万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

安倍首相平昌五輪開会式出席は誰の意向?

2018-01-24 15:59:09 | 日本政治
「間違ったメッセージ」「支持率下がる」安倍晋三首相の平昌五輪出席に自民党内から反対論続出 官邸に見送り申し入れも
 先日発表された各社の世論調査によると、韓国の文大統領が示した日韓慰安婦合意に関する新たな方針に対して、何れも80%を越える圧倒的多数の人々が否定的な回答を寄せています。その一方で、首相の平昌五輪開会式への出席については、賛成が反対を上回るという不可解な調査結果も見られます。後者の結果についてはいささか信憑性を疑うのですが、出席に難色を示してきた安倍首相も、“事情が許せば”という条件付きながら、開会式に出席する意向を表明したと報じられております。

 日本国の首相の開会式出席は、慰安婦問題関する最交渉の糸口を探っている韓国にとりましては、“渡りに船”となる可能性が高く、実際に、両国による首脳会談も調整中なそうです。首相自身は、文大統領との会談の席では慰安婦合意の確実な履行を求めるとしていますが、韓国側が首相の出席表明に歓迎の意を示しているところを見ますと、文大統領としては、日本国側の譲歩を期待しているのでしょう。あるいは、少なくとも国内向けには、日本国の首相の出席を、文政権による外交的勝利として宣伝したいところなのかもしれません。

 それでは、安倍首相は、何故、欠席から出席へと翻意したのでしょうか。その背景としては、自民公明両党の幹事長の動きに注目する必要がありそうです。両幹事長は、昨年末に中国を訪問しており、習近平国家主席とも会見しております。同主席は、対米戦略や北朝鮮情勢、並びに、一帯一路構想の推進を睨んで、は日本国との関係改善に取り組む方が得策であると判断したとされ、中・北・韓連合を前提とした日米離反、並びに、対北融和政策への誘導の画策は当然に予測され得ます。この文脈から推測しますと、日中関係における両幹事長の役割とは中国側の意向を日本国側に伝えるメッセンジャーであり、中国は、安倍首相に対して幹事長ルートを介して働き掛けたのかもしれません。

 その手始めが平昌五輪開会式への出席であり、韓国に対しては、THAAD配備等をめぐる制裁の意味を込めて自国の首脳出席は見送るものの、日本国に対しては首脳の出席を求めることで、慰安婦問題で日本国から譲歩を得たい韓国に対して便宜を図ると共に、日本国をも中・北・韓連合への参加の方向へと巧みに誘ったのかもしれません。平昌五輪開会式への安倍首相出席は、アメリカが反中政策に明確に転換したことで対米関係が冷却し、かつ、国際社会において警戒感が高まっている中国にとりましては一石二鳥なのです。因みに、首相の方針転換に先立って、二階・井上両幹事長は、平昌五輪開会式への首相出席を要望したと報じられています。

 この件については、既に自民党内でも、韓国に誤ったメッセージを送る、あるいは、国民の支持を失うとして異論が噴出しているそうです。韓国との話し合いが無駄であることは、既に慰安婦合意で証明されていながら、日韓首脳会談の意義を説いても、国民からしますと、過去の失敗の繰り返しにしか見えません。しかも、上述したようにその背後に中国等の勢力が蠢いているとしますと、ここは、否が応でも平昌五輪開会式への首相の出席は、慎重にならざるを得ないのではないかと思うのです。

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2 コメント

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学習能力がない政府 (あずみ渚)
2018-01-25 12:33:51
こんにちは 安倍総理、平壌オリンピックと揶揄され、どう見ても北の工作員の文酋長と何を話すのでしょうか?
しかも首脳会談の見通しも立ってないとか。
金とか女とか弱味とかで籠絡されたのかと疑問に持ちます。
二階と公明党は万死に値しますが、ば韓国に大幅に譲歩し日本は与み易しという印象を世界に発信したのではないでしょうか 

ば韓国の青年層ほど反日意識が高いようです 
安重根のようなテロリストが英雄になる国ですので、
安倍総理、のこのとこ平昌にいって襲撃される
可能性もあるかもしれません
あずみ渚さま (kuranishi masako)
2018-01-25 13:25:26
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 本日の日経新聞朝刊では、安倍首相の訪韓は、ペンス米副大統領の意向に沿ったもの、と説明されておりました。しかしながら、自民・公明両党の幹事長が、開会式出席を強く勧めていましたので、中国の意向の存在も無視でいないように思えます(米中の思惑が一致?)。トランプ大統領でさえ、酷い扱いを受けたわけですから、況してや日本国の首相ともなりますと、あずみさまがご指摘のように、何が起きてもおかしくはないように思えます…。

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