とんとん牧場

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これからの TPP ⑪

2012-02-26 11:03:01 | 日記
 壊される 食の安全 ⑤

 ④ 残留農薬

 残留農薬の基準は、総じてアメリカは緩くなっている。
たとえばイチゴの場合は、殺虫剤マラチオンの残留基準は、日本では
国産が0.5ppmなのに対し、米国の許容量は8ppmと16倍。

 アメリカは次のように日本の基準緩和を求めている。
「不当に低い閾値(しきいち)で農薬の最大残留基準を設定する・・・。
これは、米国の園芸作物の輸出にとって重大な貿易障壁となっていると。

 店先に並ぶ輸入オレンジやグレープフルーツには「イマザリル使用」
などと表示されている。これは防かび剤で、日本にはないポストハー
ベスト(収穫後散布)農薬である。

 農民連食品分析センター所長を務めた石黒昌孝氏は、
「アメリカは、輸出用穀物に有機リン系農薬、輸出果実に防かび剤を
シャワーのように散布する。

 「それに合わせて日本の基準を緩めろ、表示をやめろと要求するが、
とんでもないことだ。」と批判している。



これからのTPP ⑩

2012-02-25 13:14:28 | 日記
 壊される 食の安全 ④ 

③ 検疫体制 いまでも90%が無検査
 
 TPP参加で関税が撤廃されれば、どっと増えるのが輸入食品。
輸入食品の検疫体制はどうなるのか? 現在、全国で衛生監視員
は400人ほどとか。

 しかも国の行政検査は、積み荷を止めないモニタリング(監視)
検査で、検査率は3.1%(09年)。 積み荷を止めて行う命令検査は
民間業者に委託され、検査率は10%。 全体でも12.7%ほど。

 いまでも、約9割が無検査状態というから驚く。

「放射能汚染からTPPまで、食の安全はこう守る」の著者、小倉 
正行氏は「輸入量は現在の1.5倍になる」と試算し、「検査体制が
変わらなければ、行政検査はたったの2%に。全体でも8.3%にしかならない。」

「これではとても国民の食の安全を守れない」と指摘する。
 

これからのTPP ⑨

2012-02-19 17:11:36 | 日記
  壊される 食の安全 ③   

② 遺伝子組み換え作物・食品 
 
 アメリカは世界最大の遺伝子組み換え(GM)作物の栽培国で、米国内
では表示義務がない。

 日本では豆腐や納豆などの加工食品には表示義務がある。アメリカは
この撤廃を次のように要求している。

「遺伝子組み換えのトウモロコシ及び大豆についても、米国の輸出は数多く
の貿易障壁に直面している」
「義務的表示要件は、これらの食品が安全でないと不当に含意することに
より貿易障壁として作用している」

 これに対し、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」代表の  
天笠啓祐氏は次のように指摘する。

 「ヨーロッパでは遺伝子組み換え作物を原料に使った全食品に表示 
している。」 日本は米国に遠慮して、油や醤油では表示を見送った。
これ以上、米国の要求を受け入れれば、食の安全は守れない」と。

(注)とんとん牧場では、遺伝子組み換え(GM)トウモロコシは使用していない。

これからのTPP ⑧

2012-02-18 18:24:32 | 日記
 壊される 食の安全 ②   
 
 前回、壊される食の安全について書いた。今回はその②として米国
が狙う危険なメニューのうち、いくつかの具体例を指摘したい。

①食品添加物

 日本では1972年に国会決議で食品添加物の「使用は極力制限する」
としてきた。ところが2002年から「国際的に流通している」という
理由でメーカーなどから申請がなくても、政府は新しい食品添加物の
認可を次々と進めてきた。

 それでも米国は、そのスピードが遅いと報告書で次のように指摘して 
いる。「日本の食品添加物の規制は、いくつもの米国食品、特に加工食品
の輸入を制限している」「審査のプロセスを迅速にするよう、日本に強く
要請している」

 しかし、鈴鹿医療科学大学の中村教授は次のように警告する。

 「食品添加物は化学物質であり、多くの種類を用いれば複合毒性の
危険性がある。06年には清涼飲料水中の添加物同士が反応して発がん
物質が生じ、世界中で問題になった」
  
 こうした食品添加物はむやみに使用拡大すべきでないと強調。  

 

これからのTPP ⑦

2012-02-12 19:36:36 | 日記
壊される 食の安全  

 TPPを主導するアメリカは輸出拡大のため、世界各国が設けている
規制やルールを「貿易障害」として変更を強く要求している。

 その中心にいるのが米通商代表部(USTR)で、毎年、議会と大統領 
に以下のような三つの文書を提出しているといわれる。
 ① 外国貿易障壁報告書
 ② 衛星・植物検疫措置に関する報告書
 ③ 貿易の技術的障害に関する報告書

 2011年版はTPP交渉にふれ、「米国は、TPP交渉を力に食品の安全
をめぐり、日本の規制緩和を求め、米国の基準を押し付けようとしている。

 米国が狙う危険なメニューは、
  ① 食品添加物の規制緩和
  ② 残留農薬の規制緩和
  ③ 遺伝子組み換え等の表示義務規制の緩和
 等など、日本の基準を撤廃してアメリカの基準に変更するよう求めて
 いる。
 
 こうした米国の要求を受け入れると、日本は食の安全を守るルールを
さらに失うことが迫られる。