万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

リビアの誤爆問題―敵味方を見分ける標識を

2011年04月09日 15時59分26秒 | 中近東
誤爆続くリビア空爆、NATOに限界 安保理議決の制約(朝日新聞) - goo ニュース
 内戦状態にあるリビアでは、NATO軍が、反政府勢力の部隊を誤爆するという事件が相次いでおり、反政府側の怒りと不審を買っているそうです。この問題、NATO軍が識別できるように、反政府側に属することを示す、何らかの標識を付ければ、解決する可能性があります。

 一般の戦争では、双方とも、兵士は自国の軍服の着用しており、また、戦車なども機種が違いますので、外観から敵味方を判別することは難しくはありません。一方、内戦の場合、特にリビアの現状では、反政府側の主力部隊は、カダフィ軍側から離脱した人々で構成されていることに加えて、敵側から奪った兵器を使用しているため、容易に両者を見分けることができないのです。このため誤爆が後を絶たず、今後とも、犠牲者が多数にのぼる怖れもあります。

 報じられるところによりますと、トルコ政府が、将来的な民主化に向けて、停戦案の提示を準備しているとのことです。独裁体制を維持したいカダフィ勢力側が、この提案を受け入れるかどうかは未知数ですが、まずは、誤爆を回避するために、敵味方を確実に識別する措置を講じるべきなのではないかと思うのです。なお、古典的ながら、標識とは、敵には分からないものがよいのかもしれません。

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