万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

混迷するギリシャ―ユーロ離脱を国民投票で問うては?

2012年05月12日 14時21分15秒 | ヨーロッパ
ギリシャ、第3党の連立交渉不調…再選挙濃厚に(読売新聞) - goo ニュース
 ようやくギリシャ発の欧州危機が収まる兆しが見え始めた矢先、ギリシャでは、連立政権交渉が成立せず、再選挙となる見通しのようです。まだまだ混迷が続くようですが、むしろ、ストレートに、ユーロ離脱の是非を国民に問うべきではないかと思うのです。

 ギリシャには、国民投票の制度が存在しています(首相の同意の下で大統領が提案…)。この手法は、ユーロ各国による支援策の受け入れに際して、パパンドレウ首相が提案したために混乱の元となり、封印されてしまった観があります。しかしながら、支援策の受け入れではなく、明確にユーロ離脱を争点として実施すれば、最大の問題に明確な決着を付けることができるのです。議会選挙にあっては、財政緊縮策に対する賛否が争点となりましたが、これでは”玉虫色”です。国民も、危機感が薄まり、楽観的な見通しに傾きがちです。財政緊縮策反対は、ユーロ離脱に至る確率が高いにも拘らず…。ギリシャのユーロに対する態度が早期に決まれば、他のユーロ各国も、具体的な対策に着手することができます。

 もちろん、6月実施ともされる再選挙に際して、ユーロ離脱を争点にするという方法もありますし、再選挙後に発足する新政権の下で行うという方法もあるかもしれません。何れにしましても、混乱を長引かせるよりも、ギリシャは、現実を直視し、国際経済の安定化のためにも、できる限り早くに結論を出すべきではないかと思うのです。

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