万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮関連情報を読み解く-北朝鮮は核放棄に合意した?

2018-04-19 15:45:46 | 国際政治
CIA長官が極秘訪朝、米朝会談へ正恩氏と会談
 ここ数日、米朝首脳会談を前にしたトランプ米大統領の発言を始め、北朝鮮関連の動きが報じられております。今後の展開を予測するに特に重要となる情報は以下の通りです。

 ・米国務長官に指名されたCIA長官のマイク・ポンペオ氏は極秘に訪朝し、金正恩委員長と会談している。会談は友好的な雰囲気にあった。
 ・日米は、“完全、検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)”の方針を堅持し、圧力の維持で合意している。
 ・日米韓の三か国は、中国・北朝鮮が主張する核の段階的放棄には応じず、2020年までに期限を設定した北朝鮮の核放棄で合意している。
 ・朝鮮戦争に関して、韓国は、休戦協定体制から平和協定体制に向けて政策転換を図っている。
 ・トランプ大統領は、朝鮮戦争の終結に賛意を示している。

 これらの情報が正確、かつ、事実であると仮定し、点と点を結んで線を描いてみますとと、米朝首脳会談の事前交渉段階で、北朝鮮は、少なくとも“北朝鮮の非核化”には合意していると推測することができます。訪朝したポンペオ氏が持ち帰った報告を日米韓が情報として共有していなければ、2020年という期限設定のお話が出てくるはずはありません。乃ち、北朝鮮は、国際社会の経済制裁、並びに、米軍の軍事的圧力に屈し、核の放棄を決断せざるを得ない状況に追い込まれたのでしょう。

 このように読めば、一先ずは、“北朝鮮の非核化”に関する見通しがついたと推測されますが、一連の報道で気にかかるのは、トランプ大統領の朝鮮戦争終結への意欲です。朝鮮戦争については、韓国は、第二次朝鮮戦争のシナリオを消滅させるためか、北朝鮮との間で平和協定を締結する方針を示しています。韓国の基本方針の追認とも解されますが、ここで思い出されるのは、中国と北朝鮮が核放棄の見返りとして求めているのは、“朝鮮半島の非核化”である点です。つまり、韓国の非核化をも含意するのですが、その延長線上には、朝鮮半島における平和条約の締結、さらには米朝国交正常化が想定されています。米朝首脳会談後に予定されている中国の習近平主席の訪朝も、あるいは、中国が義勇兵ながら朝鮮戦争に派兵した休戦協定の当事国であるからなのかもしれません。

 果たして、トランプ大統領の朝鮮戦争終結への賛意は、一体、何を意味するのでしょうか。朝鮮戦争が平和条約の締結を以って終結されれば、もはや米韓同盟の必要性もなくなります。韓国の文在寅大統領は、同時に中国の対韓制裁の根拠とされるTHAADも撤廃できるため、この路線で解決を図りたいと考えていることでしょう。その一方で、引き続き米韓同盟が維持されるとしますと、同同盟が想定する仮想敵国は、中国、あるいは、ロシアとならざるを得ません。しかしながら、韓国国内では、急速に北朝鮮への親近感が高まっているとされており、朝鮮半島に“平和”が訪れるとなりますと、韓国が、中国・北朝鮮陣営に加わる可能性は当然に高まります。あるいは、しばしば指摘されているように、アメリカが朝鮮半島全域を中国に譲る代わりに、中国は台湾をアメリカに譲る、とするバーター取引が米中間で成立したのでしょうか。

以上の憶測は外れており、北朝鮮があくまでも核放棄を拒絶した場合であっても、北朝鮮危機の解決は、アジアの政治勢力図を塗り替えられる可能性があります。このような状況下におきまして、的確な判断には多くの正確な情報の収集とその分析を要することを踏まえますと、自国の防衛や安全保障に直接的な影響を受ける日本国政府も、関係各国の情報収集に最大限努めるべきではないかと思うのです。

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