万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

皇族をめぐる’もやもや状態’の原因は?

2021年11月19日 12時41分00秒 | 日本政治

日本国のみならず、全世界の王族や皇族は、今日、その存在意義を根底から問われる事態に直面しているようにも思えます。現代という時代にあっては、伝統的な権威の永続的な維持は極めて困難であり、特にその超越的な神聖性を以って国民を纏める求心力としてきたケースでは、皇族や王族の’俗人’としての振る舞いは致命的な意味を持ちかねません。百年後の地球上に皇族や王族が存続しているかどうかは怪しい限りなのですが、今般、秋篠宮家において発生した小室夫妻の問題も、この自滅傾向に拍車をかけることも予測されましょう。国民の多くが、同問題に対して名状しがたい’もやもや感’を覚えているからです。それでは、この’もやもや感’は、どこから来るのでしょうか。

 

 おそらく、国民にあって’もやもや感’が生じる主たる原因とは、公私の境界性の曖昧性にあるのでしょう。国民の多くは、皇族の姻族として必ずしも相応しいとは見なしてはいなくとも、一旦、皇籍から籍を抜いて降嫁した限りにおいては、全くの一般国民となり、一切の特別待遇や公費の支出もないものと考えていたはずです。しかしながら、メディアの報道によりますと、ニューヨークにおける小室夫妻の生活は、何処からかの財政的な支援なくしてはあり得ないレベルなそうです。こうした情報に接した国民の多くが、物価が高いとされる同地での生活を支えるために、秋篠宮家や宮内庁、即ち、日本国政府が小室夫妻に何らかの支援を行っているのではないかと疑うようになったのも無理はありません。

 

果たして、事実は、どこにあるのでしょうか。もっとも、同夫妻への支援者は、必ずしも日本政府とは限らず、ニューヨークに居を構える’大富豪’、あるいは、名だたる国際金融財閥かもしれません。そして、仮に支援者が金融系であるとすれば、小室夫妻が借金に依存して生活を維持する可能性をも考慮する必要がありましょう。何故ならば、仮に、夫妻が借金の返済に窮するに至った場合、借金の’かた’として’何かしら’を要求されたり、事前に担保として約されていた’何かしら’の譲渡や実行を求められるかもしれないからです。イギリスのヘンリー王子夫妻のように、皇族の内情を綴った’暴露本’の出版を勧められるかもしれませんし、何らかの組織の’広告役’を担わされるかもしれません。この’何かしら’は、小室夫妻が将来において天皇の姉夫妻となる以上、日本国にとりましても重要であり、公的な意味合い持つ可能性も否定はできないのです。

 

国民から寄せられる嫌疑や債務リスクを考慮しますと、先ずもって、小室夫妻の支出入や支援者の存在は国民が知るべき情報です。公開しないことには、’もやもや感’が晴れないからです。もっとも、政府の立場が、民間人である以上小室夫妻の家計については、一般の国民と同じく個人情報として保護されるべき、と考えるならば皇室や宮内庁も含め、日本国政府は、最低限、同夫妻に対する一切の特別な待遇や公的支出がないことを、国民の前に証明する必要がありましょう。このままでは、国民の同夫妻に対する疑いは深くなる一方です。

 

そして、小室夫妻に対する公的な特別待遇や公費支出の問題は、突き詰めて考えてみれば、その存在意義があまりにも曖昧であるという問題に否が応でも行き着いてしまいます。存在意義に納得しなければ、皇族の公務や公費の支出に対する国民の視線は厳しくなりましょう。特に、今般のように女性皇族が皇室を離れるケースでは、公私の境界線は曖昧となります。降嫁に際しての一時金はこれまで公費でしたし、女性皇族が成人するに際して作成さえるティアラも私的な所有となるようです。皇族として臨席した各種イベントにあって主催者側から受け取る謝礼は純粋な個人所得なのでしょうか(個人所得であれば、私的に、かつ、自由に使えることになる…)。そして、国民が関心を寄せている降嫁後の警備についても、その必要性についても、費用負担についても、政府からの何の説明もないのです。

 

憲法や皇室典範には皇室財産に関する大まかな条文はあっても、日常的な皇族の活動に関する詳細な規定は設けられていないのが現状です。そもそも、皇族の公務なるものにも、法的根拠が存在していないのですから(違法ではないとしても、不法行為となる可能性も…)。皇族のモラルや自己規律に期待できなくなった今日、国民の’もやもや感’を払拭するには、その存在意義から国民的な議論を始めるべきなのではないかと思うのです。

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