万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

日中の世界観は正反対-危ない認識のずれ

2013年03月17日 15時48分52秒 | アジア
日本が直接紛争の当事国になるかも…防衛相(読売新聞) - goo ニュース
 日本国憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信じて…」というくだりがあります。ところが、日本国の平和主義に基づく世界観と全く逆の国もあります。

 共産主義を奉じる中国の対外的な姿勢は、基本的には闘争モードです。毛沢東は、「…われわれは革命戦争万能論者である。これはわるいことではない。いいことである。マルクス主義なのである…(『毛沢東語録』より)」と語っており、戦争こそが、政治的目的達成の手段であると宣言しています。加えて、敵と認定した国、すなわちアメリカを筆頭とする帝国主義諸国を戦争で殲滅すべし、と堂々と述べているのです。日本国側の中国に対する認識が、互恵関係を築くべき平和主義国家であるとすると、中国側の日本国に対する認識は、徹底的に打倒すべき敵国です。しかも、両国共に、”理念主義”においては共通しており、自らの信念に”頑固”な人々を抱えています。日本国内では、九条改正の議論が起きる度に強固に反対する平和主義者達が現れ、中国でも、表向きは日中友好を唱える傍らで、対日戦争を着々と準備しているのですから(一党独裁を堅持するために、その根拠となる共産主義を捨てることができない…)。

 先日成立した習政権には、マルクス主義への回帰が見られるとの指摘もあり、このことは、中国が、自国の政治的な目的を達成するために、戦争に訴える可能性が高まったことを示しています。日本国は、憲法前文の認識が現実と乖離していることを認め、軌道修正を急ぎませんと、戦争を肯定する中国の攻撃性を見落とすことになると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする