万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

増加し続ける中国人移民の問題

2021年12月03日 12時51分50秒 | その他

 2020年末での数字ながら、中国メディア新浪財経は、青書「中国国際移民報告2020」を引用する形で、2019年において同国が1000万人を越える移民を海外に送り出したとする記事を発表しています。現在のところは、コロナ禍の影響で増加率は鈍化しているのでしょうが、1000万人と言えば小国の人口をゆうに超える数字ですし、この勢いが10年続けば、1億人以上の中国人が海外に渡ることになります。100年後には、中国本国が‘空地’になる事態も想定されますが、日本国を含め、自由主義国は、中国人移民の激増を放置してもよいのでしょうか。

 

 中国からの移住先国のトップ3は、アメリカ、日本、カナダであり、何れも自由主義国です。この順位を裏付けるかのように、先日も、日本国内の外国人居住者の数が過去最大を記録し、その内、出身国の第一位は中国であると報じられていました。今般、日本国政府は、特定技能2号資格の対象を大幅に拡大する方針を示していますが、同政策が実現すれば、中国人移民の数はさらに増加することでしょう。

 

2号資格を取得すれば、永住資格のみならず日本国籍を取得することも容易となります。居住年数などの取得要件の大半を、自動的に満たすこととなるからです。そして国籍の取得は、同時に参政権を得ることを意味します。否、武蔵野市で外国人に住民投票を認めるような条例が制定されようものなら、多くの中国人が日本国において政治的権利を行使し得ることとなりましょう。それでは、中国人、あるいは、中国出身の中国系日本国民が政治的権利を行使しますと、どのような事態が起こり得るのでしょうか。

 

ここで先ずもって問題となるのは、価値観の共有の如何です。と申しますのは、中国は、一党独裁体制下にあり、自由、民主主義、法の支配、個人の基本権利の尊重、あるいは、人道といった、人類普遍とされる諸価値が蔑ろにされているからです。しかも、表向きは平等を掲げながら、その実、序列造りが大好きな国でもあります。加えて、統治機構を見ましても権力分立が否定されていますので、権力の暴走や濫用を制御する機能も働いてはいません。中国で教育を受けた人々は、習近平国家主席をトップに仰ぐ個人独裁の‘洗脳’を受けていますので、日本国民とは政治的価値を共有していないのです。

 

一党独裁や個人独裁を是とする価値観を有する人々が日本国内において政治に参加する事態が起きるとすれば、日本国は、程度の差こそあれ、内部から’共産化’する、あるいは、全体主義に侵食されるリスクを負うこととなります。そして、中国からの移民数、あるいは、日本国籍取得者数が増加すればするほど、同リスクは比例的に上昇するものと予測されるのです。現状でさえ、与野党を問わずに政党レベルでは親中派が浸透しているのですから、今後は、’中国票’欲しさに’転向’する政治家が続出するかもしれません。

 

 今日の日本国の政界を観察する限り、上述した忌々しき未来は決して絵空事とも思えません。自由主義国の政府は、自らの政治的な価値を護るためにも全体主義国家からの移民に対しては厳しい態度で臨むべきなのではないでしょうか。そして、国籍取得に際しての審査においては、最低限、憲法の順守を絶対条件とすると共に、その政治的価値観をも問われるべきように思えます。中国共産党、あるいは、習近平国家主席への忠誠心を含め、独裁体制や全体主義体制を是とする価値観を一切捨てない限り、自由主義国は自国の国籍を与えてはならないのです。民主的制度を逆手にとった狡猾な’共産化’、あるいは、全体主義体制への移行が、自由主義国を舞台に起きてしまってからでは遅いのですから。

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