税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

合併の株主の課税関係

2007-07-20 08:04:11 | 法人税

株主の課税関係

対価

譲渡益

みなし配当

適格合併

株式等

金銭等

非適格合併

株式等

金銭等

みなし配当=対価-旧株に対応する資本金等の額
譲渡益=(対価-みなし配当)-旧株の帳簿価額

みなし配当は適格合併では生じません。非適格合併のときのみです。

株式の譲渡益は、合併が適格か非適格かには関係なく、対価が合併法人の株式等のみの場合には生じず、金銭等の対価があるときのみ生じます。

1

非適格合併、対価900(すべて現金)、旧株に対応する被合併会社の資本金等の額500、旧株の帳簿価額200

みなし配当=900500400

株式の譲渡益=(800400)-200200

2

適格合併、対価900(合併法人の株式)、旧株に対応する被合併法人の資本金等の額500、旧株の帳簿価額200

みなし配当:適格合併であるので生じない

株式の譲渡益:対価が合併法人の株式等のみであるので生じない。

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合併の債権者保護

2007-07-19 08:20:08 | 新会社法

おはようございます。税理士の倉垣です。
今日は、合併手続きにおいて債権がどのように保護されているかまとめてみました。

債権者保護(合併)

合併当時会社の債権者は合併に異議を申立てることができる。

債権者への通知

合併当時会社は債権者に合併に関する一定の事項を公告し、かつ、知れたる債権者には各別に催告をしなければいけません。この場合、債権者が異議を述べる期間は1カ月を下ることができません。
ただし、会社が定款で公告の方法を日刊新聞紙または電子公告で行うことと規定している場合で、合併の公告を官報のほか、日刊新聞紙または電子公告で行ったときは、債権者への個別の催告は不要とされています。

債権者の異議

債権者が異議申し立てをできる期間内に異議を述べなかったときは、その債権者は合併を承認したものとみなされます。
債権者が異議を申し立てることができる期間内に異議を申し立てたときは、合併当時会社は、債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又はその債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。
ただし、その合併でその債権者を害するおそれがないときは、この限りではないとされています。

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合併と株主

2007-07-18 08:19:29 | 新会社法

おはようございます。税理士の倉垣です。
今日は、「合併と株主」ということで、合併契約の株主総会での承認とこれに反対する株主の買取請求権についてまとめてみました。

株主総会での決議

合併契約は株主総会の特別決議で承認を受けなければなりません。

普通決議:議決権総数の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数で決する
特別決議:議決権総数の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の多数で決する

合併反対株主の買取請求

[買取請求権者]

株主総会の決議を要する場合
議決権株式:会社に反対の旨の通知をし、かつ、株主総会で反対をした株主
議決権なし:すべての株主
株主総会の決議が不要な場合:すべての株主

[買取請求の手続き]

株主への通知・公告

吸収合併:合併の効力発生日の20日前まで
新設合併:株主総会承認決議の日から2週間以内

[買取請求]

吸収合併:合併の効力発生日の20日前から効力発生日の前日まで
新設合併:通知・公告をした日から20日以内に

[買取価格の決定]

株主と会社間で協議が整った場合
吸収合併:合併の効力発生日から60日以内に支払
新設合併:設立日から60日以内に支払
協議が不調の場合
効力発生日(新設合併の場合は設立日)から30日以内に協議が不調の場合は、株主又は会社は、その期間満了の日後30日以内に、裁判所に価格決定の申立をすることができる。
裁判所の決定により価格が決定されたときは、会社は買取価格の他、効力発生日(新設合併の場合は設立日)から60日満了の日後の法定利息(年6%)を合わせて支払う。
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熱帯魚の耐用年数

2007-07-17 10:52:16 | 法人税
おはようございます。税理士の倉垣です。

最近、テレビで熱帯魚を鑑賞する人が増えたというような番組をみました。
部屋中熱帯魚の水槽で、そしてベッドはウォータベッドというような不動産物件もでてきているようです。

ところで、企業が応接室などのに熱帯魚の水槽などを設置した場合、会計処理はどうなるでしょうか

熱帯魚などの魚類は固定資産の器具備品としていったん資産に計上し、耐用年数2年償却していくことになります。もし、取得価額が少額(10万円未満)であれば消耗品費としてその期の損金に算入できます。

すぐ会計的に考えるのは職業病でしょうか。

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企業結合(合併)の会計処理

2007-07-13 08:10:08 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、企業結合(合併)の会計処理について書いてみました。

企業結合(合併)により、複数の企業が一つになったときは、その経済実態を忠実に反映するように会計処理をすることとされています。
つまり、持分の継続清算かにより異なる会計処理方法となります。
持分が合併により清算されたとすると、そこでその会社の資産負債を時価評価し、その評価額で結合後企業に新たに出資をしたもとして処理をします。
これに反し、持分が継続されるとすると結合当事企業の資産負債を帳簿価額で合算します。

このように持分の継続かどうかにより会計処理方法が大きく異なります。
その判断は次のすべとの要件を充たすものは持ち分の結合と判断し、持ち分の結合と判断されなかったものは取得と判断されます。
  • 合併対価のすべてが議決権株式である。
  • 結合後企業に対して各結合当事企業の株主が総体として有することになった議決権比率が等しいこと
  • 議決権比率以外の支配関係を示す一定の事実が存在しないこと。
公式ホームページに図解を掲載しています。

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事業分離等に関する会計基準

2007-07-12 08:09:58 | 会計
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は平成17年12月27日付の「事業分離等に関する会計基準」についてです。
ここ数年、私から見るとすごい勢いで会計基準が発表され続けていて、これをフォローするのが大変です。
基準の発表されるスピードと頻度もすごいですが、ボリュームもまた素晴らしい。とても数時間で読み切れません。特に今日の「事業分離等に関する会計基準」については唖然としてしまいます。数ヶ月前から何回もまとめることにチャレンジしましたが、圧倒的な量の前に委縮してしまい、何所から手をつけてよいのか迷っていました
今回、やっと糸口が見つかり始めたような気がします。気力も確定申告や3月決算法人の申告が終わって余裕も出てきたせいもあるのでしょうか。

まずはじめに、この会計基準の項目を並べてみるところからスタートします。

[分離元企業の会計処理]
  • 対価が現金等のみ
    • 子会社を分離先企業とする場合
    • 関連会社を分離先企業とする場合
    • 子会社や関連会社以外を分離先企業とする場合
  • 対価が分離先企業の株式のみ
    • 分離先企業が子会社となる場合
      • 分離前に分離先企業の株式を保有していない場合
      • 分離前に分離先企業の株を保有している場合(その他有価証券や売買目的有価証券)
      • 分離先企業がすでに子会社である場合
    • 分離先企業が関連会社となる場合
      • 分離前に分離先企業の株式を保有していない場合
      • 分離前に分離先企業の株を保有している場合(その他有価証券や売買目的有価証券)
      • 分離先企業がすでに関連会社である場合
    • 分離先企業が子会社や関連会社以外となる場合
  • 対価が現金等と分離先企業の株式
    • 分離先企業が子会社となる場合
    • 分離先企業が関連会社となる場合
    • 分離先企業が子会社や関連会社以外となる場合
本日はここまで。
追って原稿を書いていきます。

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会社分割

2007-07-11 08:13:17 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、会社分割について書いてみました。

会社分割は、吸収分割と新設分割があります。
吸収分割は、株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を分割後他の会社に承継させること。(会社法2条29号)新設分割は、新たな会社に権利義務を承継させること。(会社法2条30号)

合併では合併存続会社が合併消滅会社の株主に対価を交付しますが、吸収分割では分割承継会社が分割会社に対価を交付します。
分割会社が取得した分割承継会社の株式を、分割会社の株主に剰余金の配当として渡すことも、分割契約に定めることにより可能です。これにより、分割会社の株主は分割会社と分割承継会社両社の株主を兼ねるとこととなります。

移転財産については、合併は合併消滅会社のすべての財産債務が合併存続会社に帰属するのに対し、吸収分割契約において合意された財産債務等に限り分割承継会社に移転するところが異なります。

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株式交換について

2007-07-10 08:20:49 | 新会社法
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、株式交換について合併との比較をしながら書いてみました。

株式交換は、株式会社が他の会社にその発行済株式の全部を取得させることです。(会社法2条31号)
たとえば、P社がS社株式を全部取得し、その対価としてP社株式をS社株主に交付する方法です。
その結果、P社とS社の完全(100%)親子会社関係が出来上がります。
P社は、S社を新株発行だけで子会社化できます。新会社法では対価が柔軟化されその他,P社の親会社の株式やP社の社債等も対価として認められます。

この制度を採用した例として、ソニーとソニー・ミュージックエンタテインメントとの株式交換や、松下電器産業と松下通信工業などとのものがあります。

合併は手続き終了後、法律上1社になるのに対し、株式交換は当事会社がそのまま存続します。
手続きは、合併と株式交換はほとんど同じですが、債権者保護手続きや効力発生日などに違いがあります。

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合併の法的手続き

2007-07-09 08:10:53 | 新会社法

おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は、合併の法的手続きについて簡単にまとめてみました。

新会社法になり、合併についても改正点がありますので、それについても触れてみたいと思います。

合併の法的手続きは、次の順序で行われます。

  1. 合併契約の締結
  2. 関係書類の事前開示
  3. 次の手続き
    • 合併契約の株主総会での承認
    • 反対株主の株式買取請求
    • 債権者保護手続
    • 新株予約権買取請求(消滅会社のみ)
  4. 合併の効力発生
  5. 合併の登記

 [合併契約]
新会社法では、合併契約で一定の事項を定めなければなりませんが、契約書の作成は義務付けていません。しかし、登記時に必要になるので作成することとなります。
また、合併の対価の柔軟化が行われ、存続会社の社債や新株予約権、存続会社の親会社の株式(三角合併)なども認められます。

[関係書類の事前開示]
存続会社は、吸収合併契約等備置開始日から、効力発生日の後6か月を経過する日まで、消滅会社は、吸収合併契約等備置開始日から、効力発生日まで、合併契約の内容などを本店に備え置かなければいけません。

[合併契約の株主総会での承認]
特別決議が必要です。

[反対株主の株式買取請求]
合併に反対する株主は自己の株式の買取を会社に請求できます。

[債権者保護手続き]
債権者は合併に異議申し立てができ、そのために債権者に対する公告・催告の規定があります。

[合併の効力発生]
合併は、合併契約の効力発生日に効力が発生します。旧商法のように登記の日に効力は発生しません。ただし、登記をしないと合併に対効力がありません。

合併手続きの流れは下記記載のホームページのほうに図を載せていますので余裕のある方はのぞいてみてください。

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今年後半のブログ

2007-07-08 15:41:27 | OFF
夏は、暑さで体力の消耗が激しいような気がします。

やっと、ホームページをリニューアルすることができました。簡単なものですが、それでも結構時間がかかりました。
時間に余裕のある方は、ブログだけで出なくホームページもときどき見ていただければ嬉しく思います。
毎日ではありませんが、ホームページも更新します。

ブログの今年後半は、企業組織再編、リース取引、連結会計などにウェイトをおいて書いてみようかと思っています。

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