万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ワクチン論争を非接種者の立場から考える

2021年06月15日 14時23分39秒 | 日本政治

 コロナワクチンについては、64歳以下の人々を対象とした集団接種のみならず、職場や学校での接種へと対象が広がりを見せるにつれ、ワクチン接種派とワクチン非接種派との間の摩擦も激しさを増しているようです。小中学校での集団接種を計画している地方自治体に対して組織的な抗議の電話が殺到するなど社会問題化の様相を呈してきました。こうした現象に対しては、ワクチン非接種派の人々に対して非科学的で宗教的な人々として批判したり、双方が自らを正しいと信じ込み、正義であると確信しているため、いわば’信仰上の対立’として捉える見方も散見されます。

 

 地方自治体の窓口に対する抗議の電話等については、威嚇業務妨害に当たるとする説もあります。また、ワクチンの接種は個人の自由であるから、外部者がクレームを付けるべきではないとして批判する声も少なくありません。しかしながら、殊、このワクチン問題にあっては公私の区別をつけることは、決して簡単なことではありません。何故ならば、政府が目指しているのは集団免疫の実現ですので、そこにはできるだけ多くの国民に接種させるとする政府の明確な政策方針があるからです。このために、ワクチン接種は無料となり、国民全員が接種費用を負担しています。つまり、接種した人々は、非接種者にもその費用を負担してもらっていることにもなるのです。地方自治体が実施主体ともなれば、さらに公的な意味合いが強まりましょう。かくしてワクチン接種は、純粋に個人の問題とは言い切れなくなるのです(抗議の電話の大半は同自治体の域外からとされていますが、ワクチンの無料接種の予算は国庫負担では…)。また、仮に、クレームの電話が警察への通報を要するほどの犯罪行為に当たるとしますと、国民は、反対意見を述べる機会を失うことにもなりかねません(威嚇業務妨害という批判こそ、国民からの反対意見を封じるための’威嚇’なのでは…)。

 

 また、ワクチン接種派には、公私をめぐるダブルスタンダードが見受けられます。上述した苦情電話をはじめ警戒論に対しては、’強制ではなく個人の自由なのだから文句を言うな’という態度なのですが、同調圧力に晒されているワクチン非接種派の人々の自由に対しては無理解のようです。何故ならば、ワクチン非接種派の人々の自由な意思表明としての反対意見に対しては、他人でありながら’文句を言うな’とヒステリックなまでに干渉しているのですから。つまり、ワクチン接種派の人々は、政府の’威光’を背に自らを強者の立場に置きつつ、上述した政府の方針には反しているワクチン非接種派の人々を’社会悪’に仕立てようとしているように見えるのです。

 

 加えて、接種派の人々は常にお決まりの言葉、つまり、’陰謀論’を持ち出して、非接種派の人々を非科学的な人々と決めつけています。しかしながら、非接種派の人々が必ずしも科学を信じないカルト的な人々でははいはずです(仮にそうであれば、国民の半数以上がカルトの信者に…)。各国政府に対して賠償責任の肩代わりを要求したのは、ファイザー社自身が将来的な健康被害の可能性を認めているからに他なりません。実際に、アメリカのCDCも最近に至り、同社製のワクチンと接種後の青年層に見られた心筋炎の発生を公式に認めています。また、脂質ナノ粒子を用いた遺伝子ワクチンですので、接種者全員の脳を含む全身の細胞においてmRANから転写された大量のスパイク蛋白質が生成されてしまうのも否定のしようのない事実です(免疫反応により抗体を生成するとはいえ、血栓等の原因にも…)。ADE抗体も既に発見されており、変異株などの出現により、今後は、むしろワクチン非接種者よりもワクチン接種者のリスクが高まる可能性もありましょう。抗体も短期間にあって消滅しますので、政府が予測していたよりも接種率が低迷している理由は、’デマ’の流布ではなく、副反応や健康被害の実態に関する情報、並びに、科学的な情報が多くの人々に伝わるところとなったからかもしれないのです。

 

 歴史が示しますように、政府の判断が常に絶対に正しいわけではありませんので、リスク管理の上からも(少なくとも’全滅’にはならない…)、ワクチンの非接種の選択は尊重されて然るべきように思えます。そして、接種の判断は建前としては国民の自由意思に任せ、健康被害が生じても自己責任とする一方で、陰ではマイナス情報を隠蔽しつつ職域接種などを進めて同調圧力の醸成に努めるといった、狡猾とも言える政府による’公私’の使い分けもまた、コロナ・ワクチンに対する国民の不信感を高めていると思うのです。

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