史から消去したり、歪曲して書き換えることを求めているのではありません。況してや、傲慢な態度から、頑なに被害者に対して謝罪や賠償を拒否しているわけでもありません。実際に、裏付ける証拠がないにもかかわらず(残されている資料は、むしろ、韓国の主張が捏造であることを示している…)、韓国の元慰安婦の証言のみに依拠して「河野談話」を韓国の修正と合意の下で作成して発表し、アジア女性基金を設立して元慰安婦に対する償い事業を実施しています。このまま何もなければ、この問題は今日ほど深刻化もせず、また国際問題化もせずに、そのまま終了したかもしれません。ところが、韓国は、基金による支援では満足せず(実際に多くの元慰安婦が支援金の受け取りを拒否…)、韓国の憲法裁判所が戦争被害の個人補償として政府に日本国との賠償交渉を求める決定を示すと共に、韓国政府もまた、国際社会において”慰安婦キャンペーン”を張るようになるのです。アメリカにおける当運動の成果が、グレンデール市等における慰安婦像の設置なのです。しかも、日本軍の残虐さをアピールする説明も付けて…。

 奇妙なことに、韓国側が開始した慰安婦像の保存を求めるカウンター請願には、”我々は歴史を正確に知らなければならない”との一文があります。アメリカ国内にも、当時の慰安婦達が高給と高待遇を受けていたとする公文書が残されていますが、日本国政府もまた、関連資料の提出を求められた場合に即応できるよう、書類の準備を整えておくべきです。慰安婦問題の本質は、冤罪事件なのですから。

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米中同盟論の行く先は日本の核武装?

2014年01月09日 15時37分36秒 | 国際政治
中国包囲網どころか日本包囲網 靖国参拝が示した国際情勢の大変化(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 軍事評論家の田岡俊次氏によると、安倍首相の靖国神社参拝時に示したアメリカの”失望”は、”米中同盟”への歴史的な転換点を画したそうです。それでは、冷戦の構図が時代遅れの過去のものとなり、米中同盟が成立するとしますと、日本国は、どのような政策を採ることになるのでしょうか。

 明確には記していないものの、田岡氏は、同盟国が仮想敵国と結んだ過去の事例として独ソ不可侵条約を挙げております。この譬えからしますと、日本国は、最悪の場合、第二次世界大戦時のポーランドと同様に、米中によって分割されることを想定していると推測されるのです。第二次世界大戦では、独ソの攻撃の矛先はポーランドに向かいましたが、地理的な条件に照らせば、米中の挟み撃ちにあうのは”日本国”ということになります。朝日新聞の記者出身である田岡氏にとっては、このシナリオは大歓迎なのでしょうが、日本国と日本国民にとりましては、極めて忌々しき事態となります。仮に、アメリカの既定路線が中国優先であり、中国もまたアメリカとの同盟を望むのであれば、安倍首相が靖国神社に参拝しようがしまいが、早晩、米中同盟は表面化したことでしょう(失望発言は、日本国と距離を置く口実に過ぎない…)。それでは、日本国は、米中の分割支配を受け入れるのでしょうか。如何なる国も自国の独立は何としても護ろうとするものですので(もっとも、マスコミの一部や田岡氏のように、”奴隷の平和”を容認する勢力もある…)、日米同盟消滅後の日本国もまた、自力で自国を護らざるを得ない状況に至ります。田岡氏は、アメリカは日本国の核武装を怖れていると指摘していますが、アメリカからの”核の傘”の提供がなくなれば、当然に日本国内では核武装論が提起され、戦闘機をはじめハイテク武器もまた持てる技術を総動員して自主開発に努めることになるでしょう(在日米軍も撤退…)。そして、アメリカに代わる同盟国を他に求めざるを得なくなるのです(もっとも、田岡氏によれば、日本は孤立しており、どの国からも見捨てられるらしい…)。

 田岡氏は、国際社会とは、”利害の打算や目先の利益”で動くものと見なし、”普遍的な価値”については一顧だにしていません(そうであるならば、国際軍事法廷やA級戦犯も無意味では?)。しかしながら、第二次世界大戦の連合国側の大義、そして、冷戦期におけるアメリカの大義が、自由と民主主義のために全体主義国と戦うことにあったとしますと、国際法を無視し、侵略と人権弾圧を繰り返してきた中国との同盟は、日本国のみならず、人類に対する裏切りとしか言いようがありません(失望…)。現実が米中同盟に動くならば、今度ばかりはポーランドを援けようとした”連合国”は存在しないのですから、日本国政府は、自国の独立を貫くための戦略を早急に立案すべきと思うのです。

