万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

”ヤミ臓器移植”1万件が語る中国の悲劇

2011-01-09 17:53:53 | アジア
中国はびこる“ヤミ移植” 年間1万例超の「大国」(産経新聞) - goo ニュース
 日本国の死刑執行数は、近年増加傾向にあるとされつつも、年間20人前後に過ぎませんし、全国の刑務所に収監されている死刑囚の数も凡そ100名ほどです。一方、中国では、ヤミ臓器移植が1万件ほどあり、その主要なドナーは死刑囚であるというのです。

 一人の人から摘出される移植可能な臓器は、心臓、肝臓、腎臓、骨髄、角膜…など複数に及びますので、移植件数イコール死刑囚の数とは限りませんし、また反対に、”ヤミ移植”に利用されずに済んだ死刑囚もいることでしょう(臓器の提供は、医師と刑務所関係者の個人的ルートによるらしい…)。一人の死刑囚から複数の臓器が摘出されたと想定しても年間1000件を越え、この数は、中国においては、桁外れに死刑執行数が多いことを示しています。しかも、中国には、刑法に反した刑事犯のみならず、共産主義体制に異議を唱えた政治犯や思想犯が存在しており、死刑制度は、体制維持のための弾圧手段として機能しています。恐怖政治と死刑との関係が続く限り、現体制を非難しようとする中国国民は、命をかける覚悟を迫られるのです。

 1万件という”ヤミ移植”の数は、中国国内の劣悪な治安状況と共に、共産主義体制の悲劇をも物語っているのではないでしょうか。

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2 コメント

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それでいいじゃん (毒キノコ)
2011-01-09 20:38:13
ヤミ移植によって恩恵を被る人もいるのだからそれでいいじゃん。日本も中国の死刑制度を真似て凶悪犯をどんどん死刑にしよう。生かしておいても時間と金・税金の無駄・・。さっさと法律の範囲内で処刑しよう。
毒キノコさん (kuranishi masako)
2011-01-09 22:17:24
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 本日の記事に、アメリカの終身刑の姉妹が、臓器移植を条件に仮釈放されたという記事がありました。この場合、姉妹間の移植なのですが、刑罰の文脈において、臓器移植を検討する余地はあるのかもしれません。

 中国の場合に問題となるのは、本記事で指摘しましたように、死刑囚には、政治犯や思想犯がいることです。共産党の一党独裁体制を維持し、国民の口を封じるために。政治犯や思想犯に対する死刑の執行は、人道に反するのではないでしょうか。

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