税理士 倉垣豊明 ブログ

東京武蔵野市(三鷹)の税理士 相続税、贈与税等資産税対策、法人・個人向け税務・会計・会社法のブログ

数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任

2008-11-19 08:24:02 | 税金一般
おはようございます。税理士の倉垣です。

今日は「数量の不足又は物の一部滅失の場合における売主の担保責任」を取り上げました。
これは特定物売買についての売主の責任の規定です。不特定物売買では数量不足なら売主はそれを補充して提供 する義務があります。

民法565条の条文は次のように規定しています。
前2条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)の規定は、数量を指示して売買をした物に不足 がある場合又は契約の時に既に滅失していた場合において、買主がその不足又は滅失を知らなかったときについ
て準用する。

特定物の数量指示売買で数量不足があったときに、買主が善意であれば代金の減額請求や損害賠償の請求ができ ます。
もし、残存部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは契約の解除もできます。
これらの買主の権利は、その事実を知った時から1年以内に行使する必要があります。

具体的なケースでは、土地の売買契約があります。
土地登記簿の地積に単価を乗じて売買代金を計算している場合には数量指示売買であり、もし、実測面積が少な
ければ代金減額請求ができます。
しかし、単に登記簿上の登記面積を契約書に記載しただけでは数量指示売買とは認められず、したがってその後
の実測面積が少なくても代金減額請求はできないとされているようです。この場合の契約書に記載された土地面
積は、土地の単なる特定のための表示であって、数量を指示しているとまでは言えないと考えられているようで
す。

以上の売主の担保責任は、買主が善意の場合だけです。買主が悪意(数量不足を契約時に知っていた)の場合については書かれていません。
また、逆に数量が増えた場合は、売主から代金の増額請求ができるかについては、判例はこれを否定しているようです。

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