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中国こそ第一次世界大戦の教訓に学ぶべき

2014年01月08日 15時40分22秒 | 国際政治
第1次世界大戦100年 日中関係でも「ミュンヘン」より「サラエボ」を考える時だ(フィナンシャル・タイムズ(翻訳gooニュース)) - goo ニュース
 フィナンシャルタイムズ曰く、日中、並びに、米中関係は”ミュンヘン”よりも”サラエボ”を教訓として対処すべきなそうです。ミュンヘンの融和とは、独裁者の領土拡張主義に対して毅然とした態度を採らなかったことが、世界大戦を誘発したとする教訓であり、一方、サラエボの教訓とは、些細な事件に対する関係諸国のナショナリスティックな対応が世界を大戦に巻き込んだ、ということのようです。

 フィナンシャル・タイムズは、”日中関係においてどちらの教訓を生かすべきかと”という問いを設定し、後者のサラエボの教訓に従い、ナショナリズムを抑えて譲歩することを勧めています。この説を補強するために、同紙は、キューバ危機に際してケネディ大統領を取り上げて、軍事行動の進言を退けて、サラエボの教訓に従ったと推測しています。しかしながら、この時、アメリカの一歩も引かぬ態度に譲歩したのは、ソ連邦のフルシチョフでした。この事例では、むしろ、アメリカが”ミュンヘン”を、ソ連邦が”サラエボ”を教訓としているのです(結果として、第三次世界大戦を無事に回避…)。二つの教訓は、手緩い反応と過剰反応との、正反対の教訓なのですが、政策決定者の予想を超えて事態が暗転したという意味では共通しています。両教訓を適宜に生かすことが重要であると考えますと、中国の覇権主義を抑えるには、日米が”ミュンヘン”を選択する一方で、中国が”サラエボ”に学ぶしか道がないようにも思えます。しかも、第一次世界大戦の発端は要人暗殺事件であり、キューバ危機もミサイル基地の建設でしたが、中国の場合には、日本国に対する直接的な領土侵攻を狙っていますので、日本国側には時間の余裕も譲歩の余地がないのです(この点は、第二次世界大戦の状況に近い…)。

 フィナンシャル・タイムズは、関係諸国が子供じみた軍事的な威信に拘っていることを嘆いていますが、ようやく国際社会にも法の支配が広がる時代を迎えながら、中国の野心が人類を無法な野蛮状態に戻しかねないとする危機意識は低いようです。大人の視線から徒に日米に譲歩を促すよりも、中国に対して国際法の順守とICJでの解決を強く求める方が、よほど、第三次世界大戦を防ぐことができるのではないかと思うのです。

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日本国の反原発運動の黒幕はやはり韓国?

2014年01月07日 17時41分36秒 | アジア
「もんじゅ」パソコン、韓国に33回情報送信か(読売新聞) - goo ニュース
 2011年3月に発生した福島第一原発の事故以来、日本国では、マスコミをも巻き込む形で激しい反・脱原発運動が繰り広げられてきました。当時から、黒幕として韓国の名が挙がっていましたが、本日報じられた「もんじゅ」情報不正漏洩事件は、この説を裏付けることになるかもしれません。

 2012年に韓国がUAEの原発を受注した時、韓国の技術レベルの急速な向上に驚いたのですが、その背景には、2010年に東芝から原子炉制御技術に関するハード・ディスクが盗まれた事件との関連が噂されていました。韓国は、原子力産業を将来の有望産業と位置付けており、従来型の軽水炉のみならず、次世代原子炉の高速増殖炉の研究・開発にも取り組んでいると報じられています。ところが、この分野においても日本国の後塵を拝しているため、日本国の「もんじゅ」の技術は、喉から手が出るほど入手を強く望んでいると推測されます。そして、福一の原発事故は、韓国にとりましては、又とないチャンスとなりました。何故ならば、日本国が反原発政策に舵を切れば、日本国の原子力技術と産業を潰し、職を失った原発技術者を自国に引き抜けると共に、日本国というライバルを国際競争から脱落させることができるからです。高速増殖炉の技術をも含めて…。反原発デモでは、太鼓や鉦が激しく打ち鳴らされ、どこか大陸風なところがありましたが(ハングル文字も見られたとも…)、韓国には、日本国内の反原発運動を後押しする強い動機があるのです。

 「もんじゅ」情報の漏洩先は韓国のサイトと報じられてはいるものの、確定されてはいませんが、誰もが韓国を疑う状況にあります(日本国の政策転換に失敗したので、デモ動員からスパイ作戦に変更?)。反原発運動の背後を明らかにするためにも、日本国政府や警察には、背後関係を含めた徹底した調査をお願いしたいと思うのです。

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第二次世界大戦は奇妙な三つ巴-ロシアは北方領土占領を正当化できないのでは?

