万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の自由の行方―他律型か自律型か

2009年04月19日 13時07分59秒 | アジア
「中国人は管理される必要ある」=J・チェンさんの発言が物議(時事通信) - goo ニュース 

 J.チェン氏の論法は、行き過ぎた自由⇒混乱⇒管理体制となるようです。しかしながら、是正すべきは”行き過ぎた”という修飾語が付いた自由であり、管理強化が唯一の解決の道とも思えません。奴隷になりたい人はいないはずですから。

 自由とは、それを無条件かつ無制限に許しますと、他者の自由や権利を侵害してしまうという欠点があります。この行き過ぎた自由がもたらす混乱=他者の侵害を解決する方法は、管理の強化のみではありません。それぞれが自由を享受できる方法として、相互の間で承認されるべき自由の範囲や限界を設けるという方法もあるのです。後者の論法ですと、行き過ぎた自由⇒ルール⇒健全な秩序となり、基本的な自由を損なうことはありません。管理強化が他律型としますと、後者は、相互にルールを守るという自己規律が求められますので自律型と言えます。

 このことは、反面、自律型の”法の支配”への移行には、中国の人々の自律性が問われるということにもなりましょう。いつか、中国の人々が、真の自由を享受できる日が来ることに期待したいと思うのです。

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