万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

愕然とする長野聖火リレーとの落差

2008年06月04日 16時09分30秒 | アジア
国旗燃やせば刑事責任追及=五輪競技場で政治活動禁止-中国(時事通信) - goo ニュース

 長野で行われた北京オリンピックの聖火リレーに際し、日本国の警察が自国民を守らなかったことに厳しい批判が声が上がったことは、記憶に新しいところです。中国政府の指令を受けて全国から動員された在日中国人の集団が、政治的なスローガンを掲げて粗暴に振る舞まい、日本国のチベット支持派に対して危害を加えようとも、警察は、見て見ぬふりをしたのです。長野聖火リレーは、日本国の言論の自由を揺るがす大事件であったのです。

 ところで、中国の北京オリンピックの組織委員会がまとめたという「法律ガイド」は、日本国政府の態度の真逆の意味において、反対方向に悪さを倍増させています。何故ならば、外国人に対して、競技場の施設内で「宗教的・政治的なスローガン」を掲げることを禁止し、中国国旗を毀損する場合にも、刑事罰を科すと記しているからです。つまり、中国国内にあっては、自らが他国において行ったような行為は、断じて許さないと宣言しているのです。もし、中国において、日本人が、日本において中国人が行ったことと同様の行為を行えば、即刻逮捕、ということになりかねません。

 中国には、言論や表現の自由が保障されていないことも憂うべき問題ですが、加えて、中国政府が、他の諸国に対して示す傲慢な態度と内政干渉もまた大きな問題です。この明白な”不平等”な関係の押し付けこそ、真の”許されない行為”なのではないか、と思うのです。

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