万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

炭素税よりも”地球温暖化対策関税”がよいのでは?

2009年11月22日 15時50分53秒 | 国際政治
ノーベル賞経済学者らが警鐘!排出権取引は百害あって一利なし?(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
 来月の7日からデンマークで開催される予定の第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議を目前にして、排出権取引よりも炭素税の導入を支持する意見が、ノーベル賞経済学者などから出てきているそうです。確かに、排出権取引の制度には、問題点が数多く指摘されているのですが、さりとて炭素税の導入にも、各国の見解の不一致や国民の反対など、高いハードルがあると言います。

 そこで、もう一つの選択肢として考えられるのが、枠組みへの不参加国や応分の負担を回避している非協力的な国からの輸入品に対して、高率の関税をかけるという方法です。炭素税は、国民から徴収しますので、世論の強い反対が予測されいますが、輸入関税であるならば、国民の直接的な負担にはなりません。また、自国の規制を逃れるために、製造拠点を不参加国に移すという企業の行為に対しても、輸出先での販売価格が上がりますので、一定の抑制効果が期待できます。炭素税の場合には、税収を管理・運営する国際機構を設立しなければなりませんが、関税形式であれば、個別の国家で実施することができますので、導入も容易です。

 本気で二酸化炭素の排出量を減らしたいならば、削減に非協力的な国にペナルティーを科したほうが、はるかに効果的であるかものかもしれません。民主党政権では、地球温暖化対策税を検討しているそうですが、地球温暖化対策関税も検討課題なのではないかと思うのです。

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コメント (2)
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