万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国人民解放軍は輸送能力不足?

2008年05月28日 15時59分52秒 | アジア
中国が自衛隊派遣要請=政府検討へ-四川大地震支援(時事通信) - goo ニュース

 災害における救援支援とはいえ、自衛隊が域外派遣されるのですから、中国に対する輸送機の提供は、決して小さな問題ではありません。しかも、実際には、中国人民解放軍の輸送能力が不足が生じているとも思えないのです。

 中国の軍事費の支出が増加の一途を辿り、人民解放軍の軍備が、現在では、我が国の安全保障を脅かすまでに拡大したことはよく知られています。また、急激な経済成長による歳入の増加も伝えられており、物理的な能力においても、財政上の能力においても、中国が、自力での対応能力に限界をきたしているとも思えないのです。それにも拘わらず、我が国に輸送機の支援を求めているとしますと、そこには、中国の巧妙、かつ、深慮遠謀な意図が隠されているのかもしれません。中国が、全人民解放軍を挙げ、かつ、国家予算をつぎ込んて救助活動を行えば、事済むことかもしれないのですから。

 二次災害の危険性も報告され、かつ、支援活動の長期化も伝えられる中、十分な情報もなく、また原則もなくして、なし崩しに派遣が決定されるとしますと、後に禍根を残すことになるのではないか(中国に対する一方的な貢献国への転落・・・)、と心配なのです。

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3 コメント

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Unknown (Shu UETA)
2008-05-28 19:39:57
 はじめましてっ ^^)

 この件は、今回の一連の対日融和的世論誘導の一環でもあるのではないかなと僕は思います。
 (近頃の極端とも思える中華人民共和国のそうした方針姿勢については、既に一般解的に説明されているものの、もう少し深いものがあるかもしれません)

 目下のところ、日本としては、自衛隊機の使用は、(相手政府自身による世論誘導の後押しつきの)いわゆるパブリック・ディプロマシー的な次元での信頼醸成措置として使える(有効)なのではないかと思います。
 (場合によっては、既に両政府間で何らかの合意、呼吸が整えられている可能性もあるかもしれません)

 なんてことを考えてます。
 僕も報に接したばかり、熟考を経たものではありませんが ^^;)

 失礼しましたっ
Shu UETAさん (kuranishi masako)
2008-05-28 20:55:22
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 もし、中国が、自由と民主主義を標榜し、人権弾圧や植民地支配(チベットや東トルキスタン…)などを行っていない国であるならば、我が国の自衛隊機の派遣による信頼醸成も、パブリック・ディプロマシーも、さしたる問題はなかったことでしょう。しかしながら、かの国が、自国が行ってきた”蛮行”に対する国際社会からの批判をかわすために、日本国を親中に誘導しているとしましたならば、これは、やはり、NOと言わざるを得ないのではないか、と思うのです。このように心配しますのも、長野の聖火リレーでも明らかになったように、中国のプロパガンダ作戦と国民動員はまだまだ健在ですし、最優先課題が北京オリンピックの成功であるならば、”見せかけ”の日中友好演出は、大いにあり得ることであるからです。四川大地震の被災者を助けることはもちろん大切なことですが、中国政府の弾圧による被害に苦しむ人々のことも考えていただきたいと思うのです。
Unknown (Shu UETA)
2008-05-29 01:37:02
 早速のフォローありがとうございます。

 ご懸念は実にもっともなことと思います。
 同感多々。

 ところで、
 自ら利するために相手あるいは環境を利用するというのはお互いさま、
 相手もそのつもりであろうけれども、こちらも相手と状況を利用する、というのが戦略と外交というものですよね。

 こと中華人民共和国は、その道の達者、常々重々の注意が必要なのはご指摘のとおり ^^)

 今回の件も、利もあれば不利もあるでしょうが、
 政府相手ではなく、国民レベルでの心象を稼ぐことが可能であれば、我が国が採るべきオプションのひとつたり得るだろうと思います。
 パブリック何とやらとは、言わば、相手政府を足元から掘り崩すようなものでもありますから。(信頼醸成措置とは本来政府間の話ですので、僕の語弊、「~的」と言っておくべきでした)
 (さらに他にもこちらの得点はあるやに思いますが今日は省略で)

 外交の世界では、都度都度のイベントで完封勝ちが望めなければ試合をしないというよりも、2対1でも3対2でも、勝ち点をコツコツ積み上げていければと思います。
 まぁこの例えも多分に語弊ですけれど。要は、相手が多少なりと得するのはイヤだというのはどうかなと。

 もっとも、そんなことは僕に能書きされるまでもない、つまりは、2対1でも利が上回ればいいけれど、今回中国のボロ勝ち一人勝ちになるのをご懸念ということだと思います。

 おそらくは僕の楽観性の過ぎるゆえかもしれませんね。
 自ら利するためであろうけれども、今回中国政府は、結果的に悪いカードを切ったかもしれないと思う…あるいは期待しています。^^;)

 数次にわたり、どうも長々と失礼いたしました。
 今後も楽しみに拝読させていただきますので宜しくお願いします。お見知り置きのほどを。
 (いろいろ師も仲間も探し中で ^^;)

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