税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

「ウォール街の闇 冨はどこへ移転するのか」

2011-03-05 07:51:24 | OFF
今週読んだ本の紹介です。

「ウォール街の闇 冨はどこへ移転するのか」 堀川直人 PHP研究所

1、第1章サブプライムに仕組まれた詐欺の手口
おいしい金融商品に仕立て直す投資銀行(p32)
インチキ商品を買取った投資銀行は、自社の「金融商品加工工場」(証券化専門チーム)に持ち込み、ローリスク・ハイリターンという一見もっともらしい証券化商品に仕立て直し、利益をつけて得意先の投資家に販売する。

2、第2章証券化という名の錬金術
「分散がきいている」という幻想(p50)
サブプライムの住宅ローン債権の場合、たしかに地域的に分散をきかしたポートフォリオになっていた。
しかし、中身は結局のところ、低所得者向けの2年間固定の低金利で、3年目に急に金利が変動高金利に変わるという爆弾を抱えた形態が多く、デフォルト発生のリスクに関しては、地域別の分散など実質何の意味も持たないものであった。

3、第5章錬金術師たちの素顔
リスクと富の「合法的な」配分(p122)
ダークスーツにサスペンダーをつけた現代の狩人たちは、石ころから金塊らしきものをたちどころにつくっては、市場で販売する。
原材料は街で集めてきた石ころで、これを投資銀行の「金融商品加工工場」(証券化専門チーム)に持ち込み、次の3つの加工を施す。
(1)複雑化
(2)理論化
(3)金メッキ(インテリ・イメージ)