2014年01月06日 16時01分30秒 | 国際政治
ロシア、北方領土占領の歴史的正当性主張へ 次官級協議(朝日新聞) - goo ニュース
 第二次世界大戦は、終戦時を基準に連合国対枢軸国の対立構図として描かれがちですが、開戦時と終戦時において陣営内の組み合わせが違うという、奇妙な戦争でもありました。第二次世界大戦前夜は、単純化すれば、自由主義勢力、全体主義勢力、そして、共産主義勢力の3陣営による三つ巴であったのですから。

 第二次世界大戦の発端となる1939年9月のポーランド侵攻は、8月23日に締結された独ソ不可侵条約に基づいており、ドイツとソ連の両国は、ポーランドを東西から挟み撃ちにして領土を分割します。開戦時点では、全体主義勢力と共産主義勢力が連携しており、自由主義勢力が孤立しています。日本国は(もっとも、日本国の場合、強い影響を受けたけれども、政治体制としては純粋な全体主義とは言い切れない…)、1941年4月に日独伊ソの四国同盟構想の下に日ソ中立条約を締結しており、ソ連邦のスターリンも、同構想を基本方針としていたようです(第一期:全体+共産vs自由)。ところが、ドイツが同年6月に対ソ攻撃を開始し、イタリアと共にソ連に対して宣戦布告すると、がらりと勢力の組み合わせが変わります。今度は、自由主義勢力と共産主義勢力とが手を組み、全体主義勢力が孤立するのです(第二期:自由+共産vs全体)。こうして、終戦時には連合国対枢軸国となるのですが、その実、終戦末期には、水面下でさらなる第3の組み換えが進行していました(第三期:自由+旧全体vs共産)。次なる組み合わせでは、自由主義勢力と旧全体主義国が西側陣形を形成し、東側陣営の共産主義勢力と対峙するのです―冷戦構造―。大局的に見ますと、第二次世界大戦は枢軸国の敗戦によっては完全には終結しておらず、この意味において、サンフランシスコ講和条約は、新たな”組み換え”のための前提ともなりました。つまり、三つ巴を構成していた3勢力間の全ての組み合わせが出現したわけですが、敗戦により、枢軸国諸国は自由で民主的な国家へと変化しますので、西側陣営の間でのイデオロギー対立は影を潜めることになります。結局、少なくともヨーロッパにおける三つ巴の解消は、最後に残った共産主義勢力、すなわちソ連邦の崩壊によってもたらされたと言うことができるかもしれません(アジアには、未だに中国という共産主義勢力が残存している…)。

 第二次世界大戦が、奇妙な三つ巴から始まったことを考慮しますと、ロシアが、懲罰的な根拠を以って日本国に対して北方領土の占領の正当性を主張することもまた、奇妙なことです。何故ならば、上述したように自らもドイツと共にポーランドに侵攻し、かつ、ナチス・ドイツからの解放を大義名分として、周辺諸国を侵略しているのですから。況してや、軍事占領を越えて領土併合となりますと、連合国の基本方針にも反する領土拡張主義そのものです。ロシアには、第二次世界大戦におけるソ連邦の行動をつぶさに再検証していただきたいと思うのです。

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冷戦敗戦の歴史を消したい中国

2014年01月05日 15時15分08秒 | 国際政治
近隣国と関係改善を=中韓念頭に米国防長官(時事通信) - goo ニュース
 安倍首相の靖国神社参拝に対する批判から読み取れる中国の戦略は、日本国が軍国主義復活を目論んでいると宣伝する一方で、第二次世界大戦における連合国の枠組みを復活させることです。敗戦国である日本国は、”東京裁判史観”を受け入れ、連合国が造った戦後の国際秩序を守れ、と…。

