万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

アップルへの報復?―サムソン側のイメージ操作か

2011年10月18日 15時26分41秒 | 国際経済
サムスン、日本でも提訴 iPhone4S 販売禁止を申請(産経新聞) - goo ニュース
 急速なスマートフォンの普及を背景に、アメリカのアップルと韓国のサムソンが、特許侵害を理由に、相互に販売禁止を求める訴訟を起こす展開を見せています。スマートフォンについては、詳しくはないのですが、ネット上の情報によりますと、アップル社の製造を委託されたサムソンが、マルチタッチ操作といったデザインを含めてアップル社製品の”ばくり”を公然と製造・販売したことが、事の発端のようです。

 日本企業もまた、長年、韓国の”ぱくり”には、苦しめられてきたのですが、こうしたサムソン側の侵害行為を軽く見て、”報復”と表現することには違和感を感じます。これまでのところ、アップル側が起こした訴訟はサムソン側が敗訴しており、サムソン側に侵害行為があったことは、誰もが認めるところです。にもかかわらず、サムソン側の敗訴については、日本国内では、それほど大きくは報じられていません。その一方で、サムソン側の”報復”についての記事は、比較的素早い反応で報じられています。しかも、先に侵害行為があったにも拘わらず、その侵害者側が”報復”という言葉を使いますと、侵害行為の印象が薄らぎ、あたかも、不当な攻撃を受けたとするイメージが強くなります。自らも被害者であれば、加害行為は帳消しにできると言わんばかりなのです・・・。

 日本国の報道は、とかくに韓国側に寛大ですが、こうした行為を安易に許しますと、技術流出に繋がるのですから、日本企業にとっても重大な関心事であるはずです。サムソン側は、アップル社に報復すると息巻いているようですが、マスコミは、サムソン側の”ぱくり”の事実を公平に報じるべきではないかと思うのです。

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