税理士 倉垣豊明 ブログ

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契約の解除の効果(民法545条)

2008-09-01 08:30:10 | 税金一般
おはようございます。 税理士の倉垣です。

契約で相手方がその義務を履行しないときは、他の一方は契約を解除することができますが、その契約の解除の効果について今日は民法の規定を調べてみました。

1.民法545条
(1)当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
(2)前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
(3)解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

2.解除の効果
(1)解除の遡及効(直接効果説)
解除が遡及するかどうかは、民法の条文には規定がありませんが、判例は遡及するとする直接効果説をとっているようです。

(2)返還義務の範囲
理論上、判例の直接効果説をとると、契約は最初から無効となり、もし契約当事者が相手方から受け取ったものがあるとそれは不当利得として返還の義務を負います。
不当利得だとすると、現存利益の返還のみとなります。(民法703条)
しかし、民法545条1項で原状回復義務を課しています。
そして、金銭には利息を付けるよう要求しています。

(3)損害賠償義務
不当利得の規定では、損害賠償の義務はありませんが、民法545条3項で契約の解除については、損害賠償の義務を規定しています。

(4)遡及効の制限
イ、第三者保護
上記(1)の遡及も第三者の権利を害することができないこととされています。(民法545条1項但書)
ロ、損害賠償の範囲
解除の効果が遡及するとすると、はじめから両当事者は無関係だったことになりますが、損害賠償に関しては遡及効を制限して、契約当事者の損害賠償の規定である民法415条の損害賠償の範囲すなわち履行利益の損害を請求できるここととされています。

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