 ところが中国は、第二次世界大戦の終結を待つまでもなく、冷戦という新たな陣営対立が発生した事実については、無視を決め込んでおります。第二次世界大戦の終結は、平和の到来を意味するものではなく、超大国を中心とした二極対立が戦後の国際政治の基本構図となるのです。冷戦という名の”戦争”に凡そ決着がつくのは、1989年の東欧革命に続くソ連邦の崩壊であり、この時、誰の目にも、西側陣営に対する東側陣営の敗北が明らかとなったのです。冷戦期にあっては、中ソ対立がありながらも、中国は、基本的には東側陣営の一員でした。そして、80年代後半に至り、社会・共産主義陣営の退潮が認識された頃から、中国は、自らの立ち位置の修正を開始し、”敗者側”から”勝者側”への巧妙な乗り換えを試みるのです(昨日指摘した改革開放路線への転換を含めて…)。日本国を、”連合国”共通の敵に仕立てる政策は、この乗り換え政策の一環と見なすこともできます。しかしながら、時系列的に見ますと、第二次世界大戦の延長線上に冷戦が存在してるのですから、通過点に過ぎない1945年の時点への回帰は、全く意味のないことです。しかも、中国の主張する戦後の国際秩序とは、国連憲章が掲げた主権平等と民族自決を原則とするものでもなく、枢軸国=日本国を”敵国”と見なす自由主義国と共産主義国の結託、即ち、米中G2構想でしかないのですから。

 第二次世界大戦では、自由主義国は、大戦の大義として自由と民主主義の擁護を掲げながら、ソ連邦というスターリンが君臨する一党独裁国家と手を組むという矛盾を抱えていました。中国が唱える”連合国”の枠組み自体が、人類の歴史において評価され得るものではないのです。中国こそ、自らの利己的ではた迷惑な”復古主義”が、国際社会の混乱要因となっており、かつ、国連憲章の精神にも反していることを認識すべきなのではないでしょうか。

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何故中国は日本糾弾路線へ転換したのか?

2014年01月04日 15時08分28秒 | 国際政治
首相靖国参拝 年初から個人攻撃 中「拙劣な言動」韓「関係の障害」(産経新聞) - goo ニュース
 本年最初のブログ記事は、中国の第二次世界大戦史観の転換点について書くこととします。中国が、日本国首相による靖国神社参拝に対して批判を開始したのは、戦後40年が経過した1985年のことです。それでは、何故この時期に、中国は殊更に”侵略戦争”を強調し、靖国神社参拝を対日外交のカードにしようとしたのでしょうか。

 国民党との内戦に勝利して、1949年に中華人民共和国と建国した毛沢東の日中戦争への評価は決して批判的なものではなく、”日本との戦争がなければ、共産党政権は成立し得なかった”とする趣旨の言葉を残しています。共産主義勢力の戦略では、レーニンが示唆したように、戦争は政権掌握のために利用すべきものであり、盧溝橋事件がコミンテルンの指示によるものであった可能性もあながち否定はできません。毛沢東の先の言葉もこの戦略から理解できるのであり、1978年の日中平和条約の締結を以って一先ずは決着しているのです。冷戦を背景として、この時期までの中国側の姿勢はマルクス・レーニン主義に忠実であり、”アメリカ帝国主義”といった表現で西側資本主義国を罵っています。レーニンの認識では、戦争とは、資本主義諸国による独占をめぐる世界の再分割競争なのですから、日本国一国のみに戦争の責任があるとは見なしていないのです。ところが、小平氏の指導の下で改革開放路線が開始され、外資の誘致が国策となると、資本主義国に対する闘争姿勢は一気にトーンダウンし、代わって対日批判が突出するようになります。経済政策の転換点は、対外政策においては、日本国に戦争の全責任を押し付ける”侵略戦争”史観への転換点ともなるのです。おそらく、改革開放路線を成功に導くためには西側諸国との関係改善が必要であり、そのために、共産主義の歴史観を放棄してでも、戦争の当事者であった中華民国の立場に成り変わろうとしたのでしょう。ただし、古来ライバルであった日本を除いて…(日本国は、戦後、一貫して中国に対して多大な支援や投資を行ってきたにも拘わらず…)。

 その一方で、中国は、個人に対する裁判は刑が執行・赦免された時点で完結し、国家間の戦争は講和条約を以って完全に終結するとする、国際社会の一般的なルールは受容しなかったようです。80年代後半以降の中国の日本国に対する強圧的な”歴史認識”の押し付けは、ひとえに中国内部の事情によるものなのですから、日本国は、村山談話の如くに中国の戦略に呼応してはならないと思うのです。それは、法的に解決された問題を蒸し返し、過去の対立を再燃させることになるのですから。

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新年のご挨拶

2014年01月01日 10時52分31秒 | その他
 謹んで新年のご祝詞を申し上げます。

 旧年は、拙いブログでありながら、万国時事周覧の記事をお読みくださり、まことにありがたきことと、心より御礼申し上げます。本年もまた、皆様方のお役に立ちますような記事を書いてまいる所存でございますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

 本年が、良い年となりますことを願って

    しろたへの 雪のころもを かさね着て 春のあさきに むめの咲きそふ



 
 *お正月の三が日はお休みとさせていただきまして、本年のブログは、1月4日から再開する予定でございます。
 
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