万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

独裁者カダフィ氏の最期―”処刑”か”戦死”か

2011年10月23日 16時26分37秒 | 中近東
「処刑」の証拠隠しか=カダフィ大佐遺体、傷口見せず―リビア(時事通信) - goo ニュース
 独裁者カダフィの死により、リビアでは、一日延期はされたものの、今日にもリビア全土の解放宣言が発せられる予定なそうです。配信される映像からは、リビア国民が、長期にわたる独裁体制からの解放感に沸く様子が伝わります。

 自由で民主的な国家の誕生は、国際社会にとりましても、大いに歓迎するところなのですが、マスコミの一部には、独裁者であったカダフィ氏が狙撃されて落命したことに対して、国民評議会側を批判する論調も見られます。批難のポイントは、刑事被告人を裁判なしで処刑した、つまり、犯罪者の人権を無視した、ということなのですが(国際刑事裁判所から訴追されている…)、この見方は、カダフィ氏を司法上の被疑者とする立場に立脚しています。しかしながら、この狙撃が、内戦という戦争状態で行われたことを考えますと、カダフィ氏は、戦死したことになります。カダフィ氏の肩書が”大佐”であれば、なおさらのことですし、国民評議会側の停戦の申し入れを拒否して、自ら闘うことを選択したのですから、銃撃を受けての死は、自ら選んだ道でもあります。有力な情報によりますと、投降するのではなく、”撃つな”と国民評議会の兵士に命令したそうですので、最期の最期まで、リビアの”最高指導者”を自認していたのでしょう。

 現在、国際社会では、政治と司法が混在しており、国際刑事裁判所の機能も不完全です。にもかかわらず、司法的な観点のみに基づいて、”処刑の証拠を隠した”として国民評議会を批難することには、著しい偏りがあると思うのです。

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4 コメント

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Unknownさま (kuranishi masako)
2012-07-18 07:59:39
 リビアでは、民主化の過程で内乱に至りましたが、チベットは、どうでしょうか。一党独裁を維持する中国政府は、民主化どころか、独立を求める声をも圧殺し、民間人をも虐殺しております。野蛮という言葉は、後者にこそ相応しいのではないでしょうか。
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Unknown ( )
2012-07-17 22:54:59
民主化(笑)野蛮なナトー
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Unknownさん (kuranishi masako)
2011-10-23 20:11:18
2011-10-23 20:09:08
 削除されたとするコメントは以下の通りです(保留にして保存しております)。この文章のどこのどの部分のアイディアを盗んだというのですか。他人に平気で濡れ衣を着せるような方のコメントは、今後ともお断りです。

 「東京裁判、ニュルンベルグ裁判の頃は、偏向していても敗者の言い分を聞いたものだ。最近は、即、ぶっ殺す。まるでテロリストみたいだ。
 さ、これから強欲どもが青い金を狙って争う。これじゃ、円高は進む。円高が進む理由がわからなければ、無修正の大津波映像を見ればよい。テレビで放映される映像は、屋根の上などにいる人を消したものだ。」
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Unknown (Unknown)
2011-10-23 19:12:28
 ワタシのアイディアは盗んで、コメントは削除か?
 戦死ということにしたいのだろう?実際は、もはや抵抗する能力のない兵士を殺害した。戦時捕虜虐殺の罪だ。
 こんな連中が革命をしたのだから、もうすぐ泥沼の内戦になる。長井とかいうタレントの台詞なら”まちがいない”
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