万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

面子のために相手国を騙す中国の伝統的行動パターン-二度あることは三度ある

2014年11月21日 15時33分45秒 | アジア
日中4項目合意「尖閣で日本の立場変更なし」 政府が答弁書決定(産経新聞) - goo ニュース
 数日前の日経新聞に、日中首脳会談の裏舞台に関する記事が掲載されていました。その記事によりますと、首脳会談の開催を説に望んでいたのは、日本側ではなく、ホスト国としての面子を保ちたい中国の習主席であったそうです。

 ところが、APECが開催日の直前になると、日中両国において四項目の合意文書が公表され、中国国内では、日本国が中国側に大幅に譲歩し、あたかも尖閣諸島に関しても領土問題であることを認めたかのような報道がなされました。”日本側譲歩”の流れが意図的に造られる中、日中首脳会談で両首脳は対面するのですが、案の定、習主席は、”会いたくはなかったが、日本側の求めに応じて仕方なく会ってあげたのだ”と言わんばかりに、露骨なまでに不快感を示しました。自らが要請しながら、相手国からの要望に応えたかのように振る舞う中国の行動様式は、これが初めてではありません。当記事によりますと、70年代の米中間の国交正常化に際しても、毛主席は、アメリカが言い出したかのように演出したそうです。そして、もう一つ、歴史に先例を求めるならば、第一次世界大戦後の「対華二十一か条の要求」の例があります。この時も、袁世凱政権からの要望を受けた要求であったにも拘らず、日本国が、中国に対して屈辱的な要求を迫ったとして中国国内の対日感情が著しく悪化しました。中国は、自らの面子を保つために、相手国を騙すという行動をしばしばとるのです。二度あることが三度ある理由は、中国固有の伝統と習慣に求めることができるかもしれません。

 APEC総会に際しては米中首脳間の対話もあり、習主席は、オバマ大統領に対して、”近代以降の中国も見てほしい”と述べたと報じられております。しかしながら、有効な対策を講じるためにも、五千年?に及ぶ権謀術数の歴史が染み付いた近代以前の中国こそ、よく理解すべきなのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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