おはようございます。税理士の倉垣です。
新信託において信託を設定する方法として、契約・遺言・公正証書等の3つが規定されていますが、そのうち遺言による方法について、信託の引受けの催告等につき明文の規定が設けられましたのでご紹介します。
1.遺言信託における信託の引受けの催告
イ、遺言信託がされた場合において、その遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができます。ただし、その定めに停止条件付又は始期がふされているときは、その停止条件が成就し、又はその始期が到来した後に限る。
ロ、上記イの催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、その期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなされます。
ハ、委託者の相続人が現に存しない場合における上記ロについては、「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(2人以上の受益者が現に存する場合にあってはその1人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。
2.遺言信託における裁判所による受託者の選
イ、遺言信託がされた場合において、その遺言に受託者の指定に関する定めがないとき、又は受託者となるべき者として指定された者が信託の引受けをせず、若しくはこれをすることができないときは、裁判所は、利害関係人の申立てにより、受託者を選任することができます。
ロ、上記イの申立てについての裁判には、理由を付さなければなりません。
ハ、上記イによる受託者の選任の裁判に対しては、受益者又は既に存する受託者は、即時抗告をすることができます。
ニ、上記ハの即時抗告は、執行停止の効力を有します。
このように、遺言信託に関しては、利害関係人により、受託者となるべき者に対し催告ができることとされ、もしこの期間内に受託者となるべき者により確答がなければ信託を引き受けなかったものとみなすこととしています。そして、裁判所の関与により受託者を選任することになります。
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