万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日本国政府の狡猾な移民政策-外国人労働者新在留資格の創設

2018-04-13 10:21:29 | 日本政治
最近の日本国政府の外国人労働者や移民に関連する政策は、民主主義の原則からの逸脱が甚だしく、権力濫用の域に達しております。移民拡大の方向性は国際的な潮流からは真逆なのですが、一般の日本国民の声には耳を塞いだまま、強行突破を試みているかのようなのです。しかも、その手法は相当に狡猾なのです。

 日本国内の農業、介護、建設分野等における労働力不足が理由として挙げられつつも、移民推進を基本方針としている国や国際組織からの外圧、あるいは、内政干渉が働いた結果なのでしょう。人口侵略を国家戦略とする中国は、余剰人口や無国籍児問題の解決策としても自国民の送り出しには積極的でしょうし、若年失業率の高い韓国等のアジア諸国も日本国の‘開放’は失業対策ともなります。さらに、ダボス会議に象徴される国際経済・金融勢力及び共産主義勢力などにとりましては、国家が消滅し、かつ、人種・民族等が全てが融合する世界こそ理想郷ですので、移民促進こそ譲れない大原則なのでしょう。しかしながら、一般の日本国民にとりましては、自国民の雇用機会の減少や賃下げ圧力のみならず、社会分裂を伴う自国の根本的な変質と文化的破壊といった凡そ不可逆的なリスクが待ち受けているのですから、政府から“移民政策に賛成せよ”と言われても、それは無理なお話です。

 しかも、日本国政府がその導入を計画している今般の新たな外国人就労資格は、’人手不足による外国人労働者の受け入れ’は表看板であり、その実体が移民政策に他ならないことを巧妙に隠しています。何故ならば、新資格では、現行の技能実習制度における5年在留期限をさらに5年延長したとする点が強調されていますが、試験合格の条件付きではあれ、在留期限が無期限となり、かつ、家族帯同が許される技能資格などが取得できるようになるからです。つまり、分離されていた技能実習制度と永住権や国籍取得のステップとなる高度専門職等が制度的に連結されたのであり、この新資格が、全面的な移民受け入れの導火線に他ならないことは言うまでもありません。

現行法では、外国人の永住権取得の要件の一つは、“引き続き10年以上の在留”ですが、新資格では、試験に合格すれば、この要件を自動的に満たすことができます。また、日本国の国籍法に至っては、より厳格な審査があるとはいえ、この居住要件は僅か5年です(新資格取得時点で帰化可能…)。また、移民問題の深刻化を受けて、欧米諸国では、家族帯同制度に対する批判が高まりましたが、その動きに逆行するかのような家族帯同の許可も無視できない問題です。中国残留孤児の帰国に伴って、一人の残留孤児に対して数十人にも上る大勢の中国人が、その‘家族’として、日本国を目指して押し寄せたという過去の実例もあり、家族の帯同許可は、相当数の中国・朝鮮系移民の日本移住を意味します。アジア諸国は大家族制が主流ですので、中国以外の諸国でも大量流入もあり得ましょう。こうした‘家族’の教育、医療、福祉、社会保障、並びに、治安維持等に対しては、日本国側の予算措置や制度改革を要しますし、家族の職業を限定するわけにもゆきません。受益と負担のバランスからすれば、外国人労働者を雇用した企業や事業者が、外国人従業員のみならず、家族のお世話も全面的にすべきなのですが、マスコミをはじめ政府も、何故か、日本国民の負担を当然視しているのです。

 民主的な手続きを経て移民政策の是非が日本国民に問われるとすれば、先日のハンガリーでの国政選挙結果でも示されたように、当然に、NOという結果となりましょう。しかしながら、マスメディアとも結託した移民推進勢力は、一般国民の常識的な声を非理性的な“ポピュリズム”として愚弄し、民主主義まで体よく葬り去ろうとしているのです。移民政策は、国民の民族構成や社会そのものを激変させますので、一般の日本国民にとりましては憲法改正にも優る重大な問題です。それにも拘らず、政府は、迂回ルートや目くらましで国民を欺こうとするのですから、不誠実、かつ、狡猾と言わざるを得ないのです。同政策を進めるに当たっては、本来、国民投票にかけるぐらいの慎重さが必要なのではないでしょうか。

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8 コメント

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日本人になる外人なら (北極熊)
2018-04-13 10:47:26
一般に移民といえば、想像するのは特に仕事上の技量とか能力に長ける人ではないという人々だから、そうした人々なら犯罪を犯す可能性が高くなるだろうと思い、移民反対という事になる訳です。 一方で、例えばプロスポーツ選手とか、医者とかグローバル企業で働く人とかなら、概ね問題ないと考えるのではないでしょうか。そこまで高度人材でなくても、もともと、長く在留していた人なら良いというのは、そうできる収入や生活基盤が出来ているという判断だったのでしょうが、それが、他の資格や試験による基準によってチェックするというのは、ある意味合理的だと思います。 
北極熊さま (kuranishi masako)
2018-04-13 17:31:06
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 確かに必要とされる高度人材であるならば、ある程度、移民に関する問題は緩和されるのでしょうが、少なくとも、政府、あるいは、各政党は、率直にその是非を国民に問うべきではないかと思うのです。管轄官庁も、パブリック・オピニオンを設けても、’初めに結論ありき’でいたく傲慢ですし、国民の声には耳を傾けようとはいたしません。既成事実化戦法は、国民を失望させるばかりではないかと思うのです。
Unknown (翡翠)
2018-04-13 18:05:21
初めまして
全てに同感です。
いつのまにか、国民が気づかぬうちに
外国人が増えていき、雇用も奪われてしまっているかもしれません。
治安悪化も考えられますし、外国人に合わせて
賃金も下げらるなど負の面の可能性が高まります。
日本の文化も変貌し、皇室存続も危ぶまれます。

今やっているモリカケは移民問題から目をそらすためではないかと疑っています。しかし、これを
機に、安倍内閣が潰れればそれはそれで
いいのですが・・・。
とにかく一番困るのが
「嘘ばかり」という点です。
口で言ってることとやっていることが
まるで違うのです。何も信用できません。

本当に国民投票にかけてほしい、
国家を揺るがす事態です。
翡翠さま (kuranishi masako)
2018-04-13 19:14:22
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 安倍政権は保守系ですので、多くの国民は、移民政策を採らないと信じてきたのではないかと思います。しかしながら、現実は、竹中氏といった新自由主義者の指南のもとで、極めて巧妙に法や制度改革を行っているように見えます。これでは、これまで安倍政権を支持してきた保守系の支持層が離れてしまうかもしれません。もっとも、後継政権もまた、安倍政権以上に保守系の国民や支持者に対して”背信的”となる可能性もあり、日本国は、極めて危うい状況にあるのではないかと危惧しております。
移民政策は「国民国家」の根幹を揺るがす大問題 (本田伸樹)
2018-04-14 00:09:47
倉西先生。
ご無沙汰をお許しください。公私ともに多忙だったもので・・・理由になっていませんが・・・
いつもご指導ありがとうございます。
さて、私も先生の仰るように、現状の移民政策は「民主主義の原則から逸脱甚だしく」と考えるとともに、国民国家"Nation State"の根幹を揺るがす大問題と考えております。
この1648年以来の国際的な合意は、今日までの、国際社会、及び近代国家の根本的骨格を成すもので、これまで中東移民の受け入れに積極的だった西欧社会こそが真剣にこの原則を噛み締めなおさなければならないはずなのに、諸国は思考停止のまま、移民・難民政策に走り、混乱と、それ以上の「国家」の崩壊の危機に直面しております。
それは、大陸的先験的理想主義ヒューマニズムの招いた結果とも言えます。
その反動として、トランプ大統領が施した極端な国家主義を招来したわけで、日本はその双方を他山の石として、慎重かつ真剣にこの問題に取り組まなければならないと思います。
問題の将来は予想できるだけでも深刻で、今の景気局面が反転し、労働市場が緩和され、人手不足から再び人余りに状況が一転した場合、例えば、移民の社会保障費などの手当てをどうするかなどの課題を政府は考えているのでしょうか?
少子高齢化による「一時的な」労働力不足は、先進国の構造的社会問題から発する者でありますから、日本としては、まず、じっくりと自国民によってこの問題を解消する必要があるのではないでしょうか?
なお、「移民の押し付け」などの海外勢力による企みと圧力は、まさに「国民国家」の決定を外国勢力に委ねることになり問題外であると考えます。
多くの側面でグローバル化が進んでいる今だからこそ「国民」、「国家」の枠組みを確固としておかなければならないと思います。
今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
本田伸樹さま (kuranishi masako)
2018-04-14 07:22:34
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。

 ロンドン市の人口の半数以上が既に移民系で占められており、ロンドン市長もパキスタン系のイスラム教徒のサディク・カーン氏です。東京都の人口構成も移民系の割合が年々増加傾向にあり、やがて、ロンドン市と同様の状態に至るのではないでしょうか。小池百合子都庁も、確か、移民推進派であったと記憶しております。そして、この傾向は、全国に及ぶのも時間の問題となりましょう。手遅れとならない前に、日本国民は、政治家に対して、国民を騙すような姑息な手段による移民政策を止めるよう、要望すべきではないかと考えております。
移民受け容れの心理 (本田伸樹)
2018-04-14 11:35:55
倉西先生
ご指導ありがとうございます。
私は、今、西欧で移民受け容れに賛成の「善人」の仮面をかぶった人たちの精神の深層は、「国家社会主義」とアナーキズムの奇妙な合体と考えております、
本田伸樹さま (kuranishi masako)
2018-04-14 12:38:09
 ご返事をいただきまして、ありがとうございました。

 おろらく、移民受け入れ派は、移民拡大によって利益を得る様々な勢力の合体なのでしょうが、もう一つ、合体していると推測される勢力があるとしますと、それは、パソナといった人材派遣業者ではないかと思います。

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