万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国も電磁パルスを配備しては?-防御型核兵器の議論を

2017-09-07 15:30:59 | 国際政治
自民・石破氏、米核兵器の配備議論を=非核三原則見直し、政府「考えず」
北朝鮮の第六回目の核実験により、俄かに電磁パルス(EMP)なる兵器が注目を集めるようになりました。電磁パルスとは、高高度で核兵器を爆発させ、強力な電磁パルスを発生させることで、地上の電力インフラストラクチャーや情報通信機器の機能を狂わせ、相手国のあらゆる活動を破壊する兵器を意味します。電子機器を使用している先進国ほど、この兵器の破壊効果は高く、この兵器が使用されれば、アメリカでさえ石器時代に戻るとする説もあります。

 電磁パルス攻撃を受けると、ミサイル防衛システムも作動せず、無防備なままに核ミサイルの攻撃を一方的に浴びる事態となります。想像を絶する被害が予測されますが、それでは、電磁パルスを含む北朝鮮、あるいは、ロシアや中国からの核攻撃を防ぐ手段はあるのでしょうか。

 考えられ得る一つの方法は、相手国が電磁パルス攻撃を実行に移す、即ち、核ミサイルを発射する前に、こちらの側が、先に電磁パルス攻撃を行うという方法です。北朝鮮は、度重なる核・ミサイル実験により、軍事技術のハイテク化を図った結果、電子機器への依存度を高めています。正確にミサイルを着弾させるためにも、精密な誘導システム等を要するわけですから、電磁パルス攻撃を受けた場合、相手国への地上発射型のミサイル攻撃は、電磁パルスを含めて不可能となりましょう。北朝鮮が、トンネルから核弾頭を搬送して地上のミサイル基地に設置し、発射するまでの時間は10分程度とされる一方で、日本国から発射されたミサイルが北朝鮮に到達する時間は8分程度とされています。つまり、電磁パルス弾を距離的に最も近い位置に地上配備しておく、あるいは、潜水艦に搭載し、北朝鮮近海で待機させておけば、少なくとも、北朝鮮からの核攻撃を防ぐことができるのです。

 残されたリスクは、北朝鮮の潜水艦による核攻撃ですが、これに対しては、同国の海洋での活動を封じる策を講じる必要があります。つまり、日本国が、北朝鮮潜水艦の海中での行動を完全に探知する能力を備えることができれば、未然に防ぐことができます。

 北朝鮮については、武力制裁の可能性もあり、同国の核・ICBM保有は阻止される可能性はありますが、黒幕国とされるロシアと中国の戦略核兵器の脅威は残されたままとなります。核保有国である中ロが核兵器を拡散させた、あるいは、拡散を試みた事実は重く、現行のNPT体制が非核保有国の安全を保障しないことは明白です。日本国でも核武装の議論が起きてきましたが、まずは、防御型核兵器の配備を提起することから始めてはどうでしょうか。配備方法としては、非核三原則を見直し、在日米軍に配備してもらう、協定を締結し(ニュークリア・シェアリング協定)、1958年に既に電磁パルスの実験を行ったアメリカから譲り受ける、あるいは、独自に開発するといった方法が考えられます(高高度爆発については、1963年8月に米英ソ三国で締結された部分的核実験禁止条約により禁止されているため、今般の北朝鮮の実験は、ロシア、あるいは、中国による代理実験の可能性もある…)。核の攻撃的使用のリスクが高まっているからこそ、防御的使用の必要性も高まっていると思うのです。

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6 コメント

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Unknown (オカブ)
2017-09-07 21:27:13
倉西先生。
ご指導ありがとうございます。
"電磁パルス"とは最近、聞いた言葉なので実態はよく存じませんが、要は敵の防御システムを破壊する兵器なのだと理解しました。
これは倫理的には敵国の一般市民を犠牲にしないので、"綺麗な"核武装に見えますが、結局のところ、北朝鮮が"電磁パルス"を装備すれば、どちらが先んじて電磁パルスを使用するかという非常に不安定な状況は続くのではないかと愚考します。
問題は三点。日本が電磁パルスを装備した場合、北朝鮮が核攻撃の兆候を示したら直ちにそれを行使する覚悟があるか?第二に先生ご指摘のように、電磁パルスを装備しても、潜水艦からのSMBなど第二撃の余地は現在の北朝鮮にも残されている。第三に日本が北朝鮮に対して電磁パルスを行使した後、インフラが壊滅した北朝鮮を誰がどのように少なくとも市民が生活可能な状況まで復興させるかです。
一点目は、先生の仰る"倒錯した世界観"に日本が浸ったままでは不可能でしょう。
とどのつまりアメリカの核の傘が疑問視さkれている昨今、日本も第二撃能力を含めた通常核武装をすべき、という議論が次第に現実性を帯びた選択肢になっているように考えております。
しかし、現状はアメリカの核の傘に入っているからこそ、戦時ではないにせよ、自分たちの生活の安寧が保たれている(テレビに出演してギャラももらえる?)にも関わらず、無責任な発言をする"倒錯した世界観”を持つ"有識者"には困り物です。
日本は何故弱気? (風見 弦)
2017-09-08 02:47:58
日本の歴史(文化、技術、科学)の厚みは
誇るにあまりあると思います

手短になれど・・・
3~5年の内に核弾頭100発を備えるのが
日本のポジションだと思います
逆説的に北朝鮮を見習ったらどうかとと思う昨今!

北方領土関連の経済協力も一部の利権でしょう!?
政府も解っていながらの交渉は情けない!

戦勝国サイドの国連に拠出する金は無駄!

先生の記事は全体をカバーしながらもっとも
わかり易く感謝しています
オカブさま (kuranishi masako)
2017-09-08 07:49:39
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 第一点につきましては、北朝鮮が、広島型の10倍の爆発力を持つ水爆を保有しているとなりますと、日本国は、再度、被爆地となることを回避するために、迷わずに、電磁パルスを使用するのではないでしょうか(仮に、配備するとすれば…)。1億3万の日本国民の命がかかっているのですから、この方針は、たとえ左翼が反対しようとも、凡そ全国民によって支持されるのではないかと思います。第二点につきましては、比較的評価が高いとされる海自の探索能力次第となりますが、高度なレーダー技術の開発に努めるべきです。第三点につきましては、北朝鮮は、先進国ほどには電子機器に依存しておりませんので、国民生活には、然程の影響はないのかもしれません。また、電磁パルスによる破壊効果の持続性によっても、復興のコストは変わってくるように思えます。まずは、先に電磁パルスを使用し、相手国からの第一撃を止めることを最優先すべきではないかと思うのです。
風見 弦 さま (kuranishi masako)
2017-09-08 07:59:30
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 日本国が合法的に核兵器を保有するには、国際的なコンセンサスが望ましく、少なくとも、同盟国であるアメリカとの協議を要するものと推測されます。今般の北朝鮮の核実験は、NPTの脱退要件を充たしますので、日本国の核武装が、国際的理解を得られる格段に可能性は高まりました。仮に、北朝鮮と同様に、国際社会を欺く形で核を保有しますと、日本国もまた、国際社会において制裁対象国となりましょう。

 なお、防御用核兵器の配備は、相手国からの第一撃を阻止するという意味において、極めて重要な手段ではないかと考えております。日本国における電磁パルス配備に反対する国があるとすれば、日本国を暴力で脅迫したい国、即ち、ロシア、中国、北朝鮮、あるいは、韓国ぐらいではないかと思うのです。
Unknown (宮内庁皇室浄化大作戦)
2017-09-08 12:03:05
電磁パルス攻撃だけでなく、その後の事も考えておいた方が良いのではないないでしょうか。

私は最近ソルフェジオ周波数に惹かれているのですが、その中でも528ヘルツは愛と平和の周波数とも言われ、DNAの傷を修復したり水の粒子を変えたりと、凄くフィジカルな効果もあるのですが、戦闘モードを抑制して健康的にも好影響を与える周波数なので、戦闘モード抑制兵器として開発すれば、人類の平和のためにも役立つのではないかと、秘かに考えています。

ソルフェジオ周波数で、地球や世界中の雰囲気と環境が平和になれば良いのにと、甘い期待を抱いています。

試しに扮装地域に528ヘルツを流して通ずけて、効果の判定をして欲しいです。

人間はもっと進化するべきですよ。
宮内庁皇室浄化大作戦さま (kuranishi masako)
2017-09-08 13:02:51
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 ソルフェジオ周波数のお話、興味深く拝読いたしました。音楽やリズム等も身体や精神に影響を与えるそうですので、即効性については分かりませんが、人類の心を穏やかにする効果はあり得るのではないかと思います。また、兵器につきましても、生物・化学兵器に分類される恐れはあるとはいえ、将来的には、催眠兵器や戦争意欲喪失兵器といった人道的兵器の開発は許してもよいのではないかと考えております。今般の危機につきましても、古代、否、原始時代のアニミズム的な宗教等の影も見えており、人類は、進化、特に精神的な進化とは何か、今一度、自らに問う必要がありそうです。

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