万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

反原発ハンスト―命を盾にした脅しでは

2012年05月02日 15時35分56秒 | 日本政治
瀬戸内寂聴さんら、反原発のハンスト参加(読売新聞) - goo ニュース
 他者に対して、何かしらの要求をする場合、”脅してはいけない”は倫理的な規範です。脅迫や恐喝は、禁じてです。ところで、女性作家の方々が、反原発を訴えてハンストに参加したそうなのですが、ハンストもまた、脅しの手法の一種なのではないかと思うのです。

 ハンストと言いますと、暴力を使わない平和的な手段と見なされがちです。参加した側も、この抗議方法は、正当な手段であると信じ込んでいるかもしれません。しかしながら、ハンストとは、食事を断つこと、すなわち、自らの命を危険に晒すことで要求を通そうとすることなのですから、やはり、他者を脅していると言わざるを得ません。”自分の思い通りにならなければ、死ぬぞ”と・・・。報道によりますと、参加した作家の方々は高齢とのことですので、ハンストへの参加は、実際に命にかかわるかもしれません。また、原発を放棄しますと、企業の経営が悪化したり、産業の空洞化が進みますので、失業や生活水準の低下など、何らかの損害や負担が他の全国民に及びます。その損害や負担を充分に承知の上で、ハンストで反原発を訴えているとしますと、他者に犠牲を強要する利己的な行為ともなります。

 本人達は、原発と闘うヒロインとしての自己イメージに満足しているのでしょうが、他者の立場に思い至ることがないとしますと、その行為は、独善的でもあります。普段は、”何事も話し合いで”と主張していたはずなのですが…。世の中には、様々な利害関係があるのですから、脅しによる一方的な要求は、民主主義の原則に反する手法なのではないかと思うのです。

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-05-03 14:01:48
原発再稼動を訴えているあなたの主張とどう違うのですか?

電気料金UPだとか、停電の可能性とか、経済の衰退の可能性を理由に再稼動させようとしているのは、それを盾に脅しているのではないですか?
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Unknownさま (kuranishi masako)
2012-05-03 15:03:26
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 リスクを訴えているという面において、再稼働支持派の人々も、反対を唱えている人々も同じです(ただし、両者の間には、リスクの質にも発生確率にも、相当の違いがある…)。しかしながら、前者は、自らの命を盾にして、主張を通そうとはしておりません。現実のリスクを説明した上で、再稼働すべきと主張しているのです。一方、ハンストの方々は、原発事故のリスクを盾にしているのではなく、自己の命を故意に危険に晒すことで、リスクの上乗せをしているのです。つまり、今後の原発事故の発生リスクは極めて低いにも拘らず、ハンストを行うことで、現実のリスクに持ち込んでいるのです。原発リスクを訴えるならば、その発生確率を含めて、言論で説得を試みるべきなのではないでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2012-05-04 19:01:25
 反論できないと削除している。ま、了見の狭い人だ。民主主義者と名乗るのはやめなさい。中共より不寛容。
 原発は産業の阿片。阿片だから、住民の健康がぼろぼろになっても、国土がぼろぼろになっても、安い電力が欲しい!欲しい!と叫ぶ。切れたら、禁断症状。
 電気代など電炉メーカーみたいな産業を除けば、たいした比重を占めない。たかが電気代ぐらいで、わ~わ~騒ぐのは、コストカットでしか利益の出せない阿呆経営者。
 ま、経団連のトップが猪八戒みたいな不細工な人物で、経済が発展するはずがない。みんな、憧れで頑張るものだ。幸之助や本田宗一郎みたいな人物ね。
 ま、憧れが大切など、あなたにはわからんかもしれないね。
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Unknownさま (kuranishi masako)
2012-05-05 09:16:45
 以前、このブログへのコメントは、お断りしたはずです(文体で直ぐに分かります)。故に、削除いたしました